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フラーウスの滅亡はあっけなかった。とてもとても。
スパスパと王族の首が落ちておしまいだ。
後、残っているのはトパーシオン王女だけだけれど、彼女はニゲルの戦争が決着しないと帰ってくる気はないらしい。
情報が行けば急ぎ帰ってきたのかもしれないけれど、そうならないように女木達の部下が頑張っていた。
トパーシオン王女まで一網打尽にするよりも、不安要素を排除して確実に落とす方を選択したという事だ。
落としてしまえば、捕らえることは難しくないだろうし。彼女の性格を考えるに、逃げ回る可能性も低いだろう。
これでフラーウスは一段落。
「それじゃあ、ニゲルに行きましょうか」
「わかりました」
ルルスと短くやりとりをして、ニゲルに向かう。
一つの国の終わり。ウィリディスの時やルベルの時とはまた違った幕引き。
世界崩壊とは関係がないところではあるけれど、なんだか世界崩壊を暗示しているような雰囲気がある。
世界崩壊の暗示って言い出したら、僕の存在がまさにって感じだけれど。
僕が世界を崩壊させるわけではないけれど、世界崩壊の時にふらりと現れた存在ではあるから。
そんなことが続くと、いつの間にか世界崩壊は僕のせいだとなっていくのだ。
逆なのに、世界崩壊があるから僕が働かないといけなくなったのに。
なんて。
今後も僕がこうやって働くかもわからない。そもそも世界が崩壊するのだから、僕の存在を知る者は居ないはずだ。
居るとしたら、それこそ世界崩壊間近の世界に転生する事を強いられた上に、記憶も残って居るみたいな、何の地獄かわからない仕打ちを受けている人くらいだろう。
ああ、今日も、天気が悪い。





