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7話 黄昏は巨人の国6

 光線に打ち貫かれた巨人の胸には黒い大穴が空き、そこからネガティブビーストである血潮を吹き出し、崩れ落ちていく。

 魔法協会一同は固唾を飲んでその光景を注視していたが、やがて巨人が平原に伏したのを確認して歓喜の声をあげる。

 だが喜ぶ周囲とは対照的に、ルシエラは冷や汗を流しながらその光景を眺め続けていた。


「ほらやったじゃない。アンタ、考え過ぎなのよ。プリズムストーンの破片まで使ってるんだからそりゃやれるわよ! 私、本当にやっつけたのかセリカに確認してくるわ」


 フローレンスがそう言って丘の下へと駆けて行き、残されたルシエラは難しい顔をしたままその場で巨人を眺め続ける。


「ルシエラさん、やっぱり気になる?」

「あまりに……あまりに呆気ないですわ」


 大巨人の撃退に使ったものはアルマテニア陸軍の魔導砲。いくらプリズムストーンの破片で強化されているとはいえ、陸軍にコネのある魔法協会幹部が知らなかったとは考えにくい。

 そして、アンゼリカとシャルロッテ。あの二人が一切の妨害をしてこなかった。まるで撃退されることまで全て計画の内だと言うように。


「ミアさん。もしも相手がかつてのわたくしならば、これで一件落着だと思いますかしら?」

「思わない。ここからが本番」


 ルシエラの問いにミアは首を小さく横に振る。


 ──そう、絶対にこれで終わりではありませんわ。考えるのですわ、わたくし。ダークプリンセス時代のわたくしだったら何を企むのかを!


 ルシエラは必死に考える。アンゼリカがかつての自分に似ているのならば、かつての自分は何を考え、何を見せつけようとするのか。

 恐らく仮初の勝利にぬか喜びしているミアを嘲笑いたいと考える。しかも目標達成の引き金をミア自身に引かせることができればなお愉快だろう。


 ──アンゼリカさんにとって最も痛快なのはわたくしの目の前で女王になること。その為にわたくし達に大巨人を撃破させる。その理由は……


「まさか! 全員ここから早く避難するのですわ!」


 その答えに思い至ったルシエラは一気に顔面蒼白となって一気に丘を駆け下りると、腕を大きく振り回して喜ぶ一同に避難を促す。


「ルシエラ、焦ってどうしたです!? 巨人は魔導砲でぶっ倒れたですよ!」

「そこまで相手の計画の内ですの! ここから吹き荒れますわ、ネガティブビーストの闇が!」


 驚くセリカの目の前で、ルシエラが巨人を力強く指さす。

 巨人から噴出した闇は水たまりのように平原に零れ広がり、その近くを通る線路に触れる所だった。

 闇は線路に接触するや否や一気にその上を駆け抜ける。

 線路を導火線とした闇は黒い線となって魔法陣描き、そこから吹き出す闇のカーテンと共に逢魔が時の平原を夜色に染め上げていく。


「うおおおぃ!? あれ魔法陣じゃないか!? なあ、そうだろ!?」


 それに気がついたシルミィが叫び、歓喜に満ちていた場が一気に阿鼻叫喚の様相を呈していく。


「ええ、あの魔法陣の推定中心部はテストに使った魔石地帯! 目的は……目的はプリズムストーンの修復、いいえ! ネガティブビーストにして取り込んだ人々を使ったプリズムストーンの精製ですのっ!」


 それがルシエラの出した結論であり、アンゼリカ達にとって最もルシエラを嘲笑える計画。非道なやり口から鑑みるに元々はシャルロッテが計画していたものだろう。

 ルシエラは撃ち終わった魔導砲へと急ぎ走ると、さりげなくプリズムストーンの欠片に触れて自らの魔力へと接続し直す。

 闇の線が魔石地帯に届く前に線路を撃ち貫けば魔法陣の生成が妨げられ、術式の完成まで時間が稼げるはず。

 後はその隙に魔石地帯へと侵入してあの闇との魔力的接続を遮断すればいい。


 ──今なら間に合うはずですわ。


 ルシエラの魔力によって砲身に魔力が急チャージされ、砲身が再び青白く輝きだす。


「今ですのっ!」


 掛け声と共にルシエラが魔導砲を発射する正にその寸前、砲身が見るも無残に砕かれた。

 砲身が破壊されたことにより行き場を失った魔力が炸裂し、激しい土埃と共にルシエラが吹き飛ぶ。


「ルシエラさん!」


 それをミアが空中でキャッチして抱きかかえた。


「何じゃ、魔導砲の耐久限界かの!?」

「違いますわ! 壊されましたの!」


 土埃が晴れ、猫を象った杖を持つ少女のシルエットがおぼろげにその姿を現していく。


 ──甘かったですわ。確かにかつてのわたくしならばそうしますの!


