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251.調理開始です

さぁあああああ!


芋取りが終われば早速、調理開始だよ!


手伝ってくれるらしいカナちゃんは、自身の作りたいものを作ってます!割烹着姿が可愛いね!


で。


私はというと。


肉を切り崩してます。


うんうん。血抜きして、あとは面倒だからって術式にしまったの、誰よ?血抜きしかしてないとかなんなのよ?


解体して、ブロックにして、香辛料を刷り込んで匂い消しして味付けして寝かして。あるいはすりつぶして、微塵切り野菜と混ぜて丸めて寝かして。あるいはコトコトコトコト煮込んで。


んで、良い感じに仕上げていくわけだけど。


面倒な作業は先々にしなさいなって言いたいね!過去の自分にさ!面倒を後回しにするとかありえんよ!


ま、今の私が頑張っちゃったから良いんだけどさ!


ハンバーグやらサイコロステーキ、串焼きなんかも作っちゃう。付け合わせにお野菜も忘れないぜ!


肉のいい匂いがあたりに充満してる。お腹すいたぜ。つまみながらやってるけど、お肉はやっぱり美味い!最高!けど、肉は今回、主役ではない。主役は芋だ。


肉ばかりやらず、芋料理も作っていく。カナちゃんが作っているものと被らないようにしつつ、芋料理も仕上げていく。


細かく芋を刻んで、炒めて塩胡椒少々。そこに溶き卵を流し込む。うんうん、オムレツは間違いないよね。


蒸した芋を食感が残るくらいに潰して、微塵切りにした野菜を混ぜ込んで、衣をつけてあげて……綺麗な狐色に仕上がったコロッケは最高。


ポテトサラダは必須よね。


長芋はすりおろして、出汁を混ぜて。真ん中に卵の黄身を落とせば一品になっちゃう。短冊切りにして、醤油に漬け込むだけで、至極。


うんうん、芋って良いよね。いろいろ料理が作れて最高よ。


前に獲ったイカと一緒に煮込んだものは優しい母の味。いや、私に母はいないんだけどね。


…………私、料理人になれそうな気がするぜ。


「…………芋料理はたしかに多めだけど、他もふんだんね?」


出来上がった料理を見て、マリはつぶやく。


芋しか使わないとは言ってないし、肉も存在を知っていたはずだけど?


「ん?不満かにゃあ?マリは食べない?」


いっぱい作っちゃったんだが。


まぁ残りは術式にしまっていくが。欲しい時に欲しいと言ってくれれば提供しちゃう便利な桜花さんは余っても良いっちゃ良い。


「食べるわよ!てか、この食材はどうしたのよ?」


食いつきめにマリは言う。食べるのね。マリが大好きな味付けのもあるから、おすすめ。今日は一段と上手くできた!


マリが喜ぶこと間違いなしだ。


「任務のたびに食材は採ってるからね。術式内に入れとけば腐らないから、ある程度はもってるよん。」


「今回も肉、とってたしね。」


「ソイツ、キノコみたいなのも採ってたぞ。」


谷上が呆れ顔を向けてきたのに重ねるようにして、阿部が告げ口をする。


完全に告げ口って感じに阿部が言いやがった。


猪突猛進な馬鹿って感じにはしゃぎ回ってたのに、意外と周りが見えてやがるな、阿部のやつ。


私も私で隠れて採取なんてしてないから、見られててもおかしくはないけど。


「そんなことよりぃ〜。桜花がせっかく作ってくれたのが冷めちゃうでしょ〜?早く食べよぉ?」


すでに席に着いて箸を構えている月にぃ。みんなに座るように圧をかけていた。


大人気ない圧に、みんなは慌てて着席していく。


慌てなくても料理は逃げないんだから圧なんかかけなくても良いだろうに。全く月にぃは変に食い意地はってるんだから。


「さ、食べよっか!」


月にぃはご飯を前に待てができないからさっさと食べ始めますか。


「「「いただきます!」」」






今日は月にぃがいるから、ご飯はーー荒れるぞ。






「あ!俺の!」


さっそく、阿部の声が響く。


阿部が取ろうとしていたおかずが横から掻っ攫われた上に、阿部の皿からもいくつかおかずが奪われた模様。


「月にぃ、まだまだたくさんあるから、みんなから奪わないの。」


「んー?油断してる間抜けが悪いんじゃないかなぁ?桜花の作るものはやっぱり美味しいねぇ。芋料理は久しぶりだねぇ?」


さらっとひどいことを言いながらも、いい笑顔。幸せそうに食べる様は癒される。顔が綺麗だからだね!


ただ、食べる量がすごい。


今回はいつも以上に量を作ったけど、足りるか不安になるくらいに月にぃの食べる勢いは凄まじい。


みんなの分が盗られないように月にぃを料理で囲うけど、次々食べていく姿は壮観だ。


身体は大きくないのに、どこに入っていくんだろうね?


「………コイツは。」


近場にあったものを取り寄せ食べたお兄さん。


目をパチパチさせて、意外そうな反応をしつつ、もぐもぐ食べ進めてる。


反応を見る限り、美味しいと感じてくれていそうだね?


よかったよかった。


「ん?お兄さんの食べやすいようにレモン風味にしたけど…さっぱりして食べやすくない?」


「……ん。美味い。ありがとな、桜花ちゃん。にしてもこの芋、森にいたかーーいや、桜花ちゃんはレアモノばっかり採ってたな。」


もぐもぐしながら、お兄さんは食卓を見渡す。


私が何をとったか把握しているらしい。さすがはお兄さん。


「ん?そうだっけ?」


レアものばかりを狙ったつもりはないんだけど。


今回は純粋に個数を競ってたから、どの種類をとっても変わりないし。


「気づいてなかったかぃ?」


「そうでもーーあぁ、でもこの芋は過去に嫌な目に遭わされたから早々に燃やしたや。」


この子はたしかにレア度が高かったかも。


芋をくらうと身動き封じられて困っちゃうし。


「嫌な目?」


「コイツ、知ってる?」


マリが不思議そうにこちらを見たから、どんな芋かを聞いてみる。


もしや、知らないかもだし。


「芋吐くやつ。」


「痛い系?」


「いや、身動きを封じてくるやつのはずだ。当たった芋がはじけ、身動きできないようになる。よく芋を採取出来たな。」


マリに問いかけたんだけど、返事はあちらこちらから来た。


「はじけないようにキャッチするのが味噌だね。」


ま、良いんだけど。


マリは案の定、知らなかったらしく、みんなの返事にへぇと相槌を取っていた。


知ってなきゃ危ないからあとからどんな見た目かを教えておかなきゃだね。


「普通は回避する系の芋なんだがな。」


じとーっとユキが私を射抜くように見つめてくる。


説教をかましてきそうな雰囲気だ。


「甘くて美味しいでしょう?」


「たしかに美味しいわね!」


ユキの視線は無視して美味しそうに頬張るマリに声をかければ、マリは満面の笑みで返してくれる。


作りがいのある子だよ、まったく。


「ね?とらなきゃ損そん。衝撃で弾けるから衝撃をキャッチするときに殺せば良い。」


コツさえ掴めば容易い。


ま、油断すると命取りなのはガチだけど。


回避するのが無難なのも分かる。


「どうやってよ?」


不思議そうにマリは私を見てきた。


どうやって。


衝撃をえいっと殺すようにして掴む。それくらいしか言えないなぁ。


「えー?気合いで。」


気合いくらいしか説明方法はないよね?



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