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第16話 手紙。4

 上野君が運命の相手だと再認識したところで、もう一度作戦に戻りたいと思います。


 恐らく失敗の原因は一回一回投げてるのが悪かったのでしょう。そりゃ上野君も偶然手で弾き飛ばすに決まってます。ではどうすればいいか?答えは同時にいっぱい投げることです。数打てば当たるというやつです。10個作って一気に投げることにします。なんだか豆まきみたいで楽しそうです。


 そうと決まれば早速行動に移すのが私です。ノート1ページ分をびりびりに破り捨て、10等分にします。端から見たら何かストレスでも溜まっているのではないかと思われてるかもしれません。気にしません。


 全てメッセージを書き終え、愛情を込めてくしゃくしゃに丸めました。後は投げるだけです。果たして上野君はどんな反応をしてくれるのでしょうか?「ショットガンかよ!こりゃキルされてもうたわ!」とかそんなノリノリなツッコミが来るかもしれません。楽しみです。


 深呼吸をして再び精神を落ち着かせます。


 では。参ります。私は再び女子力1億%のフォームで丸めた紙10個を同時に投げました。紙は同時に投げたせいかバラバラの方向に飛んでいます。しかし今度こそは絶対当たる――。その時。


 上野君の手は超高速で動き、私の投げた紙を全て真っ二つにしました。下には紙が散らばっています。


「う、嘘でしょ……」


 驚きの光景に流石の私も声を洩らし茫然と下を眺めます。


「七八」


「は、は、はい」


 突然上野君に声をかけられ思わず緊張してしまいます。上野君は席を立ち、私の所まで来て耳元で囁きました。


「次やったら切り刻むぞ」


「はい!!!」


 私は無我夢中で落ちてる紙を拾い集めました。……殺されるかと思いました。

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