 ルシエラは忌々しげに歯噛みする。

 アンゼリカがルシエラの邪魔をするのならばこの瞬間が最高潮。まだ間に合うと思い込ませてから突き落とすのが最高。

 ああ、本当に忌々しいほどそっくりだ。


「ルシエラさん、私もう私諦めました。貴方のライバルになれないのなら、せめて私を貴方に刻み付けたい。……だから、この瞬間だけは私だけを見ていてください」


 アンゼリカの周囲に莫大な魔力が渦を巻く。その病んだ瞳には近くにいるミアも、後ろに居る魔法使いも、ルシエラ以外の何者も映っていない。

 否、恐らくルシエラすらも映っていない、彼女が見ているのは彼女自身の妄執だけだ。


「っ! ナスターシャさん、シルミィさん、避難を急いで! もうここも危険地帯になりますわ!」


 言うが早いか、ルシエラ達と後方の魔法使い達を隔てる様に闇の線が駆け抜け、その黒い余波が魔力の低い者達を闇の中へと吸い込んでいく。


 ──魔導砲の制御で大勢が魔力を吐き出しているこのタイミング。正に一網打尽ですわ!


「いかん、掴まれフローレンス! セリカ!」


 ナスターシャはフローレンスの手首を掴み、虚空から取り出した箒で一気に後退する。


「姉さん! 他の人達っ!? 逃げ遅れてる人達が沢山いるわ!」


 尻餅をついていたセリカを引っ張り上げつつフローレンスが叫ぶ。


「悔しいが今の妾に打てる手はない!」

「撤退しろ! 総員退避! 全員なりふり構わず逃げろー!」


 ナスターシャと並走するシルミィが大声で指示を出し、魔法使い達が逃げ惑う。


「やっほー、楽しんでるね。ワクワクのパーティだね!」


 そこに立ち塞がる様にシャルロッテが現れ、更にその背後に鋼の巨人が出現し、腰をかがめて両手を広げて魔法使い達を逃がさぬよう追い詰めていく。


「最悪のタイミングでご登場じゃな! フローレンス、お主達はそのまま箒に乗って迷わず走れ!」

「姉さんは!?」

「このままでは誰も逃げられぬ! 悪童には仕置きが必要じゃろ!」


 叫ぶフローレンスとセリカを乗せたまま走る箒。

 ナスターシャは箒から飛び降りながら特大の火球で大巨人の体勢を崩し、着地ついでにシャルロッテに光剣を三本打ち込んだ。


「わ、わ、わ! 暴力的だねっ!? 暴力はんたーい! 文明人は対話で解決するべきだと思うよっ」


 シャルロッテはオーバーなアクションでそれを躱すと、わざとらしいふくれっ面を作ってナスターシャに抗議する。


「よく言うのう。先に仕掛けて来たのはお主達じゃろ。それともお主は関与していないとでものたまうか」


 ナスターシャが腕組みしながらシャルロッテの前に歩み出る。


「関与してないよっ。魔法協会のおじさん達の独断ですっ」

「焚きつけたのはお主じゃろ。お主があのフクロウ人形の中身じゃと看破しておるぞ」

「そうだね、でも決めたのはおじさん達だよ☆」


 人差し指を立ててウィンクするシャルロッテに、ナスターシャの表情が露骨に歪む。


「ほ、なるほど。しいたけまなこ、お主は悪童ですらないクソガキじゃったか。ならば遠慮はせぬぞ」


 ナスターシャはシャルロッテを睨みつけ、無詠唱からの魔弾五連。

 その着弾を待たず、ナスターシャがシャルロッテの立つ地面に氷塊を隆起させる。


「ひっどいね! 私は平和主義者だから戦うのは苦手なのに困っちゃう!」


