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【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
幹部襲来!

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第65話 パワーアップのリーゼント

 ドッゴオーン。4つの爆弾が大穴の中に落ち、大爆発を起こす。

 火柱が上がる大穴を見て、俺たちは背を向けて帰ろうとした。


「おい、どこ行こうってんだよ」


 その声で振り返ると、黒い煤塗れのケイシマンが、穴から這い上がって来るところだった。


 何……? 俺たちは確かに爆弾を放り込み、トドメを刺したはずだ。何故こいつはまだ生きている?


「なんで俺様がまだ生きてるのか、なんで俺様のMBTIがINFP(仲介者)なのかって顔してるから教えてやるぜ」


「後半はどうでもいい! ていうかお前仲介者なのか!? 実は心優しいのか!?」


「俺様は周りの人間がどんな顔をしているか、常に様子を窺ってその時その時に最適な行動を取れるよう心がけてきた」


「めちゃくちゃ仲介者じゃないか! なんでそのキャラでそんな性格なんだ!?」


「ある日MBTI診断っていうものを見つけて意気揚々とやってみたら、案の定仲介者が出たってわけだ」


「学生か! いやだからお前の性格はどうでもいいから、何故まだ生きてるのかを教えろ!」


「ああそうだったな。俺様は筋肉を硬化させることで爆発に耐えた、ただそれだけだ」


「……は?」


 要するにこいつは、筋肉で爆発を防ぎきったっていうのか? だとしたらえげつない脳筋だな。この間のボディビルマンとは違って、本物の脳筋だ。


「てことでよお、続きやろうぜ続き。こおり鬼でいいか?」


「いいわけあるか! なんで前回からお前は遊ぼうとする!?」


「じゃー俺が鬼なー! タッチされたら硬直して痙攣するんだぞー!」


「だから乗るな! それタッチされた時に死んでないか!?」


「はし……だ……あとは……まかせた……ぞ……」


「ちょ、部長そんなことでチェンジ解除して死ぬ演技するのやめてください! 乗らなくていいですから!」


「君は……明日……から……総務部だ……」


「遺言で部署異動伝えないでください! え、俺明日から総務なんですか!?」


 アホなことを言う部長をもう一度チェンジさせ、俺たちは改めてケイシマンに向き直った。


「頑丈にもほどがあるわね。そこまで頑丈ならタックルで温泉を掘り当てたりできるのかしら?」


「道具を使え道具を! 無理やり温泉を掘り当てるな!」


「もちろんできるぜ」


「なんでできるんだ! もう温泉を掘り当てて生活した方がいいんじゃないのか!?」


 ケイシマンと睨み合っていると、レッドがスっと前に出る。


「おめーら、あいつを倒すのは俺に任せてくれ! あいつにはなんか近いものを感じるんだ! 俺がこの手でトドメを刺してやりてー!」


「待てレッド。お前1人で適う相手じゃないと思うが……」


「レッド、無茶はしちゃダメよ。そう言えば無茶って悲しい漢字ね。お茶が無いんだもの」


「今言うことかそれは!?」


「レッド、私たちは手伝えないのか? せめて応援として後ろでブブゼラを吹くとか」


「ワールドカップじゃないんですから! 余計なことしないでください!」


 心配(?)する俺たちを、レッドが手で制する。


「大丈夫だ! 俺ならぜってー勝てるからよ、安心してブブゼラを吹いててくれよ!」


「ブブゼラを吹かせるな! だからワールドカップかって!」


 俺のツッコミを聞かずして、レッドはゆっくりと前に歩き出す。ケイシマンも呼応するように、レッドに向かって歩き出した。


「1人とは舐められたもんだな。お前1人で俺様に神経衰弱で勝てるとでも?」


「戦え! なんでこの空気でそんなことが言える!?」


「ああ、勝てるぜ! もうスペードとハートの8は俺が取ってる!」


「トランプをしまえ! 修学旅行か!」


「じゃあ……行くぜ?」


「ちょおーっと待てーい!」


 唐突にハシレチェンジャーに通信が入る。ハシレイだ。


「んだよ司令ー! 今いいところだったろー!」


「紅希、ケイシマンにそのまま挑むんはうどん、間違えた無謀や」


「どんな間違いだ! まさかお前今うどん食ってないだろうな!?」


「自分にプレゼントがあるズルズル。今からそいつを転送するから使うんやズルズル!」


「確実にうどんを食いながらだな!?」


 するとレッドの手元に大きなカツラのようなものが現れた。あれは……リーゼントか?


「それを被ってみい! 自分はハチャメチャに強化されるで!」


「よっしゃー! 行くぜ!」


 レッドがリーゼントのカツラを装着すると、赤い光が溢れ出す。特攻服風のスーツは裾が長く伸び、リーゼントは真っ赤に染まった。


「ハシレッド! リーゼントカスタム!」


「なんだその見た目はあ? そんなんで俺様に勝てるってのか?」


「やってみなきゃ分かんねーだろ! 次は5のペアを狙うぜ!」


「神経衰弱をやめろお前は!」


「じゃあやってみてやるかよッ!」


 ケイシマンがレッドに向かって走り出す。レッドは微動だにせず、ただケイシマンを待っていた。


「食らいやがれッ!」


 ケイシマンはお得意のランニングマシンを振りかざし、レッドに叩きつける。するとレッドのリーゼントが伸び、ランニングマシンを弾き飛ばした。


「なあ!?」


「さあ、トドメだぜ! 暴走! リーゼントクラッシュ!」


 レッドのリーゼントは巨大になり、太く長い鞭のようにしなる。そのままリーゼントはケイシマンに向かって行き、それを食らったケイシマンは空の彼方へ吹っ飛んで行った。


「ぎゃああああああ!! 体作りの基本はプロテインよりも食事と牛乳だあああああ!!」


 やけにためになる断末魔を上げ、ケイシマンは空中で爆発。無事レッドはケイシマンに勝利することができたのだった。


 だがハシレイ、あいつはいつの間にこんなリーゼントを作っていたんだ……?

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