30.資材確保
「ミーア、なんかいい感じの資材集めに行くか」
「だねだね! レイレイが作る釣り竿、楽しみだなぁ!」
俺とミーアは二人で、木材の確保を頼まれた。
ちなみにイブは倉庫で糸を探す役目を与えられた。
「二人きり……いいな」とかなんとか言っていたが、仕方がないことだ。
それに、別に俺がミーアと二人きりになったところで心配することもないのにな。
「さーて、木材と言っても……普通に枝とかでいいよな」
「簡単なものでいいと思うよ! レイレイも特別指定をしていたわけでもないし!」
俺は斧片手に、近場の木を触っていた。
もしかしたら木を切り倒さないといけない……なんて考えていたけど、普通に考えすぎだったな。
俺は肩を回しながら、いい感じの枝を探す。
「……」
「なにしてるの?」
「背伸び……」
とはいえ、枝というものは木の高い部分に生えているものだ。
俺は身長が特別高いわけでもないので、無言で背伸びをするというシュールなことになっていた。
「届いてないよ?」
「……」
残念ながら、俺の身長ではどんなに頑張ってもいい感じの枝までは届かなかった。
普通に恥ずかしい。
「ここは私に任せて! これくらい余裕だよ!」
「……すまん」
俺はなんだか恥ずかしくなってきて、今にも隠れたい気分だった。
無言で背伸びしている光景だなんて、誰も見たくないよな。
恥ずかしい……普通に恥ずかしい……。
「よっと!」
「おお……すげえ」
さすがは獣人族のミーアである。
軽い足取りで木々をよじ登り、高い枝を確保していた。
「これくらいでいいかな?」
枝を折って、持ってきてくれる。
「うん。これでいいと思う。さすがだな」
「えへへ……頭撫でてくれてもいいんだよ!」
「はいはい」
俺は言われるがまま、ミーアの頭を撫でる。
全く、ミーアは可愛いなぁ。
「それじゃあ戻ろうか。待たせるわけにもいかないしな」
「うん! 戻ろ!」




