第27話
「・・・なぁ、お前らそこに立ってられると、ちび達が怖がって出てこれないんだけど」
私たちの睨み合いを止めたのは、先程私に食ってかかっていた少年だった。
その少年にかけられた声に私は、深いため息をつくと少年に視線を落とした。
「・・・アルフ・・・と呼ばれていたわね?先程の方が行ったところへ私を案内してくれないかしら?」
その言葉に、再びレイナが言葉を挟んだ。
「いけません!!少し落ち着いてください!!」
「いい加減にして!!あなたこそ落ち着きなさい!!」
再び始った言い合いに、また声をかけてきたのはアルフだった。
「あのさぁ、2人ともいい加減にしてくんねぇ?エディ達が向かったところに行きたきゃ行けばさ。どうせ入れないから」
その言葉に、私は少年を睨みつけた。
「どういうこと?」
「どういうも何もエディがカギかけてたし。カギ持ってんのエディとミリィだけだもん」
その言葉に傍では、レイナがほっとしていた。
私はアルフの言葉にも、いらいらが募る。
「では、ミリィという子を呼んできて?その方に鍵を開けてもらいましょう?」
「それは無理だな。ミリィは今、仕事に行ってるんだから」
すかさず返ってきた言葉にいらいらは再び募る。
「では、開けてもらうように言えばいいでしょ?行きましょう」
そう言って、アルフに声をかけるが、アルフは眉間にしわを寄せ私を見た。
「あのさぁ、ねぇちゃん何をイライラしてんのか知らねぇけど、少し落ち着いたら?そこのねぇちゃんも言ってるだろ?別にあいつらは逃げはしねぇんだし」
少年にまで、そんなことを言われ私は思わず彼を怒鳴りつけそうになった。
「アルフ!!」
かわいい声に邪魔をされそれは叶わなかったが・・・。
「ローラ。まだ来ちゃだめだっていっただろ?」
優しくそう言い聞かせるアルフに、ローラは眉を下げた。
「・・ごめんね。でも、みんな待ってるよ?」
「あぁ、そうだな。・・・・まぁ、このねぇちゃん達はあいつらの仲間じゃないみたいだから大丈夫だろ。みんなにいいって言ってこい」
アルフがそういうと、ローラは元気に頷き走って行った。
「・・・・あいつらの仲間って?」
思わず問いかけてしまった言葉に、アルフは頭をかいた。
「あ~・・・うん。さっき、ねぇちゃんも言ってただろ?ここに住む事は悪いことだって。だから、何かとここから俺達を追い出そうとしたりする輩がくるんだ。追い出されるだけならマシなんだけどな」
そう言って、アルフは苦笑いした。
「それは、あなたたちがここに住み着いているからでしょう?・・・・それとも、他にも何かあるの?」
思わずそう聞いてしまったのは、アルフの言葉に何かがひっかかったからだろう。




