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242.威圧を発動してますよ

さっきよりも怒りに満ちてて、威嚇の威力が強い。怒ってますよ、げんさん。お兄さんへのマジ叱りになっとりますな。


「まぁまぁ、落ち着いてください。」


「落ち着けられるかッ!つか、お前ぇがついていながら、ガキにどんな無茶させてんだ!!」


はじめちゃんがげんさんをなだめにかかったら、はじめちゃんまで叱られました。


獣の咆哮くらいの迫力がげんさんにはある。ゆえか、はじめちゃんは明らかにびびって肩を揺らした。


あーれま。


こりゃあ収集つかんね。ま、だからといって間には入らんけど。入っても止まらんし、私に火の粉が飛ぶだけだし。


「無茶なんざ、してねぇよ。」


「してなきゃ、武器がこうもぼろぼろになったりしねぇよ。武器師なめんじゃねぇぞ。」


不貞腐れた様子のお兄さんにげんさんは凄む。ヤクザみたいな人相の悪さだね。目線だけで赤子を泣かせることができちゃうね。


けど、お兄さんは動じず。ムスッとしたまま。


中々にお兄さん、図太くない?お兄さんの図太さは天下一品だね。褒められた事じゃないけど、戦闘員としてはある意味大事な性質だったりして。


魔物にビビってても使い物にならないし、他の戦闘員にビビるのも連携する時に困るから。


マリやツバサ達のがびくびくしちゃってらぁ。いや、仕方ないくらいに怖いか。鬼みたいだもの。ビビるのは当たり前とさえ、言えちゃう。


お兄さんも少しは動じればいいのに。


「魁斗、お前ぇ今月の武器の使用を禁じる。」


すぅーっと目を細めてお兄さんを睥睨していたげんさんだったんだけど、有無を言わさない様子で言い放った。


判決を下すかのように宣言したお兄さんは理解できずに目を見開く。けども、げんさんは、お兄さんの返答も待たずに、術式を展開させた。


術式はお兄さんの武器に展開されている。


あーれまぁ…嘘でも反省の姿勢を見せてたら良かったのに。まぁそれもそれで、話を聞き入れずに適当に流してたってバレた時が怖いけど。


「は?て、何を?!」


目をまん丸くして驚くお兄さん。


その近くまでいつの間にか移動し、げんさんの術式をガン見しているユキとゆずるん。


武器師にしか使用を許可されてない術式で、2人は許可されてないからなんだろうねぇ。2人は興味津々。


勉強熱心だねぇ。


お兄さんの災難に同情する気はさらさらないのかぇ?


