エピローグ『楽しいハロウィンになった。』
スイーツを食べ始めてからしばらく時間が経って、午後5時頃。
「では、これにてハロウィンパーティーを終わります! とても楽しいパーティーになったと思います! スイーツ部のみなさん、部員からの招待を受けて来てくれたみなさん、顧問の杏樹先生、今日はスイーツ部主催のハロウィンパーティーに参加していただきありがとうございました!」
スイーツ部の部長さんが元気良くハロウィンパーティー終了の宣言をした。それに対して、参加者みんなで拍手をしたのもあり、和やかな雰囲気でパーティーが終了した。
スイーツ部の部員は後片付け、招待された生徒は帰っていいことになった。
中野先輩と俺は招待された身なので帰っていいけども、結衣達と一緒に帰りたいのもあって、制服に着替えたら後片付けを手伝うことを志願した。そのことに結衣達や福王寺先生は喜んでいた。
中野先輩と俺は制服に着替え終わると、結衣達の指示により俺達が使った食器や調理台の掃除をした。あと、俺は背が高いのもあって、高いところに飾り付けされたものを外すこともした。
パーティーが終わってから3、40分ほどで後片付けが終わった。
福王寺先生が集合をかけて、部員達は教師用の調理台の前に集まる。中野先輩と俺はその様子を近くから見ることに。
「みなさん、後片付けお疲れ様。みんな今日のパーティーを楽しんでいて顧問として嬉しかったです。先生もとても楽しかったです。次の活動は通常通り来週火曜日の放課後にやるよ。買い出し担当になっている人達は、月曜日の放課後に買い出しをお願いします。では、これにて解散です!」
福王寺先生が可愛らしい笑顔でそう言い、本日のスイーツ部の活動は終了した。
部員達は「さようなら」とか「お疲れ様」と言って散らばる。中には荷物を持ってさっそく家庭科室を出て行く部員もいる。
結衣、胡桃、伊集院さん、福王寺先生が中野先輩と俺のところにやってくる。
「低田君、千佳ちゃん、片付けを手伝ってくれてありがとう。スイーツ部の顧問としてお礼を言うよ」
「いえいえ。こちらから志願したことですし」
「そうだね、悠真。それに、片付けも楽しかったです」
「そうですね」
片付けも、今日のハロウィンパーティーの楽しい思い出の一つになったと思っている。
「ありがとう。……スイーツ部のみんなにも言ったけど、今日のパーティーはとても楽しかったな。カボチャのスイーツを作れて、結衣ちゃんの制服を着て学生コスプレができて、スイーツが美味しかったから。楽しいハロウィンになったよ」
パーティーでのことを思い出しているからか、福王寺先生は笑顔でそう言う。服装は元に戻っているけど、今の先生の笑顔は高校生のような可愛らしさがある。
「私も楽しかったです! 悠真君と一緒にドーナッツを作って、悠真君が選んでくれた看護師さんのコスプレをして、ドーナッツもカップケーキも美味しかったので! 悠真君とも一口ずつ食べさせ合えましたし。私も楽しいハロウィンになりました。あと、悠真君と一緒に今日のためのコスプレ衣装を買いに行ったことも楽しかったです」
結衣はいつもの明るい笑顔でそう言うと、俺の方を見てニコリと白い歯を見せて笑いかけてくれる。
結衣がパーティーを楽しめたって言ってくれて嬉しいよ。俺と一緒にコスプレ衣装を買いに行ったことも楽しかったと言ってくれたことも。今日のパーティーやコスプレ衣装を買いに行ったときの結衣の笑顔が頭にたくさん思い浮かぶよ。
「俺も楽しかったです。結衣と一緒に初めてドーナッツを作って、結衣が選んでくれた吸血鬼のコスプレをして、ドーナッツもケーキも美味しくて。結衣と一緒に衣装を買いに行ったことも。このパーティーのおかげで、俺も楽しいハロウィンになりました。今までで一番楽しかったです」
去年までは学校の帰りにお菓子を買ったり、芹花姉さんと一緒にお菓子を食べたりするくらいだったから。あと、小さい頃は芹花姉さんと一緒にコスプレをしたり、動物のカチューシャを付けたりもしたか。まあ、それはそれで良かったけどな。
俺も同じ想いだったと分かってか、結衣は笑顔で俺のことを見ながら「えへへっ」と笑っている。凄く可愛いな。
「あたしも楽しかったです! 姫奈ちゃんと千佳先輩と一緒にケーキを作れて、結衣ちゃんのメイド服を着られて、みんなと一緒に美味しいスイーツを食べられたので。凄く楽しかったです! とても楽しくていいハロウィンになりました!」
「あたしも楽しかったのです! スイーツ作って食べるのも、アイドルのコスプレをするのも楽しかったのです! 最高のハロウィンになったのです!」
