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スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜  作者: 櫛田こころ


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第17話 ご挨拶は朝から

 よく寝たと思うんですけれど……あんまり覚えていませんの。


 ただ、ふわふわのお布団から出たことでアースト国にいることはすぐに思い出せましたわ!!


 身支度をすぐにしませんと!?と焦っていましたら、ニコニコされながらお姉様と何名かのメイドがノックの後に入って来られました。


 どうやら……起きるのはわたくしが最後のようでしたわ!?



「急がなくても大丈夫ですよ? 姫様にはゆっくり休んでいただくように、両陛下からもお言葉がありましたから」

「へ、陛下……からですの?」

「ええ、ご心配なく。むしろ、可愛らしい姫様をお美しく着飾るようにと、おっしゃってくださっています」

「……着飾る、ですの??」

「お任せくださいな。せっかくのふわふわの髪は、やはり昨日のように纏めましょうか?」



 と、お話しながらも……テキパキ整えてくださり。朝ご飯なので軽くお化粧もされてから、お姉様の案内で食堂の間に連れてっていただきました。



「……おはよう、レティ」



 途中でリデル様と合流しましたが、きちんと挨拶しましたわ。一応……その、婚約者と言いましても。まだお仕事をいただける上の方としての感覚しかありませんわ。


 リデル様の気持ちを踏みにじるつもりは、ありませんのよ??



「……ご一緒でいいですの?」

「もちろん。俺も相当久しぶりに会うしな。……どんな感じか」

「久しぶり?」

「出会った時の、俺の格好覚えてるか? 俺やライオスは普段旅をしながら、各国の虹を管理したり……紡いだり、染めたりしてた。誇らしい仕事ではあるが、肉体を代償にするせいで、他国からは忌避されやすい」

「……酷いですわね」



 誇らしいお仕事を貶すだなんて。


 わたくしのスキルも、あの国にとっては本来必要だったのが……隠されていた、とクロノ様はおっしゃっていましたが。あの国に未練はありませんから、汚れを飛ばしたあとのことは知りませんわ。



「理解者は結構少ない。、初見でそう言ってくれるレティは凄いぞ? だから」



 あと少しで扉を開ける……まで来たのですが。扉がいきなり開きましたの!? そして、わたくしは白い手袋をされた女性に抱きつかれましたわ!!?



「まあまあまあ!! 本当に可愛らしい!! ふわふわの髪も、もちもち肌も!! 貴女がリデルのお嫁さんなのね!!」

「……ニンフィア、落ち着きない。お嬢さんが固まっているじゃないか」



 女性の興奮具合もですけど……奥から素晴らしくお声が良い殿方のご登場にもびっくりしましたわ! 低くて腰が痺れるは危険な感じがしますの!!



「……母上、相変わらず。父上もフォローしてください」



 なんとなく予想してましたけど……やはり、このおふたりが両陛下ですのね!!?


 顔をちらっと上げてみましたが……何故か、顔に布を被されていました?? なぜでしょうか??

次回はまた明日〜

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