「武器を使えなくしたんだよ。お前ぇに反省の色が見えねぇ。また、繰り返すだろう。死ぬ気か。」


ハンッと、馬鹿にするかの様子で鼻を鳴らすげんさん。


本人にその気はなくとも、腕を組んで鼻を鳴らして、上からものを言うから威圧的に感じる人も少なくなかったりして。


「んな気なんざッ!」


お兄さん、吠える。わん。


けど、げんさんは簡単には解いてくれないだろうね。諦めるしかない。ざんねーん。


げんさんったら頑固だから。一度発動させた術式の撤回なんてしてはくれないはず。


「お前ぇにその気がなくとも、危ねぇっつーの。来月になりゃ、術も解ける。来月まではゆっくり身体を休めろ。良いな?」


良いなと聞きつつ、げんさんはお兄さんやはじめちゃんを見た。


はじめちゃんはげんさんに言われたら仕方ないとうなずいてる。ま、抵抗しようもないしね。


武器師の正式な判断だから、うちらにゃあ、擁護の余地はない。


「んじゃ、任務は?!」


カッと目を見開いて聞くお兄さん。


聞く相手がはじめちゃんなのは、はじめちゃんならどうにかする可能性があると考えたからかな?そういうとこは、はじめちゃんも甘くはないと思うけど。


にしても、お兄さんったら、まだまだ任務の予定を入れてたのか。武器なしじゃあいけないねぇ。諦めるっきゃない。


「キャンセルだな。学園でゆっくりしてなさい。」


はぁーっと疲れたというようにため息を吐くはじめちゃん。


げんさんのお兄さんへの術式使用。それに至るまでの経過ははじめちゃんが報告することになる。はじめちゃんもとばっちりで罰則発生するかもなぁ。どんまいどんまい。


はじめちゃんに予定してた任務の白紙を告げられ、お兄さんは大変、不満そう。


けど、仕方ない。


今のお兄さんには任務に出る資格ないし。武器師に武器を封じられた戦闘員は何の任務も受けれないんだよなぁ。これ、絶対的な規則だ。


「魁斗、武器に何された?」


こっそりとツバサが聞いてきた。


げんさんにびびっているようで、小さな声でこそこそと。


コソコソとすり寄ってきて聞いてくる姿はこりすのよう。可愛いねぇ。


「有心武器を使えなくする術式があるんだけど、それは武器師だけ使用が許可されてんの。やられたねぇ。」


扱いきれないとか、危険な武器だと判断されたら、武器師達に武器の使用を止められるんだよね。


今回の場合は無茶しすぎだから休めというもの。


げんさんだからこそ、一人で判断をくだせるわけだよ。そんな武器師に目をつけられちゃうとは。どんまいだね。


一見で無理しているって分かっちゃうのが悪い。やるなら分からないようにしなきゃ。


「そんな術式が?!……ユキや結弦も使えるわけ?」


目を見開き、マリはユキ達を見た。


キラキラと目を輝かせるような術式でもないだろうに、すごいすごいとマリのテンションは高い。


「いや、使えない。ボク達は見習いだからな。」


肩をすくめるユキ。


見習いが使うにゃあ危ないとされる術式だ。使えないと言ったけど、正確には"使って良いという許可を得ていない"だ。発動させるだけなら、私にもできるんだよね。安全にできないだけで。


「使えたら、最強。桜花にも勝てる。」


ぐっ!じゃないよ、ツバサ?


私、武器なしでも2人に勝つぜ?私が2人に負けるわけないでしょう?


つか、なぜそんな術式を使おうとするのさ?


正当法で来なさいな。


「武器なしでも敵わないわよ。」


うんうん、ゆずるん!分かってるぅー!


武器封じて魔力封じをしても無心武器は使えるから?二人になら何とかなるぜ。


「お前ぇら、間違えても桜花に術式、使うんじゃねぇぞ。」


「危ないっすからね。ダメっすよ。」


だから、なぜ2人は私を危険人物的に扱うかな?げんさんも丞君もひどくないかにゃあ?


「分かっています。」


て、ユキもかぃ!


当たり前の事象的に受け入れないで欲しいな?迷わず真剣な顔で頷きなさんなよー。


「危ない術式なの?」


武器師達の様子にマリが不思議そうにしてる。


危なくない術式なんてないって分かってるのかしら、マリさん。


基本の術式以外は特別な許可がなければ戦闘員にしか使用できない。これは術式暴走を防ぐための処置だからね。


「んー?簡単に言えば、力を封印して、発動できなくするんだよ。チビにそれを使えば、チビは私が喚んでもでてこれない。ただ、チビは全力で封印を拒否するでしょ?術式が術師の意思とは無縁に破られた場合、反動が術師に返ってくる。最悪は死ぬね。」


どんな危険があるかを聞かれたから軽く説明していく。


チビは私以外が死んでも、気にしない。私が嫌がるから死なないようには動くけども。それは私のそばにいれて私の安全が守られているからこそ、そう動くだけだ。


私のそばにいることができなくされれば、抵抗する。


ユキやゆずるんに御せるほど、うちの武器達は容易くない。


という意味では確かにげんさんたちがユキ達に注意するのは分かるんだけど。


危険人物扱いは解せないぜ。

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