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37.ツバサのお話ですよ⑥


涙は止まっているものの、ツバサの目元は真っ赤。ウサギの如く真っ赤っか。変態野郎と一緒。ウサギさん。


あれは腫れそうだね。痛々しくなるやつだね。痛々しいね。


かなり痛そうだ。いやはや痛そうだ。目ぇ擦りながら泣いてたからなぁ。目は擦っちゃあダメでしょうに。


とはいえ。


せっかく涙が止まったんだ、このままの勢いで話を変えてしまおう。イッツチャレンジいってみよー!


「ツバサって闘魔隊の入隊試験受けてないでしょ?」


ゴロッとすっぱり話を変えてしまえー!!こちらのペースにしてまえー!!!主導権を握っちゃえ〜!


うんうん。


慣れない泣いている子をあやす行為をするより、あわてず騒がず自分のペースに巻き込んだ方が良いじゃろて。ふふふ、桜花さんったら賢い!策士なのさッ!


「う、うん…家に入隊案内が届いて…試験受けてないけど、入隊はしたかったから…。」


ツバサは戸惑いつつも返事をしてくれる。よしよし、ペースに巻き込めているね。順調順調!!


このまま勢いよくいってみよー!


「じゃあ、間違いないねぇ。これ、有心武器だ。で、使い手はツバサ。」


「え?」


やっぱりねぇ。鳩が豆鉄砲食らったかのような顔してる。


何言ってるか分からないって顔しているツバサ。そこから確信したよ。ツバサは有心武器の使い手だから闘魔隊に入隊したけど、それを本人は自覚してなかった様子。


マジかぁって感じだけど。当人がなぜ知らない。ちゃんと説明聞かなきゃ。


いきなり入隊届来たらなぜ?ってなるだろうに。とりあえず入隊したいから気にせず入隊するとか。今の子はおそろしいわ。て、同い年か。


「じゃなきゃ、入隊出来るわけないでしょう?入隊条件は試験をパスできるか有心武器を持つか何だから。……死ぬ間際に作られたってぇなら、この子はツバサのお父さんの言葉を聞いてるかもねぇ。その思いから武器として生まれた、と。」


とりあえず、説明してみる。説明しちゃう。


闘魔隊の入隊試験を突破できるだけのものがツバサにはないんだよね。なのに何で入隊できたか不思議だった。


いや、まぁ…大体予測はしてたけど。


まさか、ツバサの父が作った木彫りの置き物が武器だったとはね。


芸術家は時として作品に魂を宿す。そしてそれが有心武器となることがあったりする。武器師が作り出すより稀有な存在だけど。私も初めて見たなぁ。話に聞いてたくらいだったから。


武器師が作るものは武器として作り出されたもの。対して芸術家が作るものって強力だったりするけど、使い手を前提にしてないから扱いにくいとされる。


結果として武器になったってだけで、武器として作り出されたわけじゃないからね。


木彫りの置き物とか携帯もしづらければ、戦いにくいでしょ。鈍器かあるいは投げるか。んん、やっぱり鈍器だな。なくしても困るし。


てなわけで、めっさ使いにくいわけよ。困っちゃうね。


「………お父さんの、思い…」


ツバサは置き物を呆然とみつめながらつぶやいた。


はたして、ツバサにあの武器は扱い切れるか。武器師が作ったわけではないと人が使うのを想定しないから使いにくい。ただでさえ使いにくいんだよ。


御しきれない力は時として暴走する。術式の1〜3くらいなら暴走してもたかが知れてるけど有心武器の暴走はえぐい。


御せないなら取りあげなきゃいけない。ま、必要ならばだけど。


「ツバサはどうしたいの?どうありたいの?」


いまだに現実を受け止められていないツバサに捲し立てるように聞いた。


勢いあるのみ!流す!流しまくる!ここでも勢い大切です!はい、ここ、テストに出ますから覚えておくように!


