表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫌われ者始めました〜転生リーマンの領地運営物語〜  作者: くま太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/199

ジョージとヘゥーボ

 暖かな春の日差しが窓から差し込んで来て、なんとも心地よい。今は昼休み、領主と中学生というハードな二足の草鞋を履いてる俺にとって貴重な休憩時間なのだ。

 周りではクラスの連中が男女数人ずつで小集団を作り、会話を楽しんでいる。みんな照れくさそうだけど、良い笑顔だ。


(青春だねー。若人よ、青春を満喫したまえ)

 おじさんは昨日も夜遅くまで仕事をしていたから、ゆっくり休ませてもらいます。 

 中学生になると男女の関係が微妙に変化しだす。男女共に、異性の目を気にしだし、モテようと色々と努力を始める。それはお洒落だったり部活だったりと人それぞれだ。

 青い春と書いて青春。クラスメイト達は青春真っ盛りといった感じである。そして俺のクラスメイトには、あの二人もいる訳で…

 

「ジョージ様、ジョージ様は何の部活に入るだか?おではフースボール部に入りたいだ」

 フースボールはオリゾンで人気のサッカーみたいな球技。サッカーとの違いは、魔法を使ったとんでも技がある事。ファイヤーシュートやサンダーシュート、ディスペルガードなんて技もある。テニヌならぬサシカーといった感じだ。そしてフース選手はモテる、人気歌手や貴族の令嬢と浮き名を長すフース選手もいる。


「俺は本業(りょうしゅ)が忙しくて部活は無理だよ。お前も家の手伝いと修行があるだろ」

 第一、魔法が苦手なドンガじゃレギュラーになれないと思う。何より、ドンガはフースボールにあまり興味を持っていなかった筈。


「だどもー。ケイン君がフースボール部に入っただよー。それにフース選手は格好良いだし」

 どうやら、ドンガは恋のライバル(一方的にライバル視してるだけ)に対抗心を燃やしているらしい。でも、ウォールナットはフースボール選手を好きな訳じゃないんだよな。


「ケインはフースボールが好きだからフースボール部に入ったんだぞ。修行を頑張ればボーブル騎士団に入れてやるから」

 騎士団で重視されるのは家柄。これは平時、部下である兵士を養わなければならないからだ。しかし、重騎士だけは家柄を重視出来ない。重騎士に必要なのはがたいの良さと分厚い鎧を着ても戦える筋力。ドンガは身体能力も合格しているし中学卒業相当の知識を身に付けれる。そして何よりも忠義心が厚く重騎士向けだから、引く手あまただろう。


「ジョージ様、僕にはどんな髪型が似合うと思いますか?中学生になったから髪を伸ばそうと思うんですが」

 オリゾンでは髪を伸ばした男性吟遊詩人が少女に大人気だ。しかし、ポッチャリ狸のヴェルデにロン毛は似合わないと思う。お洒落は流行りよりも自分に似合ってるかどうかの方が大切。


「とりあえずカツラを被って鏡を見てからにしろ。それよりヴェルデ、例のサンプルは届いたか?」

 これ位の年の少年に頭ごなしに反対しても意固地になるだけだ。まあ、カツラと書いて現実と読むんだけどね。それにロン毛が許される商人は一部のイケメンのみだ。ヴェルデがロン毛にしたらモテるどころか、クラスの女子から敬遠されかねない。


「はい。歯ブラシと土鍋、それに木炭、それぞれサンプルが届きましたよ。是非、(うち)でも扱わせて下さい」

 

「ありがと。それで買い取り価格なんだけど…」「買い取り価格は既に呈示しましたよね。いくらジョージ様とは言え、軌道に乗るまでは1ストーンも増やしませんよ」

 ヴェルデは恋愛はビギナーらしいが、商人としては遣り手らしい。


「絶対に売れるって、だからもう少し色をつけて」「確かに良い商品です。でも、物の価値はお客様が買いたいと思える値段でなくては売れません。歯ブラシでしたら、貴族用に細かい装飾を施して頂ければ、買値を検討させてもらいます」

 ここは素直にヴェルデの成長を喜ぼう。俺は王都や他の領地に輸出する(つて)を持っていない。それに移送費や宣伝費を考えればギリアム商会に託した方が、得になるだろう…負けるが勝ち、その言葉で納得しておく。

 

「ジョージ様、ドライヤーの試作品が出来たよー。でもー、火の魔石と風の魔石のバランス調整が難しいから値段が高くなると思うなー。とりあえず、サンプルを渡すねー」

 話し掛けて来たのはドワーフ娘リリル・ハンマー。身長は130㎝(本人曰く130・6㎝。この6mmが貴重らしい)とチビッ子である。くすんだ灰色の髪が特徴のスレンダー体型、いわゆるロリッ娘ドワーフだ。しかし、チビッ子と侮るなかれ、その技術力は大人と遜色なく専属契約を結んでいる。


「大丈夫。ドライヤーを売るのは貴族や金持ちの商人に絞っているから。それより魔動ドライバーの進捗状況はどうなってる?」

 

