第12話 『店』後編
11話のサブタイトルをちょっと変えました
入り口から大きな音がした。
珍しいこともあるもんだ。
柑奈が「いらっしゃいませ」と入り口に向かう。
それに続いて何故か凌が呻き声をあげる。
一体誰が来たのだろう。
僕の場所からは死角で見えない。
見に行こうと寄りかかっていた壁から離れようとすると、声がした。
「あ、ヤンキー?何でいんだよ。番犬か?実はなかなか優秀だったんだな」
凌に向かって即座に放たれる挑発の言葉。間違い無い。
僕の視界にショートヘアにリボンを付けた、見知った顔が現れる。
「玲」
凌に向かってそんな口が聞けるのは玲ぐらいしかいない。
「ん?ミーまでいるのか?」
玲は僕に気付いてこちらを向いて言う。
凌は……プルプルと震えて怒りを我慢していた。
昨日はキレていたが、殆どこうして我慢している。
昔2人の間で何かあったらしいが、どうしても語ってはくれない。
人間誰でも話したくない事はあるもんだ。
「何しに来たんですか?玲」
僕は尋ねる。
「何しに来たって……ここ喫茶店じゃないのか?」
「一応そうですけど……」
玲は怪訝な顔をして聞き返してくる
確かに喫茶店だけど、よく入ってきたな。
たいていの人はあの変な看板を見て躊躇うと思うのだが。
あの無秩序なまでの大きさは如何なものかと常々思う。
「前の看板がさ、あまりにも変だったから興味湧いちゃってさー」
なる程。玲も変な人なのか。
類は友を呼ぶってやつか?
「お姉さん、店長たちの知り合いなの?」
玲の後ろにいた柑奈が会話に入ってくる。
「……不本意ながらな」
店長こと、凌が仏頂面で答える。
「何だよ?不本意って。あたしは伊波玲よ。こいつらとはクラスメートなの」
「あ、水端柑奈です。よろしく」
玲と柑奈がお互いに自己紹介する。
「お、俺!!羽次芹蒔です!!」
「僕は須勝蒼佑だよ」
何故かいつの間にか直立の芹蒔とおっとりしたように話す蒼佑も名乗る。
「よろしくね」
芹蒔と蒼佑に向かって笑いながら言う玲。
「ぐはぁっ!?」
すると、まるで吐血でもしたのではないか?と思うような声を上げる芹蒔。
何なんだこいつは。
「店長!!」
勢い良く店長に近付く芹蒔。
さっきまでの怠け具合からは想像も出来ない速さ。
「あぁ?」
玲が来てからやけに機嫌が悪い凌。
その返事は子供はおろか、大人でも泣きそうだよ?
「店長ってあの玲さんと付き合っ……」
「殺すぞ」
「すみませんでしたぁぁぁ!!」
一瞬で元の場所に戻り、土下座の体勢で謝罪する芹蒔。
だから、何でそんなに素早いんだよ。
そんな芹蒔に玲が近付く。
「芹蒔くん。あいつは私の犬なんだよ」
「ピキッ」
玲が芹蒔に告げると同時に、凌の方から不気味な音がする。
あ、額に青筋浮いてる。
かなり我慢してるな。
「とある事でね、あいつは私に頭があがらいんだ。だから私の犬」
「バキッ!!」
玲が喋ると再び音がする。
今度はテーブルか。
「なる程!!玲さんかっこい……」
「あ゛ぁ?」
「すみませんでしたぁぁぁ!!」
はぁ、騒がしい。
僕はため息をつくと、玲が適当な椅子に座った。
「店長、コーヒー」
「…………」
玲が凌に向かって注文する。
それに対して思い切り無視する凌。
「あ、私淹れます」
柑奈が出るがそれを玲が止める。
「コーヒー」
「…………」
再び注文する玲。
またしても無視する凌。
「おーい?」
「…………」
「実は三年前に凌が……」
「コーヒーで良いんだなっ!!」
凌……どんな弱みを玲に握られてるんだ。
ししし、と笑う玲。
でも、何だかんだで相性が良いんだよね。
玲は凌をからかっているときが一番楽しそうだし、凌はこの時が一番自分の性格を表に出していると思う。
「何だよミリー?」
