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22話 自己中心性が増して、性格が悪くなるというスペシャル。それが、裏スペシャル人間失格。


 22話 自己中心性が増して、性格が悪くなるというスペシャル。それが、裏スペシャル人間失格。


「理屈とかじゃねぇよ。みっともなく壊れただけだ。絶対的主人公補正とかいう、しょっぱいオモチャをぶっ壊して、そのハリボテの一番奥にあったゲロを引きずり出して、体にぬりたくっただけ」


 ――悪鬼羅刹は表裏一体。スペシャルにもその概念は当てはまる。その視点は、決して『一粒で二度おいしい』ではない。『せっかく素材はおいしいのに、調味料で台無し』という感じ。決して『表のスペシャルと、裏のスペシャル、二つ分の効果を得た、やったー』ではない。


 裏スペシャルの特質に関しては、『最上位スペシャル特有のデメリットが濃くなる』と考えた方が適切。

 裏スペシャル『人間失格』の効果は『自己中心性が増して、性格が悪くなる』。

 もはや、『最悪の呪い』と言っても過言ではないお荷物。

 どんなレッドスペシャルよりも酷い死神のデバフ。

 『足枷についているトゲつきの鉄球』と言っても過言ではない。

 ただでさえ縛りが多いナイトメアマストダイモードなのに、邪魔な縛りがまた増えた。

 それが現状の答え。

 ゴミ袋ばかりが増えていく、無限の汚部屋みたいな地獄。



 ――ただ、その分、質量が『重く』なる。



 荷物と鉄球を背負った分だけ、ズッシリと総量が重くなって、

 多少の風では吹き飛ばなくなる。

 何かに引きずり込まれそうになったとしても、

 堂々と仁王立ちしていられる。

 魂魄の深部に『人間失格』を刻み込んだセンを見て、壊れたナグモは、つまらなそうに


「輝きが消えて、穢れだけが増した……こんなにも愚かな選択をした者を、私は他に知らない」


 アホを見る目で、とことん、バカにした感じで、


「……わかっているのか? 貴様は、私に対抗できる『唯一の可能性』を棄てたんだぞ。重たくなったようだが、それがどうした? 貴様の現状を鑑みるに、多少重くなるよりも、半不死身のままでいた方が、まだ可能性はあっただろう。主役を背負う覚悟もない者が、何かを成し遂げられると思うなよ」


「は、ははは。もはや、ここまでくると……『ファントムトークにすらなり切れない、程度の低い言葉遊び』って感じだな。『厚みのある言葉』を、薄っぺらに乱用するのはいい加減にやめろ。覚悟って言葉は、もっと重たいんだよ。おためごかしや、使い勝手のいい装飾品として使うのは命に対する冒涜だ」


「貴様がそれを言うのか。中身のない大言壮語しか吐かない、からっぽのウソつきが」


「だからこそ叫べるんだよ。『ワクの中に納まっている正直者』じゃあ通せない無様を……世界一みっともない厚顔無恥を……これからも、ずっと叫び続けてやる。それが俺の覚悟だ。ピエロの意地をナメんじゃねぇ」


 自分が『凡庸なピエロ』であることを自負しつつも、どこかで、確かに存在している承認欲求。

 褒めてもらいたいわけじゃない。

 共感してほしいわけでも、かまってほしいわけでもない。

 けど、人間関係上で、欲しいものはたくさんある。

 そんな、面倒くさい自分を、認知してもらいたい。

 『理解してもらいたい』だなんて、そこまでの無茶を言う気はないが、

 『俺がここでワガママを叫んでいる』ってことぐらいは知ってもらいたい。

 そんな、ウザすぎる自意識のモンスター。

 そのみっともなさに対する羞恥心から、いつも、口がへの字に曲がってしまったりして。


 ――『最強』を求めたのは、『全部を守りたいから』というのが一番の理由だが、二番目の理由は、『世界に、自分の輝きを刻みたいから』である。

 それは、実のところ、『子を求める(己の種を残す)』のと同じ視点。

 『最強』という『とんでもなく大きな目標を掲げた理由』が一個であるはずがない。


 己のみっともなさにカタルシスとナルシシズムを乗せて、『不器用な自意識』と『終わらないワルツ』を踊る。

 そうやって磨き上げた、傷だらけのデザイアを結晶化させたもの。

 ――それが、『病的な高潔』の裏スペシャル、『人間失格』である。


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