「難しいねー。風の魔石を動力にしてみたけど、力が弱いんだよー。ギア比とか弄ってみるけど諦めた方が良いかもねー」

 ぬう、回せば何とかなると思ったけど、そんな簡単な物じゃなかったか。失敗は成功の元、なんとも便利な言葉である。概念は導入したんだから、いつか誰かが作ってくれるだろう。


「分かった。研究に掛かった費用を請求してくれ」

 リリルから受け取ったドライヤーのサンプルを動かしてみる。調整に手間取っただけあり、丁度いい温かさの風が出てきた。


(温度も大丈夫だし、持ち手も熱くならない。これなら量産体制に入っても大丈夫だな)

 とりあえず母さんやハウスキーパー部門の職員に使ってもらって意見を聞かせてもらう。職員用の大浴場に設置すれば、色々な意見が集まる筈。ドライヤーの調子を見ていると、物凄い勢いで何かが突っ込んできた。


「すいません、そのマジックアイテムを自分にも見せてもらえますか?…凄い…魔石の調整が完璧だ。これは誰が作ったんですか?」

 物凄い勢いで突っ込んできてドライヤーを強奪したのはエルフの少年。


(やっぱりヘゥーボはマジックアイテムオタクか…珍しいマジックアイテムを見ると、我を忘れるのも同じと)

 ヘゥーボ・ディエーラチ。ジョージパーティーの一人で、マジックアイテムの発明に情熱を燃やすエルフの少年。ジョージパーティー唯一のイケメンであるが、残念な言動が多く人気投票でドンガに負けていた。


「作ったのは僕だよー。でも、アイディアを出したのはそこにいる無茶振り領主のジョージ・アコーギ。本当、言うのは簡単なんだよねー」

 リリルさん、耳が痛いです。ちなみにリリルに礼儀は無用と伝えたら、こんなにもフレンドリーな対応になってしまった。


「ジョージ・アコーギ…す、すいません。自分、マジックアイテムの事となると、つい我を忘れてしまうんです」


「別に構わないよ。それより、マジックアイテムの研究開発に興味はないか?良かったら資金援助するぜ」

 研究開発に金が掛かるのは異世界も変わらない。ヘゥーボがジョージパーティーに入ったのも研究費用のパトロンになってもらう為だし。


「良いんですか!?ジョージ・アコーギはケチで無愛想って言うのは嘘なんですね」

 …訂正しようとしたが、ヘゥーボはドライヤーに夢中である。まるで大好きな玩具をもらった子供だ。


「アンタ、相変わらず評判が悪いね。前世で何か悪い事をしたんじゃないの?」

 カリナが悪戯っ子の様な笑顔を浮かべながら話し掛けてきた。前世でした悪い事は、スピード違反位なんだけどな。


「ケチってのは服や装飾品に金を掛けないから(あなが)ち嘘じゃないし、無愛想も貴族のパーティーに出ても、あまり喋らないから言われてんだよ」

 俺は高い服を着ても似合わないし、貴族が好きな詩や踊りの素養がないから会話に加われない。


「本当に貴族らしくないよね。あっ、あの土鍋だっけ?父さんがもう少し欲しいってさ…でも、本当にただで良いの?」


「土鍋料理のレシピを広めて貰えれば、売上拡大に繋がるのさ。お礼ならマッシュポテトを大盛りにしてくれたら嬉しいんだよな」

 カリナの家の食堂は美味いだけじゃなく、安くて量も多い。特にカリナの作るマッシュポテトは俺のお気に入りだ。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ヘゥーボと知り合った。つまりゲームと同じ展開になる可能性が高い。

 キミテは主人公の高校生活とリンクしている。一年の夏休みまでは各ヒロインと知り合う期間。選択肢にもよるが、最後に知り合うのは風属性のヒロイン風継凛。

 長期休みの前には通常の定期試験の他に魔物退治の試験もある。当然、段々と魔物が強くなっていく。卒業試験は、ミスリルドラゴン…もう、学生の試験じゃないと思う。 

 三年を通しての共通イベントは四月は入学式。特に二年目の入学式にはアミが入ってくるから大事である。

 そして六月には体育祭、お約束のダンスもあるがジョージはボッチだ。

 九月の学園祭では武道大会と魔術大会がある。ちなみにジョージは毎回一回戦敗退。

 十二月にはクリスマス擬きの太陽生誕祭。三年の太陽生誕祭では、マリーナがジョージ主宰のパーティーから飛び出して主人公の元に行くと言う鬼畜な展開が待っている。

 一月は新年祭。選んだ願い事で能力がアップしたり、ヒロインとの好感度が上がる。

 二月はバレンタイン擬きのウィンターギフトデイ、ジョージは毎年ゼロで自分で買っていた。

 そして六魔枢は風・火・闇・土・水・光の順番。その他に魔王軍には軍師や主人公の幼馴染みだった剣士もいる。

 いつ帰れるか分からないし、大切な人も増えた…英雄になる気はないけど、魔王軍への対策も立てていきたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