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23.入学式をやるそうですよ①

やぁやぁ!こんにちは。


いつでも平凡。目立たない女の子な桜花さんだよ!


ワクワク学園っていうどうにも胡散臭い名前の学園にいつの間にやら連れてこられ、かれこれ1週間が経とうとしている今日この頃。時間が経つのって早いよね。


土曜も午前は授業があって、日曜日は休み。各々自由時間としてオッケー。日々の授業の中に組み手やら体力作りをする授業があるっていう以外はごくごく普通のカリキュラムで動く学園だ。


あ、いや。教員全てがお面をつけているっていうのと、建物内から出ることができないっていうとこは普通じゃないね。すごく変だ。変態共に軟禁されている状態だ。


みんな、何かしらの動物のお面をつけていて、全身黒スーツなの。さすがに燕尾服ではないんだけどね。


建物から出ようとすれば、どこからともなく変態野郎含め、教員面々がやってくる。そして拘束される。


とはいえ、それ以外はそこまで拘束されることもなく。自由であるがゆえに、そこまで辛くはない。慣れって凄い。


今日ははじめての土曜日。明日は休みだ、ひゃっほーい。


今日は午前中だけ授業のはず。


「さてさて、皆さま。皆様が来ました日に、歓迎セレモニーをいたしましたが、入学式はまだでございましたよね?本日は始業式兼入学式と致しましょう。」


皆が席についた所で変態野郎はにこやかに言った。


始業式兼入学式、ね。つか、今更だな?1週間経ってから思い出したようにやるとか。今更いらなくないかね?


1週間前にセレモニーも宝探しもしただろうに。それを入学式ってことにしとけば良いじゃん。


何かやる気なのかな?


あまり良い気がしなーーーっ!?


あー…やはり何かが始まるようだねぇ。


「チビ」


魔物が近づいて来ているとか嫌だ嫌だ。ここ建物内なのになぁ。


「グワァぁあああああああうっ!!」


チビが私の肩から窓まで飛ぶと、吠えた。


空気を震わす遠吠え。ま、つまりは威嚇。これはただただ威嚇するだけだけど。


弱い相手になら威力がある。


私は吠えられても欠伸するけど、弱い子達はびびったりする。ビビらなくても動きを止めたりとかしてくれる。


「なっなに?!何なの、どうしたの?!」


うん。マリさんはビビりだからね。ビビると思ってましたとも。


チビが少しでも闘志を示したならば、いち早くビビってくれるはずだよね、うん。リアクションはマリのお家芸だもの。


魔物には効果はなかったけど、マリに効果ばっちりだったね。やったね。それだけで成果があったように思えるね!


「いやはや。さすがは志貴様。1番に気づかれるのは貴方様だと思っておりました。」


変態野郎は恭しくこちらに礼をしてみせる。それがすごく腹立たしいね。馬鹿にされているようにしか見えないや。


変態野郎を一週間見てきたけど、彼は神経を逆撫でするのが上手い。しかも、無自覚ではなく、自覚ありきでやってるの。


さらに腹立たしいよね。自覚あるか無自覚かなら達が悪いのは天然ものだけど。自覚ありでやられているとなると、容赦なく怒りをぶつけるしかないよね。天然なら怒れないやるせなさがあるけど。


にしても。


ここは四階なわけだけど。

四階だと言うにもかかわらず、なぜか見える花。




正確には"人喰い花"




