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24話 細かい設定。


 24話 細かい設定。


「神の慈悲」


 ニャルが指を鳴らしながら、そう宣言すると、カンツの顔面を覆っていた脂汗がスーっと蒸発していく。そして、心が、驚くほど穏やかになった。

 それだけではなく、失神していたメンバーも、目をさましておもむろに立ち上がる。


 みな、ニャルに対して動揺こそしているが、必要以上に恐怖や焦燥感は抱いていない様子。


「せっかくこうして出会えたんだし……すこしだけ、君たちに、助言をしてあげよう」


「……助言?」


 と、反応を示した田中に視線を向けて、

 田中を指さしながら、ニャルは、


「君の命には、『シュブの呪い』がかかっているね」


「……シュブの呪い……とは?」


「うん。カンタンにいうと、君が死んだら、シュブが召喚されちゃう感じ。シュブは、寝起き以外だと、だいたい大丈夫なんだけど、『起き抜け』で呼んじゃうと、『アクビで世界が滅んじゃう』から、気をつけた方がいいよ。あと、機嫌が悪い時に呼ぶのもやばいね。けっこうなヒステリーを抱えているから。アウターゴッドの中では、比較的、対話できる方ではあるけど、僕ほど寛容ではないし、タイミングしだいでは、普通に暴れて世界を終わらせるから、気をつけて。シュブは、寝ているか、機嫌悪いか、比較的安定しているか、の3択になるんだけど、比較的安定している確率は5パーセントぐらいだから、シュブが召喚された場合、95%ぐらいの確率で、世界が滅びるからね」


「……それは……大変やな。えらいこっちゃ」


「ちなみに言っておくと、シュブは、僕より下とはいえ、僕とほぼ同等の力を持つ化け物だから、抵抗することはできないよ。『召喚されても、みんなで力を合わせて倒せばいいや』なんてことを考えていると、後悔するよ。いや、後悔する間もなく死ぬよ。僕やシュブ級の神がその気になった場合、誇張表現ではなく、本当に、マジで、鼻息だけでも、この世界を丸ごと吹き飛ばすことが……できなくもないんだ。まあ、さすがに鼻息だけで世界を消失させるとなると、いくつかバフをかける必要があるけれどねぇ」


 ダラダラと、中身のない言葉で、世界をケムにまいてから、

 ニャルは、田中の目をじっと見つめて、


「本来、完全な状態のシュブを召喚するのは、かなり大変なんだけど、君の命を使えば、他の方法では絶対に不可能な、アンリミテッド状態の召喚がサクっとできちゃうっぽいね。……そして、『君の死』が『アンリミテッド・シュブを呼ぶ最短である』と、いうことを、どうやら、『ハスター』は知っているみたいだ。ちなみに、ハスターは、完全体シュブを召喚することに躍起になっているGOOで、GOOの中では最強格だよ。具体的に、どのぐらい強いかというと……えっと、君らは……えっと……あ、ウムルは知っているっぽいね。ハスターは、ウムルよりもはるかに強いよ。さっき言った数値でいうと、ギリ1000をこえているぐらいかなぁ」


 そこで、田中が、まるで、状況でも整理するみたいに、


「ワシを殺すだけで、楽に、完全体シュブを召喚できる……ということを、ハスターが知っとるということは……もしかして、ワシは、ハスターに命を狙われとるんかな?」


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