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第13話 手紙。

 時間は経ち、再び授業の時間です。作戦を実行する時がやってきました。


 横を見てみると、何を考えているのかわからない表情で上野君が窓を眺めています。カッコいいです。私も見つめられたいです。これはもう窓になりましょう。やめときます。


 さて、今回の作戦は題して『授業中に手紙のやり取りをしよう作戦』です。勿論手紙と言っても長文ではなく、ちょっとした短い文のやり取りを繰り返し、上野君と仲良くなろうといった、ドラマや少女漫画で良くある光景のシンプルな作戦です。


 因みに一番重要な最初の文章ですが、『上野君と仲良くなりたいです』と書いた手紙を渡す予定です。シンプルイズベストです。私の純粋な気持ちを表しました。『下半身に興味があります』と正直どっちにしようか悩んだのですが、痴女っぽいのでやめました。


 勿論今回もどんな返事が来てもいいようにシュミレーションもバッチリできています。やり取りはこんな流れを想定してます。



『上野君と仲良くなりたいです』


『実は俺も話したかった』


『本当ですか?嬉しいです』


『俺も嬉しいよ』


『上野君は好きな食べ物はありますか?』


 上野君は急に席を立ち、黒板の前にいる教師からチョークを奪い取ります。


「ちょっと!上野!何やってるんだ」


「黙って見てろ!このクソ教師!!」


 獣のように黒板に上野君が殴り書きをします。――書き終わるとそこには認識できない文字が。


「上野!これはなんだ!」


「おい、葵!」


「は、はい!」


 突然名前を呼ばれて緊張して私も席を立ちます。


「持ってる3Dメガネかけてみろ!」


「は、はい!」


 偶然持っていた3Dメガネをかけると、そこにはなんと『味噌汁』という文字が。


「葵!俺のために毎朝作ってくれ!!」


「はい!!!!」



 完璧です。手紙のやり取りからプロポーズされる未来が完璧に見えました。

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