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25.疲れた……

「頼むから起きないでくれよ……」


「起きないわよ。あたし、渾身の一撃、決めてるから」


「そうだよ! 超クリティカルヒット!」


「それはそれで心配だな」


 この子たちの渾身の一撃って……想像するだけで痛い。


 というか震える。


 ちらりと気絶している男たちを見て、乾いた笑いを浮かべてしまう。


 ははは……まあレイレイを狙ったのが間違いだったんだ。


 残念だったな山賊たち。


 ♦


「おお! お主ら、山賊たちをぶっ飛ばしたんじゃな!」


 第三村まで来た俺は荷車をボタン邸前に止めて、報告をしに来ていた。


 男たちは相変わらずぐっすりと眠っている。


 さすがは渾身の一撃……恐ろしい。


「ほほう。五人……全員捕らえたのか! ふふふ、素晴らしいのじゃ! 褒めてやろう!」


 ボタンは腰に手を当て、ガハハと満足気に笑う。

 男たちをじーっと見た後、後方に向かって叫ぶ。

 すると、部下たちが急ぎ足でやってきて荷車をどこかに運んでいった。


「ちなみに彼らはどうするんだ」


 俺は疲れた体をほぐしながら、ボタンさんに尋ねる。


 一応は確認しておこうと思ったからだ。


 これで万が一全員地獄行き……なんてことになると、俺は俺で不安だ。


 しかし、ボタンさんは俺をからかうように笑う。

「安心せい。全員、山賊たちが拠点としている場所に返す。もちろん、色々と交渉してな」


「まあ殺さないなら俺は構わないよ。身柄は任せる」



「うむ! あ、お礼に何かいるか? なんでもよいぞ!」


 お、マジか。


 それは嬉しいな。


「だってよ三人とも」


 俺は背後で待機していたミーアたちに聞く。


「あー、大丈夫ならインフラを整えたいかな。水道は難しいだろうから、火を起こす魔道具をいただけると嬉しいわ」


「私はご飯! ご飯がいい!」


「わ、わたしはお任せします」


「えーと、大丈夫?」


「大丈夫じゃ! 水道は難しいが、火を起こす魔道具ならあるぞ! それと食料も安心せい! 全部用意してやる!」


 本当にありがたい。


 ボタンにはお世話になってばかりだな。


「妾の部下に送ってやるよう指示しておくから、お主らは先に帰って休んでおれ! 遠慮するな!」


「マジでありがとう! また何かあったら俺も手伝うからいつでも連絡してくれ」


「じゃあねー!」


 そう言って、俺たちは帰路に着いた。


「ああ~本当に疲れた。やっぱ俺、戦うのには向いてないな」


「あたしは向いていると思うけどね」


「私も! スレイが戦うの格好いいよ!」


「で、ですです」


「そういう問題じゃないんだよな……」


 まあ、褒められて嬉しくないってことはないけど。

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