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【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
最終決戦!ケイシソウカンマン!

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第87話 特訓に向けて

 敵ロボの襲来の後、俺たちは基地に集まっていた。あれが一体何なのか、ハシレイから説明を受けるためだ。

 ハシレイはヘルメットのバイザーを上げ、珍しく真剣な目で語り始めた。


「あの巨大ロボットは、ケイシソウカンマンの直属の部下や。ホーテーソク団の怪人を模した形で作られたロボットを、選ばれた戦闘員が操縦しとるんや。すまんはら減ったからグミ食べてええか?」


「なんで今なんだ! あとチョイスはグミで良かったのか!?」


「もにゃもにゃもみゅめみゃめみゃもみゃ」


「飲み込んでから喋れ!」


 グミの袋を逆さにし、ヘルメットの隙間から流し込むハシレイ。あれは一体どうやって食べているのだろうか。一旦顔に乗せて口に向かって転がし、それを口でキャッチしているとしか考えられない。ものすごい受け口なのか?


「ふう、これで多少満たされたな。話し終わったらグミ食べてええか?」


「なんでずっとグミだけ食べてるんだお前は! 好きにしろ!」


「次はおきたまデラウェアのグミがええな」


「グミの話はいい! ロボットの話をしろ!」


「しゃーないなあ。ロボットは生き物のように複雑な動作ができる機械のことや。『センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム』と定義づけられとる」


「誰がロボットの概要を聞いたんだ! 今回の敵ロボの話をしろと言ってるんだ!」


「ああそうやったんか。ややこしいこと言うなあ自分」


「逆になんでその発想になったか教えて欲しいぐらいだぞ……」


 ハシレイはグミの袋を置き、改めて話し始めた。


「さっきも言うたけどあのロボットはケイシソウカンマンの直属の部下。あいつらが今地球におるっちゅうことは、ケイシソウカンマンが動き出したっちゅうことや」


 ケイシソウカンマンが動き出した……。遂に敵のボスがお出ましか。どんな敵か知らないが、とにかくそいつを倒せばこの戦いは終わる。何としてでも倒さないとな。


「ケイシソウカンマンかー! 敵のニスだよな!」


「ボスだ! 艶を出すな!」


「遂に動き出したのね。なら私たちも動き出すしか無いわね。両手と両足で全部違う動きをするわよ」


「無駄な動きをするな! なんだその動きは!?」


「だが敵のボスが現れたのなら、私たちも強くなる必要があるな! 合宿をするのはどうだろうか! 長野県とかで」


「なんでスキー合宿なんですか! 進学校の修学旅行じゃないんですから!」


「ほな布団をこの袋に入れて押し潰すで」


「それは圧縮だ! 引越しでもするのか!?」


 相変わらず緊張感の無いやつらだ……。実際にケイシソウカンマンと対峙することになったら、今のままで勝てる保証は無い。

 なら部長の言うように、合宿だか特訓だかをして強くなるしか無いのではないだろうか。いやスキー合宿はしないが。


「まあこのままじゃ勝てんやろな。敵の幹部もケイシセイマンまでしか倒しとらんしなあ。せやから、ワシも含めて思考暴走を使えるようにならんとあかん」


「歯槽膿漏? なんだよそれー!」


「それはもう前にやった! 2回同じ間違いをするな! あと歯を磨け!」


「その悲報朗報を使うには、どうしたらいいのかしら」


「どっちなんだそれは! 良いニュースと悪いニュースがあるのか!?」


「橋田、良いニュースと悪いジュース、どっちが先がいい?」


「悪いジュースは要らないので良いニュースでお願いします」


「君は来年から熊本県に転勤だ!」


「それ良いニュースで合ってます!? ていうか今言うのやめてくださいそんなこと!」


 ハシレイはドカっと椅子に腰かけ、腕を組んで話し出した。


「まあとりあえず特訓は必要やな。思考暴走を使うには、もうちょっと経験値が必要や。そこでや! 自分らには特別な場所を用意したで! 長野県に」


「なんで長野県に拘る!? お前まさか合間にスキーをするつもりじゃないだろうな?」


「そんなわけないやろ。スノボや」


「どっちでもいい! それで、その場所にはいつ行くんだ?」


「そうやなあ。明日の夕方とかどうや?」


「バイトの面接か! もうちょっとちゃんと日程調整してくれ!」


 その後ハシレイを含めて全員集合で日程調整をし、長野県の特訓場へ行く日程が決まった。しかしなんだこの和気あいあいとした雰囲気は……。友だち同士で旅行に行くわけじゃないんだぞ。もうちょっと緊張感を……。


「しゃー! じゃーおめーら、全員で特訓するぜ! 飯が楽しみだなー! どんなバターチキンカレーか楽しみだぜ!」


「だいぶ限定されたぞ!? バターチキンカレーしか出てこない前提なのか!?」


「私もbutter chicken curryが楽しみだわ」


「なんでネイティブ発音なんだ! バターチキンカレーを引っ張るな!」


「私はバターチキンカレーをめちゃー至近距離ーで見ていたら目が悪くなったぞ!」


「バターチキンカレーみたいに言わないでください! 知らないです部長の視力は!」


「ほんでバターチキンカレーは」


「バターチキンカレーはもういい! いつまでこの話を引っ張るんだ!」


 何故かバターチキンカレーで頭がいっぱいの仲間たちに呆れながら、俺はソファに座り込んだ。

 特訓は来週の土日。この特訓で強くならなければな……。

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