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139.ハロウィンですね②

ヤンキースタイルの阿部と袴姿のお兄さん。それぞれが自分の武器を片手に変態野郎に迫っていた。


今にも襲いかかりそうな様子。好戦的な態度だ。


変態野郎は私の武器達に挟まれた状態。廊下側の出入り口付近にリボンをつけたチビ。教壇に変態野郎。チビの反対側、窓側にチビと同じデザインのリボンのチョーカーを付けた童子達が立っている。


ちなみに童子は現在、武器の姿ではなく、擬人化中。双刀だからか、童子は擬人化すると2人の童の姿となる。


名前の通りの見目。姿形が同じ7歳くらいの少年2人は牛若丸のような平安時代の子供のような衣装を身に纏っている。まり蹴りとかやり出しそうな見目なんだよね。


そんな童子達は寄り添うように立ち、つまらなさそうに変態野郎を見ている。私の指示だから動くけど、変態野郎には興味がない様子。当たり前か。


で。


正面にはお兄さんと阿部が迫ってきていて、背後には黒板。変態野郎はまさに四面楚歌状態。


「おやおや。お二方のイタズラは穏やかな気配が致しませんね?」


コテンと頭を傾げ、2人に視線を向ける変態野郎。楽しそうだ。変態だ。


「逃げる、の?」


ツバサは席についたままで問いかけた。


ツバサは制服姿だ。とはいえ、いつものワクワク学園の制服ではなく、何かのアニメの制服。黒髪ショートなツバサなわけだけど、今は茶髪のショート。横髪に触手みたいな長い髪がピロンと出ている。


着ている服は可愛らしいデザインの制服。モノトーンの制服に赤いラインが入っているんだけど、それが可愛らしい。


黒のシンプルなジャケットは襟がついてないデザイン。中のカッターシャツが見えるようになっていて、白の短めのネクタイには下の方に赤ラインが入っている。左肩にはロゴの刺繍入り。白基調のプリーツスカートにも、ネクタイ同様に赤ラインが入っている。


可愛い。


魔法を使うキャラらしく、魔法の杖をツバサは持っていた。あれは元々あのアニメが好きなツバサの私物。魔法のステッキを握り、無表情で変態野郎を見ているツバサ。


「おやおや、坂崎様。このウサが皆様方からにげたことがございましたか?お子ちゃま達のお世話も遊戯のお相手をして差し上げるのも、ウサの仕事にございますよ?」


変態野郎はいやらしいくらいにおちょくったようなトーンで話す。


いつもならば弓を取り出し、襲いかかるツバサ。だけど、今日は我慢している。えらいえらい。


「桜花。」


「はいはーい。」


ツバサは私の名を呼ぶ。計画開始の合図だ。私は返事をすると、チビと童子にGoの合図を出した。合図待ちをしていた武器達は即座に動き出す。


チビが変態野郎の背後に回り込むと押し倒すようにして床に変態野郎を押さえ込み、抵抗しようとした変態野郎の抵抗を童子達が阻止していた。


連携プレーが出来ちゃうんです、うちの子達。凄いでしょ?可愛いでしょ?


変態野郎は術式を展開させようとしていたけど、展開させる隙を与える間もなく、童子は変態野郎に持っていた無心武器を取り付けた。さすがは私の愛武器!優秀で可愛いんだ!あれは術式を使えなくする魔力封じ。


童子によって魔力封じを両手につけられ、手が動かせないように両肩から腕を押さえつけられれば変態野郎も太刀打ちできない。


私も私で変態野郎が動けぬように動き封じの術を重ねてかけていく。変態野郎は瞬く間に地面にうつむせになる形で押さえ込まれた。


「これで、動けねぇだろ?」


ニヤリと笑う阿部は極悪非道な悪人にしか見えない。あれが悪人でないはずがない。


しかも、やったの私だし。なぜ、勝ち誇った笑みを浮かべている?


