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140.ハロウィンですね③

「まったくぅーっ!皆様がウサを大好きで大好きでたまらないことくらいウサは分かっております!しかし、イタズラが過ぎますよ?」


変態野郎は自分の身体にやられたイタズラを確認すると、わざとらしくぷんぷんと口にし、怒ってますよとアピールするように言ってきた。


「あぅ…やはり、やりすぎだったでしょうか?ウサさん、痛いとこはありませんか?」


変態野郎に迂闊にも単独近寄ろうとするのはカナちゃん。カナちゃんはナースコスプレだ。ピンクの膝丈のスカートタイプのナース服を着ている。ピンクのナースキャップには赤の糸で十字架が刺繍されている。


首元には聴診器。腰にはポーチがつけられ、その中にペンやハサミ、メモ帳、ペンライトが入っているのが見える。細部まで細かいナースのコスプレ姿は可愛らしい。


「さすがは稲盛様にございます!お優しい!その優しさ、ウサは大好きにこざいますよ!いつも感激しているのです!今日の看護師さんスタイルもお似合いにございます。可愛い…癒しにござ「カナちゃんに寄るな。」


近づいてきたカナちゃんに変態野郎が変態さを発揮し始めたところでネコミミメイドが拳を繰り出した。


メイドが執事を殴った。いや、殴れず、避けられたんだけど。マリがネコミミメイドになっているからなんていうか、変な絵面が出来上がっている。


カナちゃんは戸惑いオロオロしている。可愛い。


「チビ。」


「ガウッ!!」


「お、と……この武器はやはり、志貴様のものでございましたか。秘蔵の無心武器や普段お使いになられない童子まで引っ張り出されたのでございますね。」


童子が変態野郎に先程つけた無心武器はまだ変態野郎が持っていたからね。回収するように言えば、チビは迷わず変態野郎に飛びかかり、奪うようにして回収した。


抵抗する気もない変態野郎はあっさりと手に持っていたそれをチビに渡す。


「ハロウィンがしたいっていう話になったからね?皆に頼まれたら、武器くらい動かすでしょ〜。うちの子達の分まで、可愛いの準備してくれてたし?」


身体を小さくし、私の肩に乗ってきたチビの首に巻かれたリボンを触りつつ言う。


日頃の行いが行いだから、手荒いイタズラになったわけで。意表を突いてやろうって話になったのは変態野郎にも非があるわけだよ。


「志貴様はお優しいからそうでございましょう。しかし?何と言いますか、必要な無心武器がございますなら、わざわざ志貴様に発掘していただかぬとも、武器師の方々がいるのでございますから、ぁと。」


変態野郎はわざとらしく言葉を切る。お作りになられないんですか?いや、無理を言ってしまいましたかとかわざとらしい言葉。


嫌味をわざわざ言わんでも2人とも努力家だから良いだろうに。発破をかけるつもりなんだろうけど、ありゃあ嫌われるわぁ。


「やな言い方…っ!」


ツバサが睨みあげている。


武器師2人はしらぁーっと絶対零度な視線を変態野郎に向けていた。


「つか、私は武器の整理してるから。発掘とか言われなきゃいけないくらいにごちゃごちゃにしてなぁいですよー。」


「持ちすぎにございますが?」


話を変えたら意外と食いついてきた。昔から言われてきたことだ。直さなかったけど。


だからこそ、今もなお言われているってのはわかる。けど、捨てるのは嫌だしどうしようもないじゃんなぁ。


「私の術式容量の半端なさ、知ってるでしょ?持ってる武器は把握してるし、持ち過ぎちゃあいないですよー。」


「……どんどん増えている上に、持っててはいけない武器もありますでしょうに。お師匠様から手放すように言われた武器は?」


「絶対ダメな奴はうちの子達からタブー出るし、師匠にも取り上げられてきたもーん。私自身が扱える武器しか持ってません!問題なし!」


「………なぜそんなに武器を増やすのです。」


「増やす気はない。勝手に増えるだけ。」


変態野郎がしつこく食いついてくるけど、どうしようもないこと言ってもねぇ。


私、悪くないし。


「てか、タブーな武器って何よ。チビとかが持つのを拒否するわけ?」


マリが聞いてきた。私と変態野郎の平行線な話にピリオドを打ってくれた。嬉しいぜ!


