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31話 紙野の暗躍が始まる。


 31話 紙野の暗躍が始まる。


(どうにかして、大量の魂魄を回収し、勇者と魔王を殺せるぐらいの力を得れば……とりあえず、この世界での安全は確保できる。……強くなること……この世界を絶望で染め上げること……その二つは同時並行で進めることができる……この世界の人間を、できるだけ絶望させながら、大量に殺していけばいい)



 『人間を大量に殺す』という行為を、

 紙野は『手順』としか考えていない。


 悪意や害意などは介在しない。

 ――ニコトピアを復活させてトコを守る。

 そのためだったらなんでもできるというだけの話。

 子供のためなら何でもできる親。

 それが、紙野創蔵という概念の本質であり全て。



(……大量殺戮がバレれば、魔王と勇者が、俺の討伐に動き出してしまう……目立たないように、素早く、的確に、より多くの人間を絶望させて殺す……)



 目標を定めると、

 紙野は、さっそく行動を開始した。


 目はバキバキで、けど、精神はいたって静か。

 きわめて冷静に、ある意味で愚鈍に、

 紙野は、『死をまき散らす絶望』を徹底しようとする。



 ★


 トーン共和国は、カル大帝国、精霊国フーマーに次ぐ世界序列3位の大国。

 南大陸の魔王国に対してのスタンスは、基本的に穏健派を名乗っているが、モンスターに対していい感情は持っていない者も多い。

 差別思想と、階級思想が非常に強く、

 上級国民に位置する者は、

 そのプライドの高さゆえか、

 極めて傲慢な態度をとる者が多い。


 トーン共和国は、かなり大きな国であり、

 かつ、すでに、だいぶ腐敗が進んだ国である。


 歴史と規模が膨らめば膨らむほど、

 組織というものは、キッチリと腐敗していく。


 上に立つ者が、『支配者として完璧な力』をもっており『異常なほど高潔で清廉』という、際立って稀な状況でない限り、腐敗を止める手段はない。

 進行度合いに差はあれど、確実に、間違いなく、グダグダになっていくのが組織という概念のさが


 そんなトーン共和国では、『平民』と『上級国民』の大きく二つに身分が分かれており、

 『上級国民は、平民に対して何をしてもよい』――というのが暗黙の了解になっている。


 もちろん、『あくまでも、暗黙の了解』であって、

 その『事実』を、公に公表しているわけではない。


 表向きには『ノブレスオブリージュを遵守するのが国是である』などとのたまっているが、実際のところ、上級国民が、平民に対し、どんな残虐なことをしようと、上級国民が法で裁かれることは決してない。

 あまりに事件が大きくなりすぎて、他国の要人に、その事実が知られてしまった際などに、『下級の上級国民』が『トカゲのシッポ切り』のような形で、パフォーマンス的に断罪されることはたまにあるが、基本的に、『上位の上級国民』は、国から『完璧な自由』を許されている。



 ――だから、今日も、

 上級国民『ズンダ・クリミア』は、自由に、気ままに、

 『平民』をオモチャにして遊んでいる。



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