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59.遠足があるようですよ④

ワクワク学園は幼い時から戦闘員として育てられた子の更なる育成を目的にしているわけではなく、大きくなってから戦闘員になった子の育成を主にしているみたい。


現場経験が少ない子が多い。圧倒的に経験が少なく、実力も高いわけではない。


ワクワク学園にこの子たちが入れられたのは、いきなり現場に出して死なないようにする処置なんだろうなぁ。だなんて思ったりする。私は師匠になぜか入れられたけど。


なぜか入れられた。マジで、なぜ入れたし。


みんな、単独行動じゃあ危ないだろうな。可能なほどの実力はない。3日間あるなら変わりばんこで見張り番しながら寝ないと対処できないだろうし。


やっぱり集団行動かなぁ。


私の武器達がぶーぶー言うけど。仕方ないよね。ほっといたら、大怪我しそうだし、みんなが集団行動したいっていうならついていこう。


「変態野郎がどうせ見てる。死ぬ可能性は低い。安全下で無理ができるってぇのはありかも?それも一興だし、安全下に死の体験って中々中々。」


冗談半分で笑いながら言えば、阿部はやはり真剣な顔で話を聞いており、思案している様子だった。


冗談にリアクションとって欲しかったけど、真面目に聞かれただけだった。聞き流されてしまった。


ちょっぴり寂しいよね。流されちゃったよ。


ボケって突っ込まれずに流されると辛いよね。うん、辛い辛い。ボケ殺しだよ。しかもその自覚がないんだからタチが悪い。


天然たらしくらいにタチが悪いよね。本当タチが悪すぎる。ちゃんと相手してくれないと泣いちゃうよ?


「中々って。誰がそんな経験したがるのよ。」


呆れた様子でマリはいう。うん、マリはリアクションしてくれるよね!大好きだ。リアクション激しくしてくれた方が会話が楽しいよね!


阿部みたいにスルーしたり、はたまたスルーしたりがないから助かるね。うんうん。


「1人で行くのは無理だと思うのかぃ?」


すぐそばだけとは言え、森へ一人で飛び出したこともあるお兄さん。


一人で薬草集めができないなんて言われたらプライドもあるから気に入らないかな?


お兄さんだったら、最初から単独行動しないかなとか思ってたけど。いつも、何気なくみんなの意見を聞いてから動いているし。


みんなの中じゃあ実力が上だからこそ、プライドは高いよね。きっと。


「ん〜?無理とは言わない。ただ危険だねぇ。実地経験、知識がない中で、自分だけでことにあたらなきゃいけないからね。」


プライドがあろうとも。


危ないものは危ない。


分かってて行くならともかく、自覚なく行くなら尚更危ない。


まぁ私も猪が如く危険地に猛進していくタイプだから、誰が言ってんねんって話だけどね。いやぁ師匠に何度叱られた事か。


直さないけど、人のそれを見ると止めたくなっちゃうよね。自分のことは棚上げしちゃう。


「桜花ちゃんだったら1人で行けるかぃ?」


私の返答にお兄さんはあまり不機嫌になるでもなく、分かっていたことだったかのように聞いていただけだった。


気に入らないかなぁとか思ったのは私が気にし過ぎただけだったのかな。杞憂に終わったわけだね。いやはや、良かった。僕、大丈夫だもんッて意地張られても困っちゃうわけだし。


………いや、うん。


お兄さんのキャラじゃないね。僕とか言わないしね。意地張ったりはするかもしれないけども。それで暴走しちゃったら痛い目見ちゃうわけだし。お兄さんはさすがに無理はしないでしょ。多分。


まぁだとしても。


何で私が行けるか否かを聞くのかな?そこ、気になる?


「桜花だったら行けそうよね。」


いやいや、マリ??


確かにワクワク学園に来る前は1人で行く気満々だったけどね?


よほどのことがない限り、私は単独で動いたりしたことない身だよ?誰かと共に動いていたからね?出来るか否かだったら出来るけど。


君らに比べて確かに実力も経験もあるけど、万能でもないんだから、そんなに全面的に出来る子的な認識はやめてくれるかな?


「そういう経験もあるんじゃないか?」


「まぁ、あるけど。ここに書かれているものを採ってくるように言われて1人で動いたこともあったよ。とはいえ、もしもの時には師匠達を呼べる状況だったし、実際に呼んで助けてもらったりもした。」


私だって、無理な時は無理だって。


師匠達呼べたから対応出来たことだって少なくない。


ワクワク学園にいる魔物は弱いから何とでもなるけど、実際のところ、自分より強い魔物に出会うこともあるわけで。敵は魔物だけって訳じゃないから、不測の事態にも陥ったりする訳だよ。