 だが、シャルロッテはオーケストラの指揮者のように腕を振ってその全てを受け流し、魔法から魔力へと紐解かれた魔法がその場で霧散した。


「なんじゃそれは!? 魔力操作の類か……!?」


 自らの知らない術式にナスターシャが目を丸くする。


「悪い人が相手でも、自分まで悪い事したら同じ穴の狢だもんね……だから私以外の皆で頑張って☆」


 シャルロッテがそう言うと同時、逃げ遅れていた魔法使い達の体から勢いよく影が噴出し、彼等を人型へのネガティブビーストへと変貌させてしまう。

 三方向から迫るネガティブビーストを迎撃するナスターシャ。

 更に彼女が立つ地面に真紅の魔法陣が描かれ、そこから這い出した巨人の腕がナスターシャを握りつぶさんと迫り来る。


「外道め! クソガキすら生ぬるいわ!」

「えいおー、えいおー。頑張れ、頑張れ☆」


 ナスターシャが苦戦する様子を見たシャルロッテは魔導砲の残骸に腰掛けると、ドーナツを頬張りながら愉快そうに手を叩いて応援を始めた。


 ──マズいですわ! ナスターシャさん、まるでシャルロッテさんに対応できていませんの!


 ミアと二人掛かりでアンゼリカを牽制しているルシエラは、見るに見かねてナスターシャの援護に入ろうとする。

 だが、既に結界としての効力を発揮している魔法陣内部には闇が満ち、まとわりつくように魔力を吸い上げ、ルシエラ達の動きを制限してくる。その濃度は刻一刻と増しており、もはや結界内部からでは外へ干渉できなくなっていた。ナスターシャ達の援護に入るのならば、自らも一度外に出る他ない。


「ルシエラさん、だから私を見てくださいって言いましたよね?」


 当然、アンゼリカがそれを許す訳もなく、鮫のヒレのように地面から突き出た蒼い三本の刃が螺旋を描いてルシエラへと襲いかかった。


「うくっ!」


 ルシエラは大きく真っ直ぐ踏み込んで、体が細切れにされるのを辛うじて防ぐ。


「ほら、この前みたいに間に反撃のタイミングが合ってませんよ? 他の人なんて忘れて私だけを見ていてください」

「そんなこと……」


 できる訳がない。後背の戦況は絶望的、しかも結界内部に満ちる闇の濃度は際限なく上昇している。このままでは結界内部と外の出入りすら容易にできなくなってしまう。

 ルシエラがナスターシャ達を助け、シャルロッテを退けられるタイミングは今しかない。しかし、アンゼリカがそれを許してくれない。


「ルシエラさん、ここは私がやる。後ろ、お願い」


 アンゼリカの攻撃を避けるふりをしてさりげなく近づいたミアは、ルシエラに対してそう小声で呟く。


「ミアさん!? でも……魔法の使えないミアさんでは到底アンゼリカさんには勝てませんわ!」

「大丈夫。私はルシエラさんのライバルだから、ね」


 アンゼリカが気づくよりも早く、ミアがルシエラの腕を引っ張り、黒い魔法陣を突き破る勢いで後方へ投げ飛ばす。

 それを待っていたかのように吹き荒れる黒い嵐が勢力を増した。


 ──ミアさん、何て無茶を! いいえ、我がライバルが作ってくれたチャンス、無駄にはしませんわ!


 投げ飛ばされたルシエラは空中で素早く周囲の状態を確認。

 逃げ遅れた魔法使い達は全てネガティブビースト化し、無事に逃げられた魔法使い達は現在も一心不乱に逃亡中。それを追いかける巨人を足止めするため、ナスターシャが翻弄されながらも一人必死に戦っている。