「私も楽しかったです。華頂ちゃんと伊集院ちゃんのおかげでケーキを美味しく作れましたし、ゴスロリのコスプレをするのも楽しかったですし。いいハロウィンになりました」
胡桃、伊集院さん、中野先輩もハロウィンパーティーが楽しかったか。パーティーのおかげでいいハロウィンになったか。それを知って嬉しい気持ちがより膨らんだ。
その後、福王寺先生とは家庭科室の前で別れ、俺は結衣と胡桃と伊集院さんと中野先輩と一緒に帰路に就いた。
午後6時近くになっているので、校舎の外に出ると空はすっかりと暗くなっていた。今日で10月が終わるのもあって、日が暮れるとひんやりとして。ただ、寒く感じられるからこそ、結衣と繋いでいる手から伝わってくる結衣の温もりがとても心地良く感じられた。
武蔵金井駅の前で結衣、伊集院さん、中野先輩、自宅の近くで胡桃とそれぞれ別れる。
「そういえば、姉さんもコスプレ衣装を買ったって言っていたな」
今日のハロウィンパーティーの話やコスプレ衣装を用意した話をしたのもあって、芹花姉さんもコスプレしたくなったとのことだ。どんな衣装なのかは帰ってからのお楽しみだとも言っていた。
どんな衣装を買ったのかなと思いながら帰宅すると、
「ユウちゃん、おかえり!」
黒を基調とした魔女の格好をした芹花姉さんが出迎えてくれた。
「ただいま、芹花姉さん。姉さんが用意した衣装は魔女だったか」
「うん、そうだよ! 可愛くていいなと思って買ったの。どう? 似合ってる?」
「ああ、似合ってるぞ。可愛い魔女だ」
「ありがとう、ユウちゃん!」
えへへっ、と芹花姉さんは嬉しそうに笑う。そのこともあって、姉さんのコスプレがより似合った印象に。
「ユウちゃん、一緒にコスプレしようね! トリックオアトリート! 一緒にコスプレしてくれないといたずらしちゃうぞ!」
と、芹花姉さんはハロウィンらしいセリフでお願いしてきた。さらに、
「ユウちゃんの格好が用意した衣装にな~れ」
と、俺に先端が星の形になっているステッキ向け、クルクルと回しながらそう言ってきた。魔女のおまじないっぽいな。
「ハロウィンらしくて魔女らしいな。可愛いな」
「えへへっ。ユウちゃんが帰ってきたらこう言おうって決めてたの」
「そういうことか。……分かった。衣装を着るよ」
「うんっ」
その後、俺は自分の部屋で吸血鬼の衣装を着て、芹花姉さんを呼んだ。
「ユウちゃん凄く似合ってるよ! かっこいい吸血鬼だね!」
と、芹花姉さんは絶賛してくれた。
「姉さんにも褒められて嬉しいよ。ありがとう」
「いえいえ。……吸血鬼らしいセリフを言って?」
「分かった。……姉さんの血を吸わせてもらおうか」
俺は芹花姉さんのことを見つめながらそう言った。すると、姉さんは「きゃあっ!」と黄色い声を上げた。
「もっとかっこいい吸血鬼になったよ!」
「そりゃ良かった」
「うんっ。……一緒にコスプレしたし写真撮ろうよ!」
「ああ、そうだな」
その後、芹花姉さんと俺のスマホでお互いのコスプレ姿や、一緒に自撮り写真を撮った。また、パーティーでの結衣達のときのように、
「君の新鮮な血を吸わせてもらおうか」
「あなたにとびきりの魔法をかけちゃうよ!」
と、コスプレ衣装に合ったセリフを言う動画も撮影した。
今撮影した写真や動画は、結衣達や姉さんの大学の友達の月読彩乃さんに送信した。みんなすぐに「似合ってる」とか「素敵!」といった返信をしてくれて。それがとても嬉しかった。
また、芹花姉さんにハロウィンパーティーの話をしたり、写真や動画を見せたりした。すると、
「とても楽しくて素敵なパーティーだったんだね、ユウちゃん」
芹花姉さんはいつもの明るくて優しい笑顔でそう言ってくれた。
「ああ、凄く楽しくて素敵なパーティーだったよ」
パーティー中の結衣達の笑顔を思い浮かべながら芹花姉さんにそう言った。
今日のハロウィンパーティーはとても楽しかった。来年ももし開催されるのなら、結衣達にまた招待されたいし、参加したいな。そう思えるほどのいいパーティーだった。
結衣という大好きな恋人がいて。胡桃、伊集院さん、中野先輩、福王寺先生という親しい友人や先輩や先生がいて。そんな彼女達と一緒にハロウィンパーティーに参加して。家では久しぶりに芹花姉さんと一緒にコスプレして。そのおかげで、今までで一番楽しいハロウィンになったのであった。
2学期編4 おわり
これにて、2学期編4は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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