「え?」


「今のツバサは昔抱いた戦闘員への憧れにすがって中途半端にここにいるね?それじゃあツバサ自身も周りも危険にさらすよ。」


厳しいかもだけど。厳しくてガクブルしちゃうかもだけど。


そんなことは言ってられない。


夢とか憧れだけじゃあ現実は乗り越えられない。しっかり現実を見ないといけない。夢見るなら厳しくいってみよー!


「どうありたいかを考えな。本気で戦闘員でありたいなら覚悟を決めろ。戦いたいけど怖いからって言い訳はやめて、戦うなら戦う。やりたいけど…じゃなく、やる。できる事をひたすらやって、ありたい姿に理想の姿であれ。」


やりたいとか、こうなりたいって言うのは終わり。


やるか否か。


それだけだ。


戦闘員になりたいではなく、戦闘員として戦う、だ。


したいではなく、やると決めて行動しなきゃ、夢は手中にはこない。


いつかは白馬の王子様が迎えに来てくれる?いやいやいや。白馬の王子様が迎えにくるにしてもお姫様になれるだけの力がなければダメだ。王子様に対等で荒れるだけに自分を磨く必要がある。王子様の目に留まれるように王子様のもとへ行く必要がある。


つまりは行動しなきゃいけないんだよね。しなきゃ、ずっとはじめのシンデレラのようにみんなに虐げられるって言う自分にとって不本意な現実に身を置くっきなない。嫌なら頑張って動く。動くのみ!動くっきゃない!


目指す望む自分となるために。行動あるのみ!!


「けど…とか何だとか言い訳してる奴が上手くいくはずがない。怖いけど、動くんだよ。怖さを乗り越えるの。今の自分を受け入れて、理想とのギャップを知って、それを埋めるために何をすべきか考え動け。できないなら、他の道を探せ。」


ツバサの目を見て言う。厳しいってなくならば。できない理由を探して動かないならばそれまで。


行動しないのは自分。ならばそれをどうにかはできない。行動するならば支えられるけどね。


術式の練習が上手くできなかったのも結局は上手くやりたい、けど…と言った感じにやるって覚悟せずにすぐに言い訳しているからだ。やるならやる!やれるまでやる!やれるって信じてとにかくやる!


それが大切。


ツバサにはそれが圧倒的に不足してた。同じことしてたら武器だって扱いきれない。


父親が作った武器を没収されたり壊されたくないならば。母親のような戦闘員になりたいならば。


ビビってないでやるしかない。


行動して何とかしなきゃ自分の望みなんて手には入らない。頑張るっきゃない!さぁ頑張ってやってみよう!!




と、思うわけで。だから喝を入れたのだけれども。




黙りこくっちゃいました、ツバサさん。人形みたいに静かにしずかーに座っております。何を考えているかは表情筋が仕事してくんないから分からない。サッパリわからない。


泣いているってのも困るけど。これはこれで困りますなぁ。困っちゃいますよ。どないせぇって言いますん?


んんん。


とりあえず伝えたいこと伝えて帰るか。術式を打ち消すためにここにいた。それはもう終わった。じゃあ話を終えたら帰ろ。帰っちゃお。


答えを出すのも行動を起こすのも私じゃあない。私の人生じゃないもの。ツバサの人生はツバサのものだ。無理だと動き出さないならば、その責任はツバサにあるわけだ。夢を諦めるっきゃない。


黙りこくっているツバサを見て、口を開いた。


とりあえず話すだけ。話して何になるかは分からないけど。なんとなく。何かをしてあげたいわけで。出来ることなんて話すくらいだから。


出来得ることをするだけしておこう。


ささ、桜花さん、もうちっと頑張りますよー!ファイトだ私!頑張るぞー!


目指せ、打破ツバサ!!………何か違うな。


ま、とにかく頑張るぞー。



読んでいただきまして、ありがとうございます^ ^


次回、ツバサがひと段落。


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