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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
28/93

28.あじの秘密と罪のあじ

1/3

察してください(笑)


あ、もしよかったらブックマークだけでも。。。評価はそのうち気が向いたらでいいので、どちらも貰えると嬉しいです<__>


 あまりにも美味しい焼き鯖定食。

 一心不乱に食べ進め、気がついたらお皿の上には骨しか残っていない状態に。


「いい食べっぷりだったねぇ。惚れ惚れするよぅ」

「滅茶苦茶美味しかったです」


 私たちの会話をチラチラと見ながらもマイペースに双葉さんは食事をしているみたいですが、胃も少し落ち着いたので店内を見回してみると焼き鯖定食の値段が分かります。

 そこには80円と書かれていて、ちょっとしたお昼にするつもりだったのにかなり高級なお昼になってしまっていることが判明する訳ですが、慌ててポケットの中を確認するとギリギリ食い逃げはしないで済みそう。そんな思考になるかと思ったのですが、何故か脳内は違う話題で。


「あれ?つっちーは?」

「え?あれ?何処だろ?」

「一緒に味わって、そこにいたハズじゃ?」


 店内は私達を気にせず、時間帯もお昼真っただ中というのもあってかなり賑わっている状態ですが、さっきまで笑顔だったおかみさんの顔は少し陰りを見せ始める。

どうやらおかしな事がお店に起こっている様子。


「出来上がった焼き鯖が、なんで無いんだ?」

「流石に私もつまみ食いなんてしないよ?」

「お前を疑う訳ないだろ。ただ、ここに置いていたハズの鯖が無いんだよ」


 机の上には脂が少しだけ乗っている空っぽの皿と味噌汁とごはんと不思議な状態。


「……駆除はこの間もしたけど、隙間っ風もたまにあるからまたネズミかなにかかね?」

「それはもっとまずいが、今日最後の鯖だったんだよ」


 これだけ美味しい鯖が注文した後に無いと言われたら、と自分に置き換えてみるとそれは凄く悲しい話。

 そして、今から鯖をどうにかしたところでアレだけ美味しいモノが出せる確率は低そうと考えていると、とても冷静な声が頭の中に。


「これだけの美味しさの秘密、分かったかも」

「え?そうなの?」

「うん。鯖にしっかりと塩を振って、甘酒粕に漬けてひと晩寝かせて旨味を凝縮させて、臭みを感じさせない工夫をしている。それよりも凄いと思ったのは、漬けた甘酒粕も一度焼いて、こっちの味噌汁に多分入れているから、アラ汁のグレードも上がっている。……モノが無い時代と侮っていたけど、工夫と努力でこの美味しさを作るとは……ここの店主、凄いかも」


 つっちーのかなり饒舌な食レポが聞こえるわけですが、少しの間つっちーは果たしてどこにいたのか?と、私も皆も一緒に思うわけで。


「味の追及に、果ては無し」

「うん。つっちーの言いたい事は分かるけど、何処行っていたの?」


 ひーちゃんが睨むように聞く。


「果てのない、旅?」

「その口に付いているものは?」


 みーちゃんがヒンヤリとさせながら聞く。


「美味しさの欠片?」


 つっちーはツーっと汗を一つ垂らします。


「「「「アウト!!!」」」」


 どうやら美味しいモノに釣られてあの一瞬の間に飛び出して、鯖の美味しさの秘密を探ったみたいですが、私がやりましたと素直に言える状況でもなく、ただこの状況に責任感はあるわけで。

 どういう形にするのが良いか下を向いて私が考えていると、その様子を見ていた双葉さんが声を掛けて来た。


「タエさん?多分、ネズミか何かだと思うけど何故そんなに悩んでいるの?」


 いきなり声を掛けられる形になって慌ててしまい、気が緩んでいたわけではないのですが、お尻の辺りがもこもこしている気が。


「コレだけ美味しい鯖が食べられないのは可哀想だなぁと……えへへ」


 私のせいだとは流石に言えず、でもどうにかしたい気持ちもあって中途半端な形になってしまったのですが、この会話にいたく感動してくれたのはおかみさん。


「あらあら。嬉しい事言ってくれるねぇ。まあ、無い袖は振れないからちょっと怒られてくるよっ。なぁに、別の美味しいモノ出してあげれば何とかなるからっ」


 こんなことはよくある。慣れているとは言いながらも、稀に怖いお客さんというのは居るもので、おかみさんは気丈に振る舞っているものの声のトーンは少し下がり、手にも震えが。



 もう一度目を閉じ、お店の中を頭の中で把握してみると、中々の繁盛店というのもあってお店の中には色々と見えていて。少しだけ本気を出しての把握なので店内に置いてある色々なモノまで全てを把握出来ると、ギリギリ何とかなりそうなモノを見つける事に成功します。


「おかみさん、どのお客さんですか?」

「え!?」


 驚きながらもあちらのお客さんだと教えてくれたので、こういう時はまず行動。

すぐに確認を取りに動きます。


 つかつかと少しばかり強気に歩き、お客さんの前まで行って少し細めの声で「すみません」と声を掛けると、広げていた新聞からひょこっと顔を出してきます。


「僕の焼き鯖、まだかい?」


 優しそうな声で聞いて来たので、頭を下げながら説明します。


「ちょっとした手違いがありまして、もう少しだけお時間頂けます?」


 ほんのり目や口調に力が入ってしまったので、溢れる気にあてられたのか、お客さんは驚きながら首を縦に振って、新聞に顔を隠します。

 お客さんの許可は取れたので、次はお店の許可……って、順番が逆でした。

 おかみさんとお店の大将に許可を取りに向かいます。




いつか誰かがやる気がしていたのですが、ね。


やっぱり、やりましたね(笑)

個人的には「つっちー」よりも「ふーちゃん」のイメージでしたが、いたずら好きと食に貪欲だと食に貪欲の方が……ね。


この辺りは悩みながら書いているところでして。


スッと生まれてくれると嬉しいのですが、毎回そういう訳にもいかず。

ままなりませんねー(笑)

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