第11話 狭間の神は(クロノソティス視点)
気持ち悪い空気が。少し和らいだ?
そんな気がして目を覚ましてみたんだけど。澱みだらけの狭間の空気が、幾らか薄くなっているように見えた?
『僕』を軸に。
一定に溜まったら髪に宿らせてはいたけど、その髪が若干薄い? じい様のような金色はないが、黒が別の色になっている?? 何千年くらい、見てないそれには少し驚いた。
すると、上の方で『言祝ぎ』がポツポツって聞こえてきたんだ。
《へぇ? まさか、『表裏一体』になろうとしてるユニークスキルを持つ子が?》
僕の手を離れて数百年かけたけど、あの『層』ではきちんと定着したようだ。であれば、『洗浄』と『紡ぎ』として別々にさせた……それぞれの役割も、そろそろ変わる兆しが出たってことか。
もう少ししたら、どちらかの次世代が伝えに来るだろう。
僕の。
本来の。
主神であるに等しい、あの小さな小さな層のところ。
狭間はあくまで、虹の隙間でしか過ぎない。
層の境目を繋ぐのは、僕の仕事の一端だ。
祖父神の次世代は、あくまでフィーとシアの管轄だけど。
僕は僕で、そろそろ『対』になる女神の生誕の兆しがあるはず。
この澱みが、その受精卵ってあの世界に送った子に言わせたら赤面症間違いないだろうけど。
《……さて。スキルを上手く使ってくれた子は誰かな?》
水鏡越しに、出逢うくらいは……いいよね?
次回はまた明日〜




