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3話 田中家は、天才しかいない。


 3話 田中家は、天才しかいない。


「いや、机の上に、ネームプレートがあるやん」


「……どうやら、文字は読めるようだな」


「さっき、あんたの本で勉強したからな」


「……ん?」


「あと、あんたと会話しながら、発音とかは勉強させてもろた。足りん部分は推測で補った。人間の声帯構造的に、発声パターンは、ある程度、決まっとるから、予想で補うことは可能。あと、人間の脳は、相手の発言を勝手に類推する機能があるから、ザンクさんが、まだ補えてない部分も、脳の機能が、勝手に補完してくれる。せやから、ザンクさんの、言語取得レベルがマックスでなくとも、普通に会話が成立するわけや」


 ぺらぺら、ぺらぺらと、

 流暢に、よどみなく、

 ザンクさんは、続けて、


「あと、あんたらが使っとる言語は、ザンクさんがいつも使っとった言語と、そんなに違いがなかったから、助かったわ。ぶっ飛んだ形式の言語やったら、習得するのに、もうちょっと時間がかかっとったと思う。あ、ちなみに、ザンクさんのおしゃべりは、『標準語と比べたら、ほんのちょっとだけ、なまっとる』んやけど、そのなまりが再現できる言語やったんが、正直、大助かり。ザンクさんの家系の人間は、全員、この『訛り』が『オンの状態』やないと落ち着かんから」


「……ちょっと、待て……お前、何を言っている? まさか、お前、魔法やスキルを使わずに、自力で……それも……本を数秒ほど流し読みしただけで、この世界の言語を覚えたというのか?」


「そんなに驚くことでもないやろ。言語なんてどれもパターンが決まっとるし。あと、ザンクさんは、暗号解読に関しては、かなり得意な方やしな。血族の中でも最強クラス。最強クラスってか、最強やな。『田中家の中で最強』って聞いて、それがどんだけエグいか即座に理解できたら、そうとうのつうなんやけど、兄さんでは、わからんやろね。異世界の天才一族のこととか知らんやろうから。ちなみに、ウチの世界の『ガチ上流階級』では、『田中家だけには手をだすな』が暗黙の了解になっとるレベル。ヤーさんも警察も政府も、なんやったら、300人委員会とかも、『あの一族を、同じ人間と思うな』というのが基本認識になっとる」


 べらべらと、止まらないおしゃべりを続けるザンク。

 ぶっちゃけ、もう、モナルッポは、ザンクの話を聞いていなかった。


(こんな、ほんの短時間で、自力で言語を取得……? 何かスキルをもっているなら分かるが、完全な自力でなど……そんなこと……ありえないだろう……)


 『知性のある召喚獣』の中には『喋れる者』もたまにいる。

 それは『そういう能力を持っている』という場合がほとんど。

 というか、それ以外ではありえない。


 『スペシャル』の中には、『言語取得』や『言語適応』というのがあるし、

 魔法でも『意思疎通が可能になる』系の魔法は存在する。


 そういった、特殊技能を使わずに言語をマスターしようと思えば、

 『天才』と呼ばれる頭脳を持つ者でも、数週間は必須。

 どんなに短くみつもっても、数日は絶対に必要だろう。


(言語取得は、しょせん、型を脳に刷り込ませるだけ。だから、やろうと思えばできなくはない。だが……一冊の本を、数秒読んだだけで完全に理解するなど……そんなこと、可能か?)


 モナルッポは、自分の頭が優れているという自負がある。

 ミルスの王族は優秀な者が多い。

 兄や妹も、相当に賢く、平民と比べれば、10倍以上は賢い。

 そんなミルスの王族の中でも、間違いなく、史上最高クラスの頭脳を持つのがモナルッポである。


 だが、そんなモナルッポでも、


(無理だ……最短でも、一週間は必要)


 専門教師につきっきりで丁寧に教われば、2~3日でマスターすることも不可能ではないだろうが、本一冊だけで『言語』という『知識体系』を習得するには、それだけの時間が絶対に必要。


(ブラフか? ……いや、しかし、セブンスアイで見通したところ、実際、こいつは、言語関係のスキルも魔法も会得していない……)


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