15.はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
「うわー! スレイの顔が載ってる!」
「ミーア……喜んでいる場合じゃないぞ……」
どうして俺、指名手配されてんだ!?
何か犯罪とかしたっけ?
いや……俺はただの一般人だ。
特に悪いことなんてしていない。
奴隷商だって、国の法律では認められていることだ。
「大量の借金を抱えたまま逃走! 暴力沙汰を起こしながら各地を転々としている……と書いておるな!」
「合ってるの大量の借金の部分しかねえ! 後半部分完全な捏造じゃねえか!」
この様子だと、俺のことを指名手配したのは借金取りに違いない。
クソ……ここまで面倒なことをしてくるのかよ!
俺はボタンさんから手配書を受け取り、じーっと眺めてみる。
うわ、色々と書かれているな。
俺を捕まえた人には賞金をやるってか。
これまた厄介なことをしてやがるな。
ええと、他には。
情報をくれた人にもお金が譲渡されるのか。
へぇ……。
「ボタンさん。どうして俺のことをじっと見ているんですか?」
「いやな! 妾、お主の実力を目の前で見たいなぁっと思ってな!」
「はぁ」
「妾の部下たちでドンパチやらせるのも楽しそうじゃが、さすがに可哀想じゃろ?」
「ま、まあ」
「だから借金取りに情報を売った! 今日中にはこの街に来るぞ!」
「はぁぁぁぁぁ?!?」
とんでもない衝撃が脳内に走り、思わず手配書を破ってしまう。
え、嘘。俺の情報を売ったの?
「あ、貰ったお金はお主に渡すから安心しろ。ほれ、これが情報料じゃ」
「い、いやいや。それは貰いますけど! それよりも、情報をマジで売ったんですか!? 今日中に来るんですか!?」
「来るぞ! 楽しみじゃな!」
「嘘だろぉぉぉぉぉ!!」
頭を抱え、そのまま膝をついてしまう。
マジか……居場所バレちまったのかよ。
ボタンさんよ……マジでそれはダメだよ。
俺の平穏が……崩れる音がする。
「大丈夫大丈夫! 拳で追っ払えば済む話じゃ! 妾はお主の力がみたいからの!」
「あまりにも勝手すぎるでしょ!」
「実力見せてくれたら、絶対に妾たちがお主の安全を今後も守ってやると約束するから、な? ちょっとばかし実力を見せてくれ!」
「ああもう……どうする三人とも?」
後ろを振り返り、三人に確認してみる。
「ぶっ倒せばボタンも色々と協力してくれるんでしょ? ならぶっ倒そうよ!」
「どちらにせよ、いずれは見つかっていただろうし。早めに決着をつけるって意味ではいいかもしれないわね」
「わ、わたしは……多分大丈夫です!」
「たっく……三人がそういうならやるしかねえか」
俺は嘆息しながら立ち上がり、腰に下げているナイフを叩く。
よし、覚悟決めろ俺。
「ボタンさん、無茶は今回だけにしてくださいね」
「おお! 乗り気になってくれたか! 楽しみじゃな!」
そう言って、ボタンさんは椅子から立ち上がる。
パタパタと走りながら、扉の方まで向かった。
「村の門から入ってくると思うから案内するぞ! 妾にお主らの実力を見せてくれ!」
「はいはい。はぁぁぁぁ……怖いなぁ」
ため息が止まらない。
「さっさとぶっ倒そうね!」
「ま、頑張りましょ」
「スレイさん……大丈夫ですか?」
覚悟決めろ俺。
大丈夫。もう一度、頑張ろう。