「…………穏やかではございませんね?志貴様?鬼畜すぎやしませんか?」


「ん〜?こうもあっさり押さえ込まれるあなたの雑魚さ具合が悪いかなぁ??手加減、してあげたつもりだったけど、思いの外弱いね?」


「手厳しいですね。それで?ウサを押さえ、皆様はこれからウサに何をするおつもりで?ハッ!いけません!ウサの純潔をッ皆様方ッ!!不純でございますッ!動けぬウサにあんなことやこんな事をするなんて!ワクワク学園は全年齢対象にございます!そのような行為をするなど!!ウサの裸体がそれほどまでに魅力的にございますかっ!分かります!分かりますがッ!ウサの魅力がいけないのでございます。分かりますが、皆様方にはまだお早いッ!このような場で不埒にございまぁああす!!」


ハッ!何かを察しましたというかのような反応をした後に変態野郎は話し出した。話し出した。


チビ、首折っていい?は流石にダメだから。流石に死ぬリスクある場所はダメ。爪剥ぐとかにしときなさい。て、それもなお、うるさくなるか。


童子、切るー?なんて汚物見る目で変態見ながら構えないの。そんなことしたら、童子やチビが汚れるからやだよ。


「なぁに気持ち悪ぃ想像してんでぇ。口閉じな。」


「なななにいってんのよっ!ばっばっかじゃないの?!」


ハァハァハァハァハァと息を荒くして話し出す変態さん。やばいやつがここにいる。


ゴミを見るような目で睥睨しつつ、変態の目の前辺りに容赦なく番傘を突き刺すお兄さんに、顔を真っ赤にして叫ぶマリ。マリは動揺しすぎだね?


何を言われたか理解できずに頭を傾げる村くんやカナちゃんが可愛い。他はしらぁーとした空気で変態を見ていた。


「私達のペースをそうやって乱そうとしたって無駄よ?貴方を押さえているのは志貴さんの武器だもの。諦めなさい。」


動揺しまくったマリとは違い、ゆずるんは冷静そのもの。一切乱れぬ様子は氷の女王って感じだよね。


そんなゆずるん、今日のお召し物は魔女っ子スタイル。


襟につくかつかないかくらいの茶髪はしまいこみ、ピンクのロングウィッグを被っている。両サイドでお団子にした髪型。頭にはピンクのとんがり帽子。衣装は魔法少女のそれ。ツバサとはまた違うタイプの魔法を使用する魔法少女のコスプレだ。


「とりあえず、イタズラをするとしますか!」


計画通りに変態を押さえつけるのに成功した事だし!


私が声をかければ、皆が順々に動きだした。ある者はペンを持ち。ある者はシールを持ち。ある者はマントを持ち。


次々と変態野郎に近づき、やるべき事を行っていく。






ーー作業を続けて続けて10分。






うちらは作業の結果、出来上がったものを見つめていた。はて、今後はどうするかと思案していた。


「なんか、アンバランスだねぇ。」


見つめた結果、ついついつぶやいてしまう。


変態野郎の仮面にペンで落書きしたり、燕尾服にハロウィンデザインのシールを貼ってみたり、吸血鬼のマントのようなデザインのマントを付けてみたりとハロウィン仕様に飾り付けてみたんだ。


そしたら、変なのがより一層やばい変なのになった。不審者一丁出来上がり〜。


「仕方ないわ。ハナから変な格好してるやつをハロウィン仕様に飾ったらますます変になるに決まってるわ。修正不可よ!」


マリ、それはうちらの行動なんだったのってなるから。良いけどさ。


とりあえず、修正はできないし、みんな飽きてきたとこだし。作業終了、かな。


皆の作業が終わった事だし、私は童子をしまい、チビに退くように指示を出す。


童子とチビが退けば、後は術式と無心武器だけ。変態野郎は何とか無心武器を外すと自身にかけられた術式を解術した。その行動は素早い。


立ち上がった変態野郎は自身の服やら何やらを確認しはしめた。


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