表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
867/1228

42話 オリジナル。


 42話 オリジナル。


「流石に『薄すぎる』かな。俺の無崎性よりも、さらに薄い。ヌルの感情ブースターとしての役割以外を期待されていない、出来損ない用のハズレヒロイン。……『ゴリゴリの酒神シリーズ』が相手だと、流石の俺でも多少は苦戦するだろうけれど……お前は所詮、出来の悪いお人形さんだ……俺どころか、あそこにいる元主人公たちよりも制度の低い、隠し味程度の極小フラグメントしか持たない、ガワだけの、安いハリボテ」


 そのあおりに対し、

 ボロボロの酒神は、


「あんただって……ただのハリボテ……」


 最低限の返しを見せてくる彼女に、

 蝉原は、



「――俺はオリジナルだよ、酒神」



 と、なかなか衝撃的な事実をかましてくる。


「……より正確に言うのであれば、『オリジナルと統合された俺』だね。俺は……『俺たち』は、『過程』にこだわらない。いや、もちろん、たまには、過程にこだわりたい時もあるけれど、『本質を追及する際』には、ゴールしか見えなくなる、猪突猛進タイプなんだ」


 ごちゃごちゃと、自分語りをしてから、


「お前らが、純粋無垢な自己鍛錬に励んでいる間、俺は、ずっと、『ありとあらゆる場所に散っていた俺のフラグメント』を回収していた。カケラの一部としてうごめくだけではなく、すべての俺を回収し、完全なる一つになることを望んだからだ。蝉原勇吾という男は現金で分かりやすいから、話は早かったよ。誰がベースになるかでもめたりしない。一番出来のいいヤツがやればいいだけの話」


「……」


「蝉原勇吾は、センエースの心を折ったことがある男だ。その称号を持つ者は、この世でたった二人しかいない。全世界最高格の偉業を成し遂げたことがあるほどの男を……ナメちゃダメだろ、常識的に考えて」


 最後にそう言ってから、

 蝉原は、酒神の心臓を貫く。


 彼女の心臓をグバっと握りつぶしてから、

 バクリと、頭から丸のみ。


「お、お、おお、おおおおおっっ! ……『極小フラグメント』とはいえ、さすが、酒神シリーズ。しっかりと膨れ上がったな……」


 10人の弟子全員を奪い取り、

 大幅に強化された蝉原に対し、

 これまで、ずっと蝉原のサポート役に徹していたカミノが、


「……そろそろ、ヌルの封印がとけそうだ……蝉原。ここまでは、かるいウォーミングアップにすぎない。ここからが本番だ。気合い入れてくれ」


 などと言いながら、心の中で、


(蝉原が、想定していたよりもだいぶ強化された……酒神と超苺には、もう少し苦戦すると思っていたが、ありえないぐらい楽勝だったな。……これなら、かなり、ヌルに肉薄するかも……いや、それどころか、下手したら、致命傷の一つでも与えることができるんじゃ……できれば、同士討ちしてほしいところだが……流石に、そこまでの運命力を、蝉原は持っていないか……)


 などと思っているカミノ。


 そんなカミノの『ガラ空きの背中』を見た蝉原は、

 ニィっと、黒く笑って、


 ――ほぼ、一瞬のうちに間をつめると、


 ガバァアっと口を開いて、

 カミノを丸のみに――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