表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫌われ者始めました〜転生リーマンの領地運営物語〜  作者: くま太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/199

ジョージ、空を飛ぶ?

作者からのクリスマスプレゼント?クリぼっちな皆さん、作者はこの時間仕事で、トナカイになってます。天空恋人やパートナーがいる人でクリスマスイブにこの小説を読む人はいないでしょうし

 イジワール公爵、爺ちゃんの政友でありオリゾン有数の実力者。数的には少ない奴隷反対派が推進派と互角に渡り合えているのは、この二人の力が大きい。主な収入源はイグニス荒野で取れる火の魔石。火の魔石は暖房や煮炊きにも使われるので、魔石の中でも需要はトップクラスだ。


「いよいよ来週はイグニス荒野に出発だな。餓鬼共を引率するんだから、油断するんじゃねえぞ」

 ドンガもカリナもまだ中学二年生だ。何かあったら親御さんに合わせる顔がない。


「入り口付近で戦闘をしますよ。あそこは奥にいったらやばいのがいますし…どっちにしろ、イジワール領に行くだけでも一週間近く掛かりますから、実際の戦闘回数は少ないと思います」

 学校には三人分の休み希望を出しているし、移動の間は政務から解放される。ここぞとばかりだらけてやろう。

 イグニス荒野には、火炎属性の魔物が多く住んでいる。入り口付近には現れるのはメイジゴブリン・フレイムスピリット・ファイヤーウルフ等。特にファイヤーウルフは集団で現れるし、素早さの値が高いから注意が必要だ。ゲームでは遠吠えで仲間を呼んだけど、実際はどうなんだろう…昔、某国民的ロールプレイングゲームで、一時間位マドハ○ド狩りをしていた時に、停電が起きて頭が真っ白になった事があった。

 中間層にはフレイムオーガ・火炎牛・ファイヤーリザードが現れる。中でもファイヤーリザードは三メートル近い体長を持つ上に、炎も吐くと言う厄介な魔物だ。でも経験値が高く魔石も沢山落とすからゲームの攻略本では狙い目の魔物と書かれている。

 そして奥に行くとフレイムナイト、フェニックス、ナインテール等笑えない位に強い魔物が出るのだ。どう考えても、入り口付近でウロチョロしているのが得策だと思う。


「そこは時間を短縮する方法を用意しといたから安心しろ。課題は中間層の入り口とされている巨大岩に辿り着く事……間違ってもファイヤーリザードと戦おうなんて思うんじゃねえぞ」

 安心して下さい。そんな事、絶対に思いませんよ。とにかく心配性な榕木(あこうぎ)ですから。


「イグニス荒野は見晴らしが良いですから、大丈夫ですよ。六魔枢出現前は魔物も活性化していない筈ですし」

 イグニス荒野に現れる六魔枢はマエストロ・グライツァー。芸術と紅茶を愛する魔族で、物腰が柔らかい理知的な性格。しかし、その正体は火炎の魔神イフリート。

 ある程度ダメージを与えると“この姿は醜いから嫌いなんですけどね……俺の正体を見たからには焼け死んでもらうぜ”の言葉と共に変身する。そしてお約束で言葉遣いも変わります。“なんで体の大きさも変わるんですか、物理的にありえません“って、突っ込むのはやめましょう。

 それとネットに“最初からイフリートの姿で戦えば良いんじゃね?グライツァー乙“って書き込みがあったそうですが、イフリートになると絵画を始めとするグライツァーのコレクションが燃えてしまうからです。それにその方が盛り上がるんです。

 ちなみにグライツァーはイフリートだけあり、全身が炎で包まれている。攻撃しただけで火傷しそうだし、戦闘が長引けば酸欠になってしまいそうだ。

 グライツァーも、勇者パーティーに丸投げにしよう。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 イジワール領にはコーカツ領を通って行くのが定番な筈。しかし、俺の乗ってるゴーレム馬車はなぜかタスク山に向かっている。

「ボルフ先生、どこに行くんですか?ゴーレム馬車だとタスク山を越せませんよ」

 イジワール領に行くには、タスク山を超えてナイテック領を突っ切るのが最短距離だ。何故わざわざコーカツ領に迂回するかと言うと、ナイテック領に問題があるからだ。

領地を通り抜けるだけでも莫大な通行料が取られるし、高価な品を持っていたら難癖をつけられ取り上げられたりもする。その上、お国柄と言うか盗賊が多く、治安も悪い。ゴーレム馬車でナイテック領に入るのは、生肉を身につけてアマゾン川に入るようなもの。盗賊と言う名のワニに丸かじりされる危険性が高いのだ。


「タスク山に向かっているんだから、当たり前だろ……もう少しで待ち合わせ場所だ」

 もうオチが読めた。だってゴーレム馬車の進行方向に巨大なドラゴンがいるんだもん。ちなみに鱗が赤いからアカダマさんだと思う。


「まさか、アカダマさんにお願いしたんじゃないですよね?」

 ドラゴンに乗って移動するのはゲームの定番イベントだけど、リアルでは勘弁してもらいたい。


「流石に察しが良いな。アカダマさんがイジワール領まで運んでくれる。往復で巨大魔石が一個だから安いもんだろ」

 ドヤ顔をする狼男(ボルフせんせい)が憎い。オデットさんは母さんから俺のガードを頼まれている。きっと反対してくれる筈。


「オデットさん、どう思いますか?」


「ナイテック領の治安はますます悪化していますから、私は賛成ですね。新たに魔石を渡す事でドラゴンとの信頼も増えますし、何より戦闘の機会が増えればジョージ様の成長に繋がりますので」

