68.遠足の準備をするようですよ⑤
話の流れを変えに変えたまんま放置。まんまのままが1番だよね!
そのままの勢いで当初の目的を果たしましょ!
さてさて。
皆さん、忘れてないかね?当初の目的。みんなでなにしに来たのかを。
当初の目的は物資の準備なのだよ。
「さ。準備しちゃお。テント類も持って行けそうならあった方が良いだろうし。食糧は現地で見つければ良いけど水は持って行った方が良いしねぇ。必要な物、準備せねばだねぇ。」
棚に目を向けつつ私は言う。ユキやゆずるんが我先にと動き出した。
積極的だねぇ、2人とも。
みんなが動き出せば、未だに気に入らないと顔をしかめている阿部も黙るしかないようで文句を言うことなく、自分は何をすれば良いかユキ達に聞くべく動き出す。
「マジックバックはそこまで容量が大きくはない。だが、水やテントは入るはずだ。保存食も必要だな。」
「荷物は私達が持つわ。貴方達は武器だけを持ってくれれば良いから。戦闘に邪魔なものは持たなくて良いわ。」
2人はそう言いつつ、必要なものを入り口付近に移動させ始める。
ユキもゆずるんもはじめからそのつもりだったようだね。
自分達は戦闘に向かないから荷物持ちとして役立つぞー的な?
マジックバックにどれだけ入るかを二人が誰よりも詳しく知っているからこそ、何を入れて何を入れないかを相談し始めてる。
「だけど………それじゃあ2人に負担がかかるよね?」
「そうでござるよ!」
11人分の荷物の管理となれば相当だ。
2人への負担が大きくなってくる。
それを良しとする子たちはいないわけだね。良い子たちや。
「良いから。私達は戦闘じゃあたいして役に立てないんだから。それにマジックバックは中身をどれだけ変えても重量は変わらないのよ。」
「君たちは戦闘に集中してくれ。ボク達もボク達にできる事をしたいんだ。ボクらはボクらに出来る事をして君らの役に立ちたいんだ。」
テコでも動かない。そんな頑なな意思がそこにはあった。くっそ頑固。自分の主張を変えようとはしない硬すぎる意志がある。
それを見て、みんなは納得はしないまでも、視線を合わせて、折れた。
いや、折れざるを得ないよね。こんなん。ゆずるんもユキも断りにくい言い方するもんだし。
負担はたいしたことないし、出来ることをやらせてくれだなんて。
「………そう。」
「無理しちゃダメよ?」
「大丈夫だ。」
ユキは返事しつつ、荷物の準備を進めている。
頑なだねぇ。
ま、やれることをやっていこうとする姿勢は好感が持てなくもない。
「………………じゃあ、荷物はユキ達に任せてもいいかな?私、他の準備するよ。」
入り口へ向かいつつ言う。そんな私の横を迷いなく歩くのはお兄さん。何をするかを理解してではなく、なんとなく付いてきましたって感じだね?
君は私のひよこかぃ?私は君の親鳥かね?あとから条件反射的についてくるアレですか?
ピヨピヨ鳴いちゃいますか?なでなでしちゃうぞ、こらぁ。
「他ってぇのは?」
私についてきた私のひよこはやはりというか。
何をする気だったか知らずに反射的に私についてきていた様子。
「激袋やら何やらを作っとく。一応、人数分あった方が良いでしょ。」
「あ、手伝いますっ!!」
お兄さんの様子に呆れつつも返答すれば、カナちゃんがぴょこぴょこと、私に近づいてきた。
可愛い小動物、ゲットだぜ!!
激袋を作ったりとかの作業ならカナちゃん得意そうだし、助かる。
ぴょこぴょこ付いてきたカナちゃんの後ろから桜井や谷上も続いてきた。2人も手伝ってくれるらしい。
人数分作るとなると大変だから助かる。
桜花は4人の仲間を得た!!テレレテッテレー!レベルが1上がった!
「じゃ、荷物よろしくねぇ。」
「分かった。」
ユキ達に一声かけて退室〜。
人のたくさんいる場所で荷物運びとかしつつ調合なんて危ない真似はしません!
