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スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜  作者: 櫛田こころ


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第24話 洗濯から学んだ『汚れ』

 わたくしの推測でしかありませんけれど、ひとつの仮定を告げることにしましたわ。



「染料ですと、『色落ち』が多いものと少ないものがありますの」



 時々ですが、爪弾きゆえに自分で洗濯するときにスキルを使っていましたが。服の染料が落ちてしまう傾向が『布地』と『染料の濃さ』によって違う気がしましたの。


『色落ち』の汚れは、それはそれは酷いものもあればマシなものもありました。


 ですが、リデル様たちの身体に染み込む『穢れ』は色落ち以上の汚れでしたから……もしかして、『染料の使い過ぎ』もあるのではと色のない布に移しただけですが。



「……色落ちの要領で、まさか『染めて』しまうとは」



 陛下がおっしゃる通りですの。私も、汚れを移動させるためだけにスキルを使ったのですが……実際は新しい染め方を編み出してしまったようですの。


 わたくしのスキルは『洗浄』『洗濯』から、さらに希少のある『聖浄』だそうですが……穢れと汚れでも関係なく、綺麗にしてしまうそうですわ!


 ちなみに、染めてしまった頭巾に触れても指は決して汚れませんでした。



「陛下。この頭巾を手袋に加工させてみては? リデルにつけさせて確認したいことがございます」

「ふむ。姫もいることだし、我々の通常の仕事を見てもらった方がいいね」



 と言うことで、控えていた針子の方に頭巾のひとつを手袋に縫い直していただき。それを装着したリデル様に、お城内の仕事場にと案内していただきましたわ。


 薄く色づいた白い大きな布に、大きな水場。専用の棚には大きな瓶たちが……という、神殿の中へと案内してくださいましたの。



「これがあれば……次代に向けての素晴らしい仕事が出来るかもしれない」



 今回わたくしは、一連のお仕事を見学すると言うことで汚れてもいいワンピースでリデル様の隣にいますの。汚れてもわたくしのスキルで汚れは落ちますのに、皆さんお優しいですわ。



「ここからどう染めますの??」

「染料を引き出して、混ぜた湯船の中でしみ込ませるんだ。素手でやってたから汚れるのは仕方なかったが……」



 魔法で瓶の蓋を開けたリデル様は、適量の濃い染料を七色分水場に入れたのですが。混ざっているのに、とても美しい波紋のようにも見えましたわ。



「ここに素手で?」

「ああ。……だが、レティの手袋があるから」



 波打つように布に手を伸ばし、まるで洗うように染料をしみ込ませていましたけれど……ひとつの枠の色が染まるときに、細い糸のように粘着がある染料がリデル様の手にも集まりましたが。


 青だと、手袋の青が。赤だと赤がと言うように。


 一瞬光りましたが、手袋が必要以上に染まることはありませんでしたわ。リデル様が仕事に夢中になられている間、わたくしはその光と染めを交互に見ていましたけれど。



(綺麗ですわ……!!)



 と、とても楽しい気分でいましたわ!! これが虹を作る過程のひとつだと、自分も出来ないからあとで聞きたくなるほどでしたもの!!



次回はまた明日〜

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