もしもの時に誰かを呼べないのは中々に怖いから、普通なら私だって誰も呼べない状況で1人で行ったりしないってば。いろいろ対策して、大丈夫って判断しなきゃ動かんよ。


「桜花が?」


「何が起きるか分からない場所だからね?どんな実力者だって、大抵はグループを組む。それは必要だからなわけで。薬草くらいは一人で行ったりするけどさ。それだって日帰りの場合は、だよ。それにしたって、すぐに逃げれるか、誰かを呼べるかっていう状況でしか行かないし。自分、強いから大丈夫って思ってるやつは死ぬのがお約束〜。」


油断大敵なわけだよ。いや、マジで。死にたがりじゃなければ石橋は叩いて渡るべきだよ。死んでも良いやと気にせずアクセル踏んで突き進むのもスリリングで良いかもだけど。


薬草採りだけだとしても、魔物のいる地に行くわけなんだから、油断はしちゃあいけない。1人で採りに行けなくはないけど、魔物に出会ったらヤバいよね。集団に1人で囲まれたら助けてコールしたくなるよね。


「個別で動くにしても、お互いに連携が取れるようにしておかないと危険ってわけね。何かがあった時が怖いわ。」


ふむと考える人的ポーズを取りつつ、ゆずるんは言った。


まぁまぁ、協力体制を取った方が安全だよねぇ〜。


「そうだねぇ。助け合いの精神は自分を助けるから重要よぉ〜。変態野郎を全面的に信頼するなら、助けを求めれば助かるだろうけど。」


「あんなやつ、信頼出来るわけがないじゃない!」


こらこら。マリさんや。


確かにあんなキャラに頼るのは嫌だけど。イラッとくるけど。たこ焼き買ってタコが入ってなかったくらいにイライラァ〜としてきちゃうけど。


信頼できないわけではないよ?根はいいやつだったりするかもかもなんだよ?


「信頼するか否かは別にして、ウサくんを頼るのは最悪の手段、だな。」


あららぁ〜。


マリに続いてユキまでも渋顔をしちゃうんだねぇ。ツバサは無言の拒否だし。


「………俺はみんなで動いた方が良いと思う。薬草についても教えて欲しい。出来ることは何でもすっから。お前について行かせてくれ。」


ちゃんと考えて考えて考えて、思案しまくった上での返事。真っ直ぐ私を見据えて答える様は凛としている。


阿部が意見を聞いてちゃんと考えてその上で答えを出すだなんて。成長したねぇ。


ただ、変態野郎に頼るとかの発言に対してもノーリアクション。普通にスルーして、当たり前に拒否しちゃってるわけだね?そういう反応寂しいよ?リアクション必要よ?


「ん〜、おっけー。じゃあ報酬は折半な。他の子たちはどうする〜?」


まぁ良いけど。


「基本、全員で採取。報酬は…しっきーが折半と言っていることだし、みんなで等割で良いだろう。これをボクは希望する。反対意見はあるか?」


私がぐるぅとみんなに視線を向ければ、ユキは自身の考えを提示した。


反対意見はないらしいね。


みんな、頭を横に振って、反対意見はないことを示している。


「反対意見はないようだな。では、そのようにしよう。」


黙っているみんなを確認した後、ユキは言った。


やっぱり、司令塔的な役割はユキだねぇ。リーダーは君だ!


「期限は3日間かぁ。全員で全ての薬草を学びつつ採取するか、手分けするか。どっちが良いー?」


集団行動することに決めたわけだし、話を続けて行くか。


手分けするなら連絡方法を決めて少人数で動くも良い。みんなで慎重に進むも良い。


迷っちゃうねぇ。


「手分けしたほうが早いんじゃあないのかぃ?その後は自由行動でぇ。各々、3日以内に戻れば良い。」


お兄さんはウキウキした様子で言う。心なしか声は弾んでいる。いつも以上にニコニコしているね。笑顔が眩しいよ。マジイケメンだよ。惚れちゃうね。いや、惚れないけど。


お兄さんって、遠足とかの行事にはあまりはしゃぐイメージなんてない。というか、サボりとかしそうなイメージなのに。




あ、分かった。




分かっちゃったよ!桜花さん、名推理だよ。さては自由時間だね!これがお兄さんの目当てなのだね?全てまるっとお見通しだよ!


ふっふっふ!


ホームズとお呼び!あ、いや、推理オタクじゃないし、あまり、ミステリ読まないからまじで呼ばれても、困るけど。敵役と一緒に滝の中落ちていくなんて嫌だから困っちゃう。


普段、軟禁されているし、お兄さんは森で自由に過ごせる時間が楽しみなのかな。


「私は全員で全てを周りたいです。えと…ここにある薬草は治療に用いるものや激袋を作るのに使うものです。採取した事がないものもあって…その、みんなにとっても、これらは必要だと思います。」


自分は全部、採取したいし、みんなにも必要になるものでもあるから、一個一個みんなで取ろう。


珍しく、カナちゃんが意見を言った。




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