黄色と紫のマーブル的花びら。真ん中は茶色い。その茶色い部分は口でぱかっとあければ中々鋭利な歯が見える。


あら、真っ白で虫歯ひとつない立派な歯。素敵ねだなんて言ってあげられない!虫歯でボロボロだったら良かったのにぃ〜。


「チビの威嚇じゃあ効かないねぇ。」


花々を見つつ、ふぅと息と共に吐き出すように言えば、チビがばっとこちらを見た。


戦闘モードに入ってます、私の武器。


別にすぐに叩きのめす必要もないし、チビが行かなくても良いんだけど。敵を見ると戦いたがるんだよね。


「ヴヴーーーッ!にゅ!にゅにゅッ!」


「だーめ。」


意外と好戦的な私の武器であるチビ。今は可愛らしいマスコットみたいな姿であり、肩に乗せれるくらいの大きさだ。


にも関わらず、あの花ども生意気だし、僕が噛み殺してくる的なことを言って戦地に赴こうとしている。


実に男前な武器なのは自慢なんだけどね。マスコット的な見た目でありながら、私を守ろうとしてくれるし。


今もこうして、自ら戦地に行こうとする。


ま、止めるけど。


「にゅぅ。」


不満そうにチビが鳴いているけど、無視して花を見た。


嫌なもんだ。大量に姿を現したそれは巨大なもので教室まで届く巨体ときた。


複数の花が口を開けて教室めがけてやってきた。


「やべぇっ!!」

「ちょっと、どうすんのっ、これ!!」

「ーーっ!?」


息を飲み身体を硬らせる者。

騒いでパニくる者。

声を上げ、一応は武器を構えるも、冷や汗をかいている者。

静かに武器を構え、敵を見据える者。

そして、さて逃げようかとしている者。


いやはや、皆が思い思いの反応をしているねぇ。


では、私はーーー




《パン、パン、パンッ》




乾いた音を鳴らしておこう。


腰につけていた銃を1つ取り出し、軽く打って、花たちの進行方向を逸らした。


顔がでかいから中々に逸らしやすい。


さてと。


んん。あれかな。

先程使った銃はしまい、他の銃を取り出すと再び、銃を打つため、構えた。


《パーン》


今度は花ではなく、()()を狙って弾を打ち込む。




ーーーよし。当たった。




一部の花々が倒れていく。


無駄に戦わずに本体を叩く。ま、当然よね。


倒れていく花を確認した変態野郎がこちらに視線を向けた。


「お見事でございます。ーーーご存知の方もおられるでしょう、あちらは人喰い花と呼ばれる魔物。あれを倒しますと花のような形をした魔石が出現いたします。それを入学式の胸につけます花と致しましょう。人喰い花は皆様の人数に合わせて準備いたしました。では、皆さま、張り切っていきましょう!」


やはり、無駄に高いテンションで変態野郎は言った。


魔石回収も必要なんだ。


魔物は体内に魔石と呼ばれる石を持つ。魔物によって魔石は異なる。これは意外といろんなことに使えて便利だったりするんだよね。


だから、魔物を倒した後に採取してきたりする。ま、採取する余裕があればだけど。


どこに魔石があるかを知らないと短時間で採取は出来ないし、たいした価値のない魔石もある。魔石に対する知識がある者が採取する感じだね。


「チビ。」


「にゅい。」


「ーーーん。あんがとさん。」


「にゅっ!」


チビは指示を出せば数秒足らずで撃ち倒した本体を回収してくる。本体は子犬くらいの大きさであり、あまり大きくはない。花部分さえ、切り離せば簡単に運べる。


花々はチビの動きにはついていけない様子。


チビから事切れている本体を受け取ると、魔石を取り出す。ちなみに、魔石は魔物によってある場所が違う。こいつの場合、本体の腹部分に魔石はある。


「とりあえず、一個ゲットだな。カナちゃん?持ってて。」


「え?あ、はい。」


取り出した魔石をカナちゃんに預けると、本体を投げ飛ばす。人喰い花って派手な見た目の割に本体も花も使い道がないんだよなぁ。


強いて言うならば魔石はそこそこ役に立つかなくらい。


ま、それはそれとして。


今はさっさと人喰い花を倒しちゃいますか。


「ちなみにさ?村くんはどこまでなら撃てる?例えば1番遠くにいる花は打てる?」


村くんに問いかける。


こっから動かずして倒すなら村くんの武器が1番よね。


私の銃じゃ、さすがに遠くにいる花には届かないし。遠距離は向かないな。


「え?あ、はい。撃てますよ。」


村くんは遠くの方に見える花に目線を向けつつ、うなずく。


魔物相手に手も足も出ませんって感じの様子しか見たことないけど、迷わずうなずくんだねぇ。


つまりは800メートルくらいまでは軽くいけるということか。


「おっけー。じゃあさ?こっから真っ直ぐの方向、距離300。木の上に狸っぽいものがいるでしょ?それの頭を撃ってくれる?」


実力も見たいことだし、本体が見つけられている奴らを狩りますか。


村くんは指示を出せば、すぐに銃を構えスコープを覗いた。


「えーと、狸ですか?あ、いましたっ!ナマケモノのようにも見えますね?撃ちますッ!」


村くんは打ちますの言葉とともに銃を撃った。


よし、二体目、終了。


近い位置のを指名したけど、1発かぁ。中々、中々。


「次。2時の方角。距離500。」


「了解です!」


短く指示を出せば、村くんはすぐにそちらの方へと狙いを変え、撃つ。


そちらもまた、狙い通りに相手を1発で仕留める事が出来た。


「次。ん。10時の方角、距離800。」


「は、はい!」


3発目も見事に的中。


やはり、村くんは銃の腕、良いねぇ。


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