「何でもないです」
コーヒーカップをわざと大きな音を出してテーブルに置きながら聞く。
「ちょっと!?態度悪いぞ!!犬」
そんな玲の言葉を聞き流して戻る凌。
あ、握り拳作ってる。リンゴくらいなら簡単に潰せそうだな。
「あれ?意外とおいしい」
玲がコーヒーをブラックのまま、一口飲んで呟く。
趣味とか何とか言っているが、凌の淹れるコーヒーはとても美味しいのだ。
「店長は努力してるからね。豆の種類、産地、品質から淹れ方までこだわってるんだよ」
今まで静かにしていた蒼佑が説明し始める。
そうなんだ。知らなかった。
「蒼佑、余計な事を喋んじゃねぇよ」
照れ隠しか背を向けて注意する凌。
「すみません店長」
「人は見かけによらないねぇ。どうせならその金髪もコーヒー色に染め直せよ」
玲がからかう口調ではなく、いつになく真面目な口調でそう呟いた。
「ただいま帰りました」
僕はマンションに戻り、いるであろう燈加さんに声をかける。
結局あの後、玲の何度かの挑発で凌がキレてみんなは逃げるように解散となった。
僕はみんなと別れて遅い昼食を取った後、その辺を何時間か散歩して、帰ってきた。
久し振りに散歩したせいで、長い時間がたっていた。
時刻は16時過ぎ。
「燈加さん?」
返事がない。出掛けているのだろうか。
僕はウィッグを外すために洗面所に向かう。
「あっ」
僕はドアを開けて、声を出す。
そこには燈加さんがいた。
手にバスタオルを持って、全裸で。
白くて綺麗な濡れた肌、上気する湯気。
それから……燈加さんがとっさに隠した両手のそれぞれの中。
一瞬の光景だった。
「すみませんっ!」
僕はすぐに洗面所から出てドアを閉める。
ため息が出た。
はい、12話おしまいです。
キャラクターがブレて仕方がない作者です。
どうしようもなく性格が変わっているようで気になります。
書いている側だけでしょうか?
読む側からとっては、気にならない事を祈ります。
ところでミー君の呼称ですが、『ミー』と『ミリー』がありますね。
何となく雰囲気で分けましたが、男性陣からは『ミリー』、女性陣からは『ミー』となっております。
特に分ける事に意味は無いですが、何となく気になったので、書いておきますね。
いまいち表現が拙い作者。
そのおかげで頑張ってもR15くらいの表現しか書けません(笑)
嘘です。冗談です。
書こうと思えば書けます。
表現が下手くそですが。
誰かアドバイスください。
なんかね、書いているうちに自信が無くなっていくんですよ。
いや、元から無いんですけどね。
やる気というか、最後まではしっかり書こうという気持ちだけはあります。今は。
自信が無いにも関わらず、書かなければいけない。
うまく表現出来ないプレッシャーに押しつぶされる私。
読者様からの苦情(幻聴)
追い込まれてみたいですね。
やはり私はMなんでしょうね。
後書きに書くことが無い、もしくは同じ事ばかり言っているような気がします。
何か変わった事を書かなければ…………
思い付きませんね。
何かないかなぁ。
とりあえず作者の自己紹介でもしときますか。
知人(いるか知りませんが)に特定されるのは嫌なので、限定されますが。
ではまず資格編
・漢検 2級
・英検 準2級
・数検 2級
・??? 二段
これだけでしょうか。
???はご想像にお任せします。
では次、高校の評価(五段階)
数学 5
英語 5
理科 5
国語 5
地歴 4
公民 5
芸術 4
家庭 4
保健 5
体育 5
とまぁ、こんな感じですね。
教科はまとめたりしてますが。
こんな感じの作者です。
他にも作者の事が知りたい人は質問してくださいな。
多分いないとは思いますが。
じゃあ今日もここまで。
おやすみなさい。




