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竜達の旅団≪ドラゴンズ・ブリゲード≫ 【呪詛の鐘の章】  作者: 中一明
ジャパン・クライシス
121/156

東京決戦 6

東京決戦まだまだ終わりません!

 東京スカイツリー前まで飛んでいこうとしたが、ある程度接近したところで砲撃により撃ち落とされそうになってしまい、止む終えず下から接近するしかなかった。

 スカイツリーの駅前近くまでたどり着くことには成功しそうになっていたが、地面の闇から現れた大きな鉄製の巨人が大斧を振り回しながら形作られていく。


「どこのゲームのワンシーンだよ!」


 咄嗟のツッコミもエアロードとシャドウバイヤには通じないらしく、俺の後ろで首を傾げているだけだ。

 そんな奴が一匹だけならいいのだが、後ろにもう二匹ほど控えている姿を見るとやる気が途端に萎えていく。

 ゲームで例えるならラスボスのステージといった感じなのかもしれないが、俺もゲームはあまりする方ではないので正直よく分からないが、こんな敵がラスボス前に現れた暁にはゲームソフトを叩き割るかもしれない。

 避けて通りたいところではあるが、残念ながら避けて通るには時間が掛かりすぎつ上、時間が経てば経つほど数が増えるだけのような気がしてならない。

「これだけの数を突破するにはさすがに骨が折れそうだな。二人は俺のマントの裏に隠れていてくれ」


「「言われるまでもない」」


 どうせ役に立たないことは実証済みなのだ。

 俺は剣を抜きそのまま走り出す、振り下ろされる斧の一撃をギリギリまでひきつけながら回避し、そのまま斧を持つ腕を容赦なく斬り捨てようとする。

 しかし、意外と頑丈なのか腕の装甲に弾かれてしまう。

 俺は再び距離を取り始め、攻撃する瞬間を待つが敵も慎重なのか、それとも行動範囲に制限があるのか分からないがこれ以上近づこうとしない。

 うまく回避すれば逃げることが出来るかと思考し、地面を蹴って駆け出していき斧による横なぎの一撃を体を空中で捻って回避しそのまま股下を掛けて走り去って行く。

 後ろを振り返るがやはりあそこから動こうとはしない所を見ると動けないのか、動きが鈍すぎて遅いかだろう。

 おそらく後者。

「このまま突破………したいな~」

 鉄巨人の後ろに黒いフォルムの狼や骸骨の兵士などRPGでしか登場しないのではないか、と思わせてくれる敵が次々と姿をあらわしていく。

「現実を直視したくない。あれを突破するんならいっそのこと後ろの二人が犠牲にしながら空から接近した方が良いような気がする」

「「私達を利用するな」」

 そう思って夜空を見上げるが、そこには無数の飛行生物がいるような気がしてならない。

 外見こそ恐竜のように見え、その体長はおおよそでヘリコプターと同じぐらい。口先が尖っており見れば見るほどプテラノドンに見えてならない。

 カラスみたいな鳴き方なのはこの際無視するとして………数がな~多いんだよなぁ。

 このままでは二人を犠牲にしながら戦うという作戦は中断するしかないだろう。

 後ろか側から鉄巨人がかすかにだが近づきつつあり、正面の軍団を超えていく覚悟を素早く決めながら俺は突っ込んでいく。

 骸骨兵の一人がボロボロの槍を俺の鳩尾目掛けて突き刺そうとし、俺はそれを剣で弾き飛ばしながら体制の崩れた骸骨兵に横なぎの一撃を決める。

 そのまま後ろを振り向き回り込んで来たオオカミが襲い掛かってくる。

 大きな口を開いて襲い掛かるオオカミの斜め右下へと潜り込みそのまま剣で切り裂く。

「キリがない。適当な所で突破しないとここでやられる」

 囲まれる前に突破しなければやられるという気持ちでそのまま骸骨兵の攻撃を態勢を低くしながら回避し、あえて攻撃しないまま走り出す。

 目の前に三匹の狼が三方向から襲い掛かってくるが、俺は正面の敵だけを斬りつけながら切り裂いていく。そして、そのまま足を止める。

 囲まれたままであるが、この敵の出現方法がどうしても気になってしまう。

 俺は一度愚かな事だと思いながら目を瞑り、意識を『竜の欠片』に集中する。

 すると、大広間のような大きな空間で戦うレクター達の姿が見えてきた。

 未だ突破できず活路が見えずにいる。恐らくだがジュリやイリーナだけでも突破させたいのだろうが、敵の数が多すぎて突破の道が見いだせないのだろう。

「エアロード!シャドウバイヤ!もしかしてあっちで出現できない化け物がこっちに現れているわけじゃないよな?」

「いや、それで合っていると思うぞ。こいつらは命を搾り取って作られた人工的な兵器だろう。操っている人間の知識を元に再現されているんだろうな」

「なるほどな。だからやけにゲームに出てきそうな敵が現れると思ったよ」

 どうすればいい?どうすればあいつらを助けられてこの状況を脱することが出来る?