 ルシエラは虚空より漆黒剣を二本引き抜き、一本を鋼の巨人に投擲、心臓部を刺し貫かれた巨人が漆黒剣の楔で大地に縫い付けられる。

 それを確認し、ルシエラはもう一本の漆黒剣を余裕綽々の様子のシャルロッテへと投げつけた。


「うわわっ!?」


 シャルロッテは転がる様にして漆黒剣を辛うじて回避、食べかけのドーナツを一気に口に詰め込んで臨戦態勢をとる。


「ナスターシャさん、逃げる方々の援護を! シャルロッテさんの相手はわたくしがいたしますわ!」

「すまぬ、わかった!」


 ナスターシャは一度だけシャルロッテを睨みつけると、魔法使い達へと向かうネガティブビーストを追いかけていく。

 それと入れ替わりにルシエラがシャルロッテの前へと着地する。


「シャルロッテさん、貴方には慈悲を与える気すら起こりませんわ!」


 暗黒一閃。着地の流れそのままにルシエラが手を滑らせて黒い刃を打ち放つ。


「もごっ、もごっ! ふぉおおおっ!」


 シャルロッテは魔導砲の残骸からプリズムストーンの破片を抜き取り、対抗魔法で軌道を逸らす。

 逸らしきれなかった黒い魔力の残片がシャルロッテの衣服をズタズタに切り裂いた。


「ごくんっ! 嘘、魔力解放されたプリズムストーンの欠片でも逸らしきれなかった!? ルシエラ、ヤバいねっ!」

「当然ですわ。プリズムストーンとは歴代女王が魔力を蓄えた魔石、ならばその破片如きが歴代最強の女王と呼ばれたわたくしの魔法を止められる道理などないのですわ」

「……なるほど、納得っ☆ ルシエラだけは魔法の国に帰って来てもらっちゃ困るって再確認した!」


 シャルロッテは飛び退きながら真紅の雷を周囲に降らせ、ルシエラは自らの影から伸びた黒い闇を舞い踊らせてそれを完全に防いだ。


「うわわ! 本当にプリズムストーンの欠片を使っても防いじゃうんだ!?」

「アンゼリカさんならばともかく、貴方では届きませんわ。才能が有っても研鑽が足りませんわね」

「私は平和主義者だからねっ。自分が何かをしなくても皆がやってくれるのが理想だよ!」

「貴方のは人を操ろうとする邪悪な所業! そんな可愛らしい物言いができるものではありませんの!」


 剣戟、暴風、魔弾、爆炎。幾度とない衝突を繰り返し、その全てでルシエラが優勢。

 しかし、遅延に徹するシャルロッテにはそれでも決定打が入らない。


「っ! あからさまな時間稼ぎ! あくまでも魔法陣の発動狙いですのね!?」

「当然、そうだよ。ほら、ルシエラ。焦って隙ができてるぞっ☆」


 言いながら、弧を描いて放たれる魔弾。

 ルシエラはそれを悠々と霧散させるが、その隙にシャルロッテは間合いを取ると、逃げる魔法使いを雑に攻撃してみせる。


「っ!」


 ルシエラの行動を縛る為の雑な攻撃。それでも無視する訳にはいかず、ルシエラはシャルロッテの狙い通りにカバーに入る。


「また私を倒すチャンスを捨てた。見捨てれば最小限の被害で勝てるかもしれないのに、ルシエラって訳わかんないね」

「切り捨て取捨選択したそんな勝利など要りませんわ!」

「ふーん、でもそれって女王の資質じゃないよね。大義のためには少数を切り捨てる覚悟が欲しいってよく言うよ?」


 無邪気の笑顔のままそう煽ってくるシャルロッテ。

 だが、ルシエラはそれを一笑に付す。


「それがどうかしましたの? 我が宿命のライバルは全部取りをやってのけましたわ。ならばわたくしもそれを選ぶだけのことですの!」


 ルシエラは毅然とそう言い放つと、夕闇に僅かに残る自らの影を踵で叩き、自らを打ち出してシャルロッテへと一気に駆け迫る。

 ルシエラの奇襲にシャルロッテの対応が遅れ、展開した魔法障壁ごとシャルロッテが跳ね転がる。


「それと一つ教えて差し上げますけれど、少数を切り捨てるのは苦渋の選択であるべきですの。最初から自らを切り捨てる前提にしてくる女王に誰がついていくものですか」


 ルシエラは結界の前でアルマジロのように魔法障壁を張り巡らせるシャルロッテの前に剣の切っ先を突きつける。


「ふぅん、そっかー次期女王として勉強になるねぇ。それじゃその苦渋の選択、今からルシエラが実演してもらおうかな」


 そう言うと同時、シャルロッテの背後に張り巡らされた黒い結界の一部がプリズムストーンの欠片へと吸い込まれていく。

 ゴゴゴと地鳴りのような音を立てて吸い込まれていく黒い結界。それに合わせてシャルロッテの手にした破片が紅く輝き、その力を増幅させていく。


「な! プリズムストーンの修復! 魔石地帯が核となるのではなかったのですわね!?」

「わ、流石。知ってたんだ! そうだよ、これは応急処置だよ。逃げる為の一発用です」


 言うと同時、シャルロッテの周囲で莫大な魔力が炸裂。

 ルシエラは展開した魔力障壁を軋ませながらそれを凌ぐ。

 黒く染まった視界が夕闇に戻り、ルシエラが薄目を開けて様子を窺う。


「してやられましたわ。……あれがプリズムストーン修復のための切り札ですのね」


 そして、あの魔法陣に施された仕掛けを理解する。

 薄くなった結界の果て、黒い嵐吹き荒れるその深奥。恐らく魔石地帯があるだろうその場所には、鋼の鎧を脱ぎ捨てた暗黒の巨人が真紅の瞳を煌々と輝かせてそびえ立っていた。

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