35.食べないわよ!
「ミミズって……マジで言っているの?」
イヴは震えながらレイレイの肩を叩く。
「……どうされました?」
「いやいや、どうされましたじゃなくて!」
今にも泣きそうな表情を浮かべて叫ぶ。
ははーん。
まさかイヴちゃん、ミミズが苦手なんだな。
お兄さん。ちょっとからかいたくなってきたよ。
「ミミズ良いじゃないか。あれ、可愛いだろ」
「全然可愛くないから! スレイの目はどうなってるの!?」
「すごく一般的な目をしていると思うぞ。ほら、あのうねうねしている図体。キュートじゃないか」
「頭おかしいんじゃないの!?」
イヴが涙目で俺に訴えかけてくる。
ふふん。可愛いところもあるじゃねえか。
「スレイの言う通りだよ! ミミズって可愛いし、何より美味しい!」
「うんうん。俺の言う通り……ってミーア。お前なんて言った?」
「ん? だから、可愛くて美味しいって!」
「マジで? 美味しいのあれ? というか食うのあれ?」
正直、こっちの方が衝撃的だった。
ミミズを食べるって……マジで?
「黙って聞いていたんですけど……ミーアさん、ミミズ食べるんですか……?」
「食べるよ! 獣人族はみんな食べるかなぁ。あ、でも私は普通のご飯が好きだよ!」
「獣人族すげえな。だそうだぞ、イヴ」
「だそうだぞって何!? 食えってこと!? 泣くわよ!?」
「食わないのか……」
「食べないわよ!」
残念だ……。