誰かが調合とかする中、荷物運びをしてた子がよろめいてぶつかりーーーそして、ドッカーンするなんてお約束、桜花さんはやりませんとも。その展開も面白うそうだけど、面白そうだからってやらない。良い子だからね、桜花さんは。
「手先の器用さには自信があるでござるよ!」
「激袋って作ったことない。」
廊下を進みつつ、桜井や谷上が言う。
桜井は作ったことありそうだけど、谷上はないようだね。
難しくないから大丈夫でしょ。たぶん。
「いろいろ調合して袋に詰めるでござる。で、魔物に投げると目眩しや時間稼ぎになるでござるな。」
桜井、丁寧に説明してくれた。
とはいえ、さすがに激袋を知らないってことはないはず。作り方の重要なとこはいろいろ調合のとこだから、大切なとこが抜けた説明になっている。
「母さんに持たされたから持ったことはあるけど…」
「お母さん、戦闘員?」
「ううん。違う。」
お母さんから渡されたものしか使ったことなさそうな様子だから聞いてみれば、非戦闘員作の激袋だと判明。
危険な地へ行く息子のために作ったんだろうけど。お守り的には良さそう。実用性を考えると戦闘員が作ったもののほうが明らかに役立つんだよなぁ。ま、当然か。
戦闘員に比べると使えるものが限られてるから、ないよりはマシだけど、戦闘員が作ったものの方が役立つ。
「そ。戦闘員が作る激袋のが過激なの作れるよ〜。ま、扱いに失敗して爆発させたりするバカもいるけど。」
怪我するバカもいるから。使い方や注意点は説明をしとかないといけないかな。自分の装備で自滅するとか笑えない。ぷぎゃぁなんて言ってらんない。自爆とか戦う以前の問題だ。
物品管理ができない奴は闘う資格すら得られない。
私、激袋って作れるし装備したりもしたりするなけど。あまり使わないんだよなぁ。激袋には火薬系もあるけど、自分で攻撃した方が早いから、使用どころがなくてねぇ。
だから、自爆も何もしたことないんだけど、たまぁに自爆するバカが出たりするんだよね。で、注意しましょうっていうお知らせがくる。
「危ないですよね。閃光弾などありましたから、爆発系はやめときましょう。」
うん。
閃光弾的なものとかは常にカナちゃんな腰に装備されてるから、学園の機材室にあるのは知ってた。
なんなら、自作のがぶら下がっているのも気付いていたよ。
自衛とか言ってたからカナちゃんが持っている分には催涙スプレーの部類と同じものだと思っているけど。カナちゃん以外に持たすと危なそうだからなしなのは賛成。近しい人から自爆した子が出たとか嫌すぎる。
「麻痺類は作る?」
ビリビリ痺れちゃう系。
弱い魔物なら痺れている間にしとめたりも出来て便利。
襲ってくる人間にもとっても有効☆彡チビ投げるとやり過ぎるから、人間相手には激袋の方が良いのだよね。
「はいっ!調合しますね!催涙系も目眩しに良いですっ!激臭系は……チビさんが辛いですか?」
何を作ろうか思案するカナちゃんは楽しそう。
薬の調合とか好きなんだねぇ。持ってる材料系あげようかな。原材料なんてあっても私、使わないし。
チビを気にせず、好きなようにやっていいのに、カナちゃんったら優しいなぁ。上目遣いでチビを見る姿は可愛らしいじゃないか。癒しだね、癒し!!
「構わないんじゃないかな。魔物が嫌いな匂いは不得意じゃないよね?」
「にゅにゅう〜。」
「得意じゃないけど耐えれるからアリ。」
「にゅぅ〜。」
恨みがましい声をチビは出すけど、そこまで強い拒否はない。
必要ならば仕方ないって感じだね。
「……無しにしときましょうか。」
ん?
カナちゃん、チビの反応見ながら言うけど…気にしなくても良いのに。まったく、本当に優しいなぁ。
「あ、桜井や谷上は詰める作業のが良いかも。配合からやるなら、下手に触ると、ねぇ〜。」
いろいろカナちゃんが調合するなら恐ろしいことになりそうだから、桜井谷上ペアに言っておく。
お兄さんも危ないっちゃ危ないけど下手に触ったりはしないでしょ、たぶん。
「………稲盛さん、そういうの得意なんだ。」
「薬の調合はよくしますから。毒も使い方によっては薬となりますので、よく扱うんです。任せてください!」
どーんっと胸を張る姿は幼い子がお姉さんぶっているようで可愛らしい。むぎゅってしたくなっちゃう。なんて言ったらカナちゃんに怒られちゃうけど。
ついつい、頭を撫でたくなっちゃう様子にほっこりするだけにとどめとく。
下手に怒らせたりはしないよ?紳士だからねーーーって、私女だから紳士ではないや。
「なるほど。」
毒系にカナちゃんが詳しいのに驚いた谷上、桜井も理由を聞けば納得した様子だ。
毒も使い方次第では薬となる。逆も然り。もろにカナちゃんの領域なのです。
治療が得意な彼女は腰袋の中にいろいろと常備しているんだよね。その場で調合したりもできちゃう物がそろっていたりする。いつでも応急処置が可能なの。
「桜花ちゃんも毒物には明るいだろ?作るのかぃ?」
「んー。え?何で明るいと思ったの?」
みんなの中での私のイメージについて、一度私は話し合わなきゃいけない気がする。
なんだか、とてつもなく、やばめな子になってないかな?
いじめられても気にしないどころか、やり返す。そのうえ毒系に明るい。
これってやっぱりやばい子じゃん?サイコパス的な?
そんなイメージをみんなに持たれているのかな?こんな清楚系女子な桜花さんが?
とても不服だよ?
読んでいただき、ありがとうございます^_^
徐々に見ていただいている方が増えており、月姫感激です!
楽しんでいただけると嬉しく思います。
もう春ですね
休みには雨が降って出かけられず見れておりませんが梅が綺麗な時期…
もう時期桜ですね
晴れた日に仕事をしていると無性に観に行きたく思います




