表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/34

第25話 寸止め。

 蹴るというと語弊があるかもしれませんが、あくまで寸止めです。これはただの練習なのですから。


 桃百合さんの顔面にギリギリ当たらないところで止める。もしかしてちょっと当たってるかな?ぐらいのところで止める。これを繰り返します。桃百合さんはやめてー!とか叫んでいますが、何でもしてくれるといったので、私の気分を盛り上げるために全力で演技をしてくださっています。まるで私が本当に襲っているようです。


 こうして現在に至るわけですが、私が桃百合さんに対して変なことをしているわけではないということがご理解頂けたでしょうか。


 ◇


「もう……!ほんとっやだ!……ぃ!」


「後3時間ぐらいは続けますよ」


「うそでしょ!?もうやめて!お願ぃ……」


「当日ミスしてはいけませんから練習は念入りにしないと」


「本当に蹴りである必要性あるのかなぁ……!」


「そんなの知りません!えいっ!えいっ!たーっ!」


「ひぃ……ぃぃ!!!!!」


 桃百合さんの演技も本格的になってきて泣き顔になっています。この演技力なら女優になれるかもしれません。いや、顔がそんなに可愛くないので女優にはなれないかもしれません。現実は厳しいです。


「なんだか盛り上がってきましたね」


「なってないょ……誰か助けて……」


「次からは本当に蹴ってみようと思うのでよろしくお願いします」


「ぅ……誰か………助けて……」


「助けなんて誰も来ません。私の家なのですから」


「たすけ……て……」


 その時です。私の部屋の扉がバタンと勢いよく開きました。


「何をしてるんだい!はっちゃん!!」


「……ゆーくん?」


 目の前には何故かゆーくんがいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