 あいつらに戦力を送る必要がある。

「木竜を倒せばあいつらを救うことが出来る?」

「ああ、あいつが原因だしな。しかし、それまで彼らが耐えられればいいがな」

 それが問題でもある。

 決着するまで耐えられる気がしない。無限の戦力を前にして耐え抜くことは出来るだろうか?

 なんて考えている間にも追い詰められているのは事実で、考えている間に体を動かさなければという意識が生まれ始める。

 俺は剣を地面に突き刺しながら大きな声を上げる。

「舞い散れ!刺殺の束!!」

 俺はこの場と向こう側に意識を飛ばしながら俺は剣を召喚していく。


 大広間に辿り着いた一行は反対側に大きなドアを見つけ出した。

「あれが出口じゃない?」

 なんて言っている間に大広間に次々と骸骨の兵やオオカミ、鉄巨人が姿を現しながら近づいてくる。

 レクターを中心とした近接攻撃部隊とエリーやジュリを中心とした遠距離部隊に分かれて攻撃を始めていく。

 しかし、敵の数が多すぎて少し前に進むだけ精一杯。

 そんな中、ヴァースがイリーナとジュリを抱えた状態で敵の中を突き進んでいく。

 槍で刺されようが、オオカミに噛まれようがお構いなく走り去ろうとする姿にイリーナやジュリが「もういいから!」と叫ぶが、ヴァースが止まる事をしない。

 レクターとレイハイムが援護に走ろうとするが、敵の数が多すぎてまるで意味がなさない。

 回復能力よりダメージを受ける事の方が多く、少しずつだが血を流し始め痛みで表情を歪める。

 ベースも援護をしていくが群がっている敵の数が大きく、このままでは半分行く前に倒れてしまうだろう。

「ウォォ!!」

 叫び声を挙げて一気に跳躍していく。

 距離を半分以上詰めていくが、着地したところで鉄巨人に殴り飛ばされて柱に激突してしまう。

 血が大量に流れていき、傷の塞がりも悪くなっていく。

「行ケ………」

 イリーナはヴァースを抱きしめながら断ろうとするが、こうしている間も敵が群がっていく。

 ジュリもヴァースの治療に力を注いでおり、レクター達も救出するのに時間が掛かりそうになっている。

 そんな中、彼らの足元が眩い光が皆の視界を塞いでいく。

 すると、地面から大量の刃が姿を現すと多くの敵がまとめて消されていく。

「ソラ……君!」

 皆の中でソラのイメージが浮かび上がると出口のドアが勢いよく開き、二つの大剣がブーメランのように鉄巨人を二匹ほどを駆逐する。

「ジュリ!イリーナ!今の内だ!」

 ソラが大きな声で手招きし、アベルとガーランドが飛び出していく。

「行こう!イリーナさん!」

「でも……」

 ヴァースは力強い目をしながら視線だけで「行け」と告げていく、イリーナはヴァースの頬にキスをして小声で「ありがとう」と告げると二人で駆け出していく。

 ソラが二人を確保した段階で、敵を外に漏らすわけにもいかないのでそのままドアを閉めようとする。

 するとレクター達が手を挙げてソラの方を見つめてくる。

「ソラ!後は任せたぞ!」

 ソラはレクター達の方へと視線を送り拳を突き出す。

「後は任せろ!!」

 ドアを閉めてソラ達はスカイツリーの一階で三人で取り残されていた。

 ドアの向こう側では今毎終わらない死闘が起きている事だろう。

 少しでも早く事態を終えるためには『呪詛の鐘』を早く手に入れ、木竜をとにかく倒さなければならない。

 ソラ達は上の階を目指してエレベーターに乗り込んでいく。


どうでしたか?次回いよいよ王島聡とのラスボス戦となります。このまま走り切るつもりですのでどうか最後までお楽しみください。では!次回!

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