プロローグ
もしも願いが叶うなら、あなたは何を願いますか?
もしも願いが叶うなら、私は何を願うのかな・・・
あの時の私が願うなら、
迷わず『私の時間を早めて欲しい』と願った。
あの時の私の世界には、あの人しかいなかったから。
どんなに手を伸ばしても、届く事のない背中。
それでも、呼べば振り向いてくれる。
優しい笑顔で。
だけど、それじゃ我慢出来ないの。
そんな笑顔じゃ物足りない。
だって、知ってしまったから。
あなたの笑顔の意味を。
私が欲しいのは、そんな笑顔じゃない。
抱きしめるその強さ、それも私が求めているものじゃないよ。
もっともっと、もーっと抱きしめて欲しいよ。
だけど、私じゃ無理な事も知っているの。
でも諦めきれないよ。
そんな方法知らないの。
だから私は、急いで追いかけるの。
その背中を見失わない様に
もしも願いが叶うなら、今の私は何を願うかな?
みにくいアヒルは、毎夜願うの
ひっそりと咲く花が、
いつか誰かにとっての華になって咲き誇れる様に
みにくいアヒルは、毎夜願うの
キラキラ輝いている白鳥と友達になりたいと
みにくいアヒルは
キラキラ輝く白鳥じゃく、みすぼらしいアヒルでも、
外見の自分じゃなく、本当の自分を見てくれる『誰か』を
願わくば、その『誰か』が貴方でありますように・・・




