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第28話 上野君を蹴って弱らせてから助けよう作戦。2

 私もゆーくんも別々の物陰に隠れました。私の位置から二人の行動をちゃんと確認することができます。ゆーくんは万が一顔を見られるといけないので狐のお面を付けています。不審者です。


 暫くすると上野君がスマホをいじりながらやってきました。歩きスマホは一般的にダメと言われますが、上野君はめっちゃかっこいいからオッケーです。世の中所詮顔です。


 上野君は画面の操作に夢中なのか周りの様子を全く気にしていないようです。これは絶好のチャンスかもしれません。ゆーくんは隙を見て後ろから近づいていきます。やはり上野君は気付いていません。普段の日常生活で身に着けた存在感の無さがここにきてようやく発揮されています。まさに忍者のようです。


 ある程度の距離まで近づくとゆーくんが此方を見て頷きました。


 ――いよいよ作戦開始です。


 ゆーくんは力を溜めて思いっきり上野君を蹴りました。完全に不意打ちなので間違いなく倒れ込む姿がイメージできます。……正直痛がっている上野君を見たくないというのが本音ですが、レアなので写真に収めときたいです。


 しかし現実は違い、何故だか上野君はまるでノーダメージであるかのようにビクともしません。その様子にゆーくんも少し驚いたのか、少し笑いながら口を開きました。


「なるほどね。鎖かたびらね」


 どうやらダメージを受けなかった原因は制服の下に着こんでいた鎖かたびらにあるようです。今度は間髪入れず上野君が振り返り反撃を仕掛けてきました。容赦なくゆーくんの横腹に素早く蹴りを入れます。一瞬の出来事です。しかし、勢いのある蹴りだったにも関わらず何故かゆーくんもビクともしません。それどころか笑っています。


「あははっ!鎖かたびらを着てるのは君だけじゃないんだよ!!」


 ……お互い五分五分といったところでしょうか。

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