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第7話 埋まる小国
あのあばずれが去って、清々したと思っていた矢先。
国が、翌朝から消滅しようとしていた。
埋まっていくと言っていいか。
ぬかるむ泥の雨が降り、外も城も、何もかもが埋まっていく。
極め付けには雨どころか、洪水だ。
息が途絶えようとしていた俺は、意識が朦朧としている中でひとつの伝説を思い出した。
『虹の神の代理人を怒らせれば、国など一夜にして潰える』
つまり、あのあばずれを気に入った国こそ。
劣悪な王族ではなく、彼らだとしたら……俺たちは天罰を喰らったのだと、沈む身体を最後にすべてを喪ったのだ。
レイシアは神の国に気に入られる存在だったと、今更顔を思い浮かべてもうまく形成出来なかった……。