 流石は、永年母さんの護衛をしていただけありドライな判断です。やはり、一番の常識人サンダ先生に期待しよう。


「いやー、子供みたいでお恥ずかしいですが楽しみで昨夜は余り寝れませんでした。空の旅なんて物語みたいですよね。友人に自慢が出来ますよ」

 …駄目だ、サンダ先生の学者スイッチが入ってしまっている。

(サンダ先生、アドレナリンでまくりじゃん。ここから逆転するには子供の涙しかない)

 特にビビりのドンガは反対する筈。


「ジョージ様、雲ってフワフワしてるだか?お日様に近づいたら火傷しないだかね?」


「空の旅なんて、まるで勇者みたいだね。ブレイブ・アイデックのフライングシップも動かないって言うし、王様でも空の旅をした事ないよね」

 でも、予想に反して子供達はワクワクしてました。

(そうか、この世界には飛行機がないから航空機事故の怖さが分からないんだ)

 昔はフライングシップも沢山あったらしいが、魔王ミステリーオとの戦いで製造技術が失われたらしい。


「と、取り敢えず厚着をした方が良いと思うぞ。それとドンガ雲は触れられないから間違っても手を出すなよ」

 どれ位の高度を飛ぶかは分からないけど、ゴーレム馬車の気密性はそんなに高くないから車内は寒くなると思う。


「そうなんだか?ジョージ様は色んな事を知ってるだな」

 俺には異世界の知識があるんだよなんて言えないし、言えても雲が水で出来てるなんて誰も信じないだろう。何より俺がうまく説明出来る自信ない。


「そ、そうか?そう言えばブレイブ・アイデックの乗っていたフライングシップは何で動かないんですかね」


「ブレイブ・アイデックの神使ピュリア様が天空神スカイ様の力を媒介して飛んでたって話だからね。神使様がいないと飛ばないんじゃないか?」

 それじゃ俺がフライングシップを飛ばすとしたら、ミケに乗ってもらわなきゃいけないんだろうか?


(そういや、ネズミを取ってもらう為に船に猫を乗せていたって話を聞いた事あるな…でも、ミケの体型じゃ隙間に入られたらお終いか)

 まあ、ゲームでジョージが持っていたフライングシップはボートに毛が生えたような大きさだから、隙間が出来るスペースなんてないだろうけど。

 反撃の機会を伺っていたら、アカダマさんの方から近付いてきてくれました…そんなに気を使わなくて良いのに。


「皆様、お待ちしておりました。今日は空の旅を楽しんで下さいね」

 アカダマさん今日も紳士です。

(シートベルトも酸素マスクもないけど、覚悟を決めるか…まあ、アカダマさんの背中は広いし、揺れも少ないだろ)

 背中なら、少し位動いても落ちる事はないだろうし。


「それでお願いします。イジワール領まで運んで下さい」

 ボルフ先生の合図と共にアカダマさんが羽を羽ばたかせた。そしてミシリと(きし)むゴーレム馬車。


(う、嘘だろ?文字通り運ぶのか)


「凄いですよ。タスク山の上空を飛んでます」

「ジョージ様、森があんなに小さいだよー」

「凄いや…空って、こんなに綺麗だったんだ。アタイ知らなかったよ」

 皆さん、テンションが高くて良いですね…まあ、俺も初めて飛行機に乗った時は、テンション上ったけど。


「俺はードラゴン。今日も大空を飛ぶ。あの山、あの海ひとっ飛びー。それ、エンヤコリャー、どこいっさー。あの()が待つ山までひとっ飛びー」

 そしてアカダマさん、物凄く上機嫌。

(馬車の耐久性は大丈夫か?…もし、アカダマさんがクシャミしたらどうなるんだ?)

 答えは簡単、どっちも地上目掛けてまっ逆さです。


「さあ、着きましたよ。では一週間後にこの場所でお待ちしております」


「一週間後?予定が短くなってませんか?」

 この流れだと、滞在期間はみっちり戦闘になってしまう。


「色々と政務が詰まってますからね。ボルフ先生と私で相談をして日程を変更したんですよ」

 流石はボーブルの政務の要、サンダ先生。その心遣いが今回は辛い。


「総合商店が落ち着いたら、土と水にも行かなきゃな」

 絶対にゲームより早くフライングシップを手に入れてやる。そして、安全で割安な空の移動手段を手に入れたら、ワノ国に行って米と醤油を輸入するんだ。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺達が降りたのはイジワール領の北端。ここからイグニス荒野までは、普通の馬車なら二日は掛かるらしい。でも、俺達が乗って来たゴーレム車は新型だから半日程度で着く計算になる。


「今更ですけど、他領でゴーレム車に乗るのは不味くないですか?今から普通の馬車に乗り換えた方が安全ですよ」


「安心しろ。コーカツ様が許可をとってくれている。正確にはイジワール公爵がゴーレム車に興味を持ってコーカツ様に頼んだそうだ」

 今、ゴーレム車を使っているのはボーブルとコーカツ領だけ。


「奴隷反対派にだけ売れって事ですね」

 最近、ゴーレム車を売って欲しいとの問い合わせが多い。特に奴隷推進派の貴族から多く届いていた。中には爵位を笠に着た脅迫に近い物もあり、困っていたのだ。情けないと揶揄する奴もいたが、領民の安全を思えば誤魔化すのが精一杯である。


「ああ、人を大勢運べるゴーレム車は、奴隷商なら喉から手が出る程欲しい代物だからな」

 でも、爺ちゃんだけでなくイジワール公爵も後ろ盾に付いていたら強要できる貴族はいないだろう。

(戦闘だけじゃなく政治的にも強くならなきゃな)

 魔族が現れて食糧不足になったらゴーレム車なんて比べ物にならないような理不尽な交渉が来るだろう。今のうちに力を蓄えなくては。

ちなみにジョージを、情けないと揶揄したのは感想でした。消えていたけど

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