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155.ハズレの洞窟を楽しみましょう

育てられた覚えはーーん?小さい時から世話になってるのか?いや、だからといって私は勝手に育ったし!


変態野郎にも世話になったけど、師匠達に主に育てられたから。


それにそれに。


「育っちゃったんだなぁ。育てた奴らが悪いのであって私は悪くないよね。仕方ない仕方ない。」


育っちゃったものは仕方ない!どうしようもない!主に育てた師匠が悪い!


私が悪いのではなく、全ては師匠が悪い。


「改善の余地があるなら改善すべきでは?」


改善の余地とな?


そう育った私を直すと?直す必要が感じられない中、誰がそんな事をすると。


「余地なーし。水洗いが貴方の役割。貴方のが丁寧だしねぇー。」


「志貴様?面倒をウサに押し付けていらっしゃいますね?」


まぁ正解だよ。けど、面倒は面倒でも自分のが上手くできるなら自分でやる。自分より丁寧で適材な人がいるならそちらにやらすでしょ。


「はてはてー?面倒なのかなぁ?貴方のがうまいんなら貴方がやるべきぃー。」


「まったく、志貴様は。ウサの美技に見惚れさせますよ!」


結局やるんだから、はじめからやってくれればいいのにぃー。なんだかんだで優しいのに、素直にすぐにやるとは言わないんだから〜。


おじさんのツンデレは流行らないよ?


「あんなのと小さい時からの知り合いなのかぃ?」


私と変態野郎が話していると、お兄さんに腕を引かれた。


離れろの合図だね。


「変態がうつる。近寄っちゃ、ダメ。」


ツバサにも変態野郎から離された。むぅっと怒っている。近寄りすぎたから?


2人とも、変態野郎に警戒しすぎじゃない??


「んー?変態と初めて会ったのはぁ〜…私は10歳かなぁ?ねぇ、チビ?」


とりあえず、お兄さんの質問に答えてみようかと思ったけど、正解を思い出せない。


「にゅう?」


聞いてはみるけど、チビさんが知るわけないとは思ったよ。わかってたよ。じゃあ聞くなとか言わないの!


ワンチャン、チビが知っているかもでしょ。


興味ないことは一切忘れるけど。思い出す事もやろうと思えばできるのがチビなんだから。ほぼほぼ思い出そうとはしないけど。


「いえいえ。志貴様はまだ、8歳にあらせられました。今と変わらず愛らしい可愛い子にございましたよ?」


さすがは細かい変態野郎。


会った歳まで覚えてますか。細かいとこまでよく覚えているんだねぇ。


にしても、8歳か。


「8歳…師匠達に飼われるようになってから日が浅いよねー。」


師匠達の家に住み始めて世話され始めたのが8歳くらい。となると、師匠に出会ってすぐにはじめちゃんに会ったんだねぇ。


そうだったっけ?もうちょい後やなかったっけ?


「志貴様?言い方が可愛らしくありませんよ?」


変態野郎?


キャラが剥がれてきてませんか?


可愛い言い方をするような仲でもないでしょうに。なにより、飼われるようになったであながち間違っちゃいない。師匠達に拾われて生活の世話を受けはじめたわけだし。


なんて言ったら、師匠に怒られるけど。


「ん〜?あぁ、綺麗だねぇ。この実とか綺麗なのに、何の役にも立たないとか…見た目倒し…」


役立つのは熊だけ。


変態野郎の話を変えようと周りを見渡し、ちょい残念な気分になる。


綺麗なものって持ち出すと美しさを失うんだよね。光っているものは光を失うし。本当、不思議な洞窟だよ。


「まったくもう!志貴様は昔から情緒が足りませんよ?皆様をお誘いになられたことにウサは感動致しましたのに?」


「綺麗だってみんなが喜んでたからねぇ。みんなに見せたら喜ぶかなって。」


初めて来た時には何の役にも立たないのかぁとはがっかりしたけど、皆が綺麗だってはしゃいでいたから。


ここは見るだけの価値はあるはず。


「おやおや。志貴様はいつもお優しい。」


「小さい時から桜花さんはお優しかったんですか?」


「えぇえぇ。いつだってお優しいのが志貴様でございます。ただまぁ…今よりはおとなしく良い子でしたか。」


昔を思い出すように斜め上を見上げる変態野郎。


おとなしい良い子とな?


「ん?桜花さんはいつだって良い子だよ?」


そこは異議申し立ていたしますよ?


年々大人しくないお転婆娘になってるみたいな話をしないの。失礼しちゃう。


「……そうにございますね。志貴様は素敵なウサの教え子にございまぁあああす!!」


テンション高く変態野郎は言う。


「でしょー??」


思うとこはいろいろあるんだろうけど、黙りなさい。説教話など聞くつもりはありません。


「おとなしいのがお転婆になったの?」


話が流れたはずだというのに、マリは蒸し返した。というか、ズバッと言い過ぎじゃないかなぁ?失礼しちゃう〜。


私の過去がそんなに気になるのかな?


「ん?マリさんや?私はお転婆だって言いたいのかにゃ?」


「え?あ、いや…だって、ねぇ?」


だって、ねぇと聞かれても困るんだけどぉー??悪口を言うとは!ひっでぇー。私はおとなしい良い子な自覚あるよ??


この学園に来たはじめの方なんて目立たないように大人しくしてたし。最近は諦めたけど。


「おとなしくはねぇだろ。忘れてねぇだろ?来たばかりの時、俺をボコりやがったよな?おとなしい奴がすることじゃねぇよ。」


阿部まで、ひどい事を言うなぁ。


確かにワクワク学園に来てすぐに阿部をボコ殴りにしたよ?したけどさ?せいぜい、3発くらいしかやってないし。手加減もしてやったよ?


優しい優しい桜花さんじゃんねぇ。


それにボコりやがったって。一方的に私がやったように言うけど、あれはやり合いだから。私も何発か殴られたし。


「ボコった?暴力沙汰?」


阿部の言葉に顔を顰めた谷上。非難するような視線をなぜ私に向ける。


せめて非難するのは両者の話を聞いてからにできないのかね?


「阿部氏の言動にイラついて、挑発してたでござろう?あれが暴力沙汰につながったんでござろうか?」


んん?


桜井さんや、まぁ間違ってはいないけど暴力沙汰を起こした前提で話すんか。待てや。


「え、そんなの知らないけど。…けど、ありえるね。こわ。」


うんうん、谷上も桜井も会話、聞こえているからね?一方的に私が悪い的な流れで会話してないかい?おかしくないかな?


「ボクも知らんな!いつの話だ?」


「さぁ?志貴さん、挑発しっぱなしだったものね。いつ暴れ出すかヒヤヒヤだったわ。」


武器師達もなぜか、興味津々。


暴れ出すって私は珍獣か何かか。失礼な。


「桜花さん、メッですよ?」


メッて何??なぜ、私が一方的に悪いことにーーて、あ。カナちゃんはあの場にいたのか。阿部の怪我の処置をしていたなぁ。


私は阿部にかすり傷しか与えなかったのに、優しいカナちゃんは怪我の手当てをしてあげてたなぁ。優しいんだから。


なんで私が怒られているかは納得しかねるけど。


「ま、ともかく。今は目の前の光景を堪能して。ゆっくり休もー。今日は一晩、おやすみ。寝ずの番とかいらんのだしね。」


話題に上がったから阿部をボコった時のことを思い出さないこともないけど、私にとってはその話題はなぜか叱られるコースだから。納得はいかないけど。


正面から取り合っても得はない。話は逸らすに限る!


今を楽しんでさっさと休みましょ!!



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