第21話 とっておき。
「……なんで?」
せっかく調べてくれたのにゆーくんは何故そんなことを言うのでしょう?……よくわかりません。私が上手くやりとりできないと思っているのでしょうか?
「いやさ、僕も予め上野とネット上で絡んで、はっちゃんの恋愛をサポートできないかなーと思ってたんだけどさ」
「うん」
「……ちょっとこれを見てくれない?」
そう言い、ゆーくんは携帯の画面を私に見せてくれました。画面上部には恐らくゆーくんが送ったであろう「よかったら仲良くしてください」といったシンプルな内容が書かれてあります。
画面を下にスライドさせると上野君から返信があったみたいで「お前を爆破させるぞ」といったある意味シンプルな内容が書かれてあります。何故か画面越しに殺意を感じ取ることができます。かっこいいです。
「……これを見てどう思う?」
「ゆーくんって爆弾だったんだね」
「うん、そうだね。僕は熱や衝撃などによって生物や物体を殺傷する兵器だね、って違うよ。柄にもなくノリツッコミしちゃったよ」
「面白くないからやめて」
「ええ。はっちゃんが振ったことに対して全力で答えたつもりなのにそれはないよ。でも自分でもあんまり面白くないと思ったから爆弾を説明してからのノリツッコミは二度とやらないよ」
「……それでなんでこんな返信がきたの?」
「それが僕にもわからないんだ。ちなみにこの後、返信をしてみたんだけどずっと無視をされてるんだ」
「ゆーくんだからそんな扱いなのかも……?」
「僕が送ったアカウントは使い捨てのものだから、個人を特定できるようなものじゃないよ。ちなみに僕以外にも上野に対して似たようなメッセージを飛ばした人がいるんだけど「突き落とすぞ」とか「地面に埋めるぞ」とかそんな物騒なワードで返してくるんだ」
「謎が深まるね」
「単純に人と絡みたくないからこんなことを書いてるのかもしれないけれど、到底心情は理解できないね。だからはっちゃんも迂闊に連絡を取らないほうがいいよ」
「……たしかにそれはそうかも」
「それでなんだけどさ……とっておき作戦があるんだ。はっちゃん付き合ってよ」