ただね?チビ、わがまますぎない?って、マリにとってチビはわがままなのかえ?うちの可愛いチビさんよ?我は強いけど可愛い武器なんだよ?


「ん〜?知らない?恨みつらみを練り込み鍛えられた無心武器って、使い手を操る系になったりするんだよ。有心武器ほどしっかりした魂は宿ってないけど、込められた怨念通りの行動をしようとする。人を恨んだならば人を切ろうと使い手操ってやると。」


「魔剣ってやつでござるか!実在するのでござるか?」


桜井や、危険な武器ではあるのだから目を輝かすのはおかしい。君は操られるだろうよ?


変わった武器に興味を持つ心は理解できるけど。


目を輝かす桜井は普段は地味な丸メガネだが、今は違う。メイクやら何やらをガッツリやったらしく、全くの別人となっていた。


アニメキャラの新選組のコスプレなんだとか。服は新選組のやつなんだけど、頭は茶髪。目には青のカラコンが入っている。新選組のいた時代ではあり得ない日本人だよな。顔もキャラに寄せているらしく、目はぱっちりになっていて、顔の形もテープとか使って変えているらしい。


1人だけコスプレの次元が違う。


「剣とは限らず、そういう武器は発生する。」


ユキは眉間にシワを寄せていた。声は何だか暗い。


テンションが上がった桜井と違ってテンションが明らかに下がっている。


「確か、名前があったはず。魔忌具、だったかな?有心武器よりも出現率低いって聞くよね?」


谷上が頭を傾げながらムスッとしたユキに聞いた。


ちなみに谷上はゾンビだ。いや、死んだとかではなく、キョンシーのコスプレをしている。キョンシーの衣装を身にまとい、手も顔も白塗りしていて、デコには札があってある。


顔はフダで隠れちゃってるね。いつになく視界不良状態。


「その通りよ。邪悪な力を宿して災いをもたらす。使い手を選ばず、使い手の精神を蝕み、死に至らしめるようなもの、武器じゃないわ。忌々しい。」


谷上の問いかけに答えたのはゆずるんだった。


あらあら。ゆずるんもムスッとしてる。


ユキもゆずるんも嫌いなのだね?仕方ないけど。谷上が戸惑ってるよ?


「いやいや、操られずに扱えれば普通の無神武器より強い武器になるんだよねぇ。」


「危険よ!」


「ま、とはいえ?壊せなきゃ封じるしかないけど封じるにもリスクはあるからね。だから、操られるずに扱えると空が認定した者が持つって言う処置を取るんだよ。」


「空から許可を得ているんだな?」


危険だと言われても捨てるわけにはいかないからね。肩を竦めながら言えば、ユキが渋い顔で私の方を見てきた。


ユキもユキで私が持っているのは気に入らないのかな?


危険よと注意を飛ばしてきたゆずるんは確実に持っている事に反対派の子だよね。


「得てなきゃ、そこの変態が黙っちゃいない。私は武器に操られずに押さえ込んで従わせれるけど、変態には出来ないんだよ?なのに取り上げようとかするんだから。」


空の許可なくは持てないよー。


発見したら報告をしなきゃいけないルールになってるし。許可を得たものが、それを持つ。あるいは誰かしらが、封印を施し、その管理をするんじゃなぁ。


「志貴様?自身を過信なさらぬように。志貴様の場合、志貴様がお持ちになる全ての有心武器達が志貴様をお守りになるからこそ、所有できているのでございますよ?」


しつこい変態野郎だなぁ。分かってるっての。


私が持ってても大丈夫なのはうちの子達が私を害するのを許さないから。チビも童子も私の魂の一部だからね。支配しようとすれば察知して武器を排除しようとする。


支配させないようにあの子らが動くから私は魔忌具を扱えるのね。


武器に愛されてるぅー!


術式内に持てる人は大抵有心武器持ちの、それも最終段階に至ってる人たちなのね。武器って尊いのさ。それを持ちすぎって叱る変態野郎はナンセンス!!



ハッピーハロウィン、終わりましたが、まだ話は終了してないのでもう少し、お付き合いください

次回もハロウィンにこざいます

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