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みんな大好きB07

「見るがいい。これがレイライトリアクターだ。ガリウス系統のものよりも巨大で、大出力。機関部もこれと同じものがあるが、艦の前方にあるこのコアは、主砲に要するエネルギーを急速に集束し発射するのだ。回転と加速を同時に行える優れものだぞ。いかにアンノウンとて、これを浴びて生きているはずがあるまい」


 確かに、グラディオスの主砲は序盤から終盤まで大活躍だった。


 ガリウスの腹部にある、俺の胸ほどあるレイライトリアクターの何千倍の拡大化した規模。形状も異なる。15メートルほどの円筒の機械だ。複数のタービンがあり、これが回転することで、内部で莫大なエネルギーが生産される半永久機関。ロボットアニメならではの万能機械。


 けど、今はレイライトリアクターよりも聞いておかなければならないことがある。


 幸いなことにデーテルは俺に容赦がない。つまり忌憚ない意見をくれる。カイドウはどこか遠慮しがちだ。なにかを隠すかもしれない。


「副艦長。コンソールが複数あるんですね」


「まぁな。これだけのものだ。複数人で各方面を管理しなければ、正しい運用はできんのだろう」


「………効率が悪いなぁ」


「仕方なかろう。レイライトリアクターを巨大化させることこそ、危険だったのだ。少しでもミスをすれば暴発しかねないほどにな。とはいえ、この区画は特に頑丈にできている。ここで暴発が起きても、隔壁さえ閉めていれば、他の区画に被害が出ることはない設計だ」


「ふーむ」


 そう、まさに諸刃の剣。


 常に危険と隣り合わせなのだ。このレイライトブラスターは。


 やはり初期だからということもあり、より安定して発射できるようになるのは中盤だ。カイドウが色々やってた。


 だが………このままではまずい。


「このコンソールを一体化できないんですかね?」


「貴様、私の話を聞いていたのか? それが無理だから複数の端末と、複数の管理できる人材を置いているのではないか」


「でも、やろうとすれば………できるんじゃないですか? ひとりで操作するのって」


「貴様と話していると、頭がおかしくなりそうだ」


 顔を手で覆うデーテル。聞きたいことはすべて聞いた。俺は無音シャッターを押して、主砲に関連するものすべてを撮影する。これは絶対的な課題だ。ある意味………ビームシールドよりも。


 これをクリアするかしないかで、俺の推し活が停止しかねない。


「システムを見せてもらうことってできますか?」


「それを見て、貴様に理解ができるとは思えん」


「艦長からの評価が爆上がりするかも………」


「おい貴様。そうだ、そこの貴様だ。このゴキブリにメインコンソールを見せてやれ」


 チョロいぞこいつ。扱いやすさはコウよりも上だ。


 いかに嫌われているデーテルといえど、副艦長の肩書きに逆らえはしない。先輩整備士はデーテルを睨み、そして俺を怪訝そうに見ながら、メインコンソールの操作を中断して、代わってくれた。


「どうも………ふーむ。うへぇ。専門用語だらけ。わかっちゃいましたけど」


「おいエース。勝手に主砲まで改造したら、おやっさんに殺されるぞ?」


「しませんよ。()()()


「おいコラ」


 先輩整備士が厳しい目で睨んでくるが、気にしない。隣で俺の作業を見て───監視していた。あとでカイドウになにをしていたのか報告するつもりだろう。それも気にしない。


 主砲に関する考察もあった。


 前世では俺の数少ない友人や、同志も語っていた。主に理系の連中だ。


「………うん、どうも。なにがなんだか、さっぱりでした」


「はは。これで一発で理解できたなら、お前はバケモンだよ。パイロットじゃなくて、ここに配属してくれって俺がおやっさんに懇願してたかもな」


 改造の被害に遭わないと理解した先輩が、朗らかに笑う。失敬な。舐めてやがるな? 絶対に梃入れしてやんぞ。覚えとけ。


「デーテル副艦長殿。ありがとうございました。俺にはまだ早かったみたいです」


「理解したならいい。それよりも早く、例のものを」


「ここでは邪魔になります。移動しましょ。廊下で分かれてから送信しますよ。廃棄しようとしていたブツをね」


 ひとの目が多いのでは、デーテルも気になるだろう。一旦落ち着かせて、無重力区画から重力発生区画に戻り、オペレーションルームに繋がる分岐点で分かれてから、送信。


「な、なんだ………これはぁあああああああああああああ! ゴキブリィィイイイイイイイイ!!」


 数秒後、見ていないはずなのに容易に想像できてしまう発狂ぶりが、通路の奥から聞こえた絶叫を契機に思い浮かんだ。


 なにを送ったかって?


 そりゃ、廃棄しようとしてた編集途中の画像さ。デーテルがシェリーを襲おうとしていた後ろ姿だけを拡大化したものだ。俺はレイシアの写真を送るとも廃棄するとも、一言も言ってないし。


 で、デーテルとの鬼ごっこが始まる。でもこちとらハルモニが使いたい放題だからな。送信ログを消去させ、逃げ続ける。


 騒ぎとなったのでクランドに呼び出されるが、すっとぼけた。


 一方でデーテルは喚き散らすのだが、根拠のない暴論だ。欲しかった画像とは違うだの、詐欺だのと。


 それにデーテルは墓穴を掘りまくる。


「私が欲しかったのはレイシアさんのっ」


「娘が、なんだね?」


「っあ………!?」


 クランドは娘に激甘だし、娘を狙っている男には容赦をしない。


 言い訳に熱が入り始めたデーテルはそんなことも忘れてしまったようだ。


「娘がどうかしたのかね? 言ってみたまえデーテル。それにきみが見せたこの画像………いったい、なにをしようとしていたのだね? 展望デッキのベンチに腰掛けるでもなく、四つん這いになる辺り、誰かに覆いかぶさろうとしているようだが? はぁ………きみは実直で信頼していたゆえに多くの権限を持たせたが、増長させることになったとは。きみが運営する委員会もよくない話を耳にする。よってその委員会の解散を命じる。それと娘のなにが欲しかったのか、はっきり言ってみたまえ。私は何時間でも待てるぞ。………ああ、エースは下がっていい。有休消化中に呼び出してしまって済まなかった。あとの処理はこちらで行う」


 やりますねぇ、クランド艦長。


 これでデーテルの親衛隊みたいだった、艦内の風紀と治安維持を目的とした委員会とやらは事実上壊滅に追い込まれた。


 デーテルも大きく出れない。しばらく放置してもいいだろう。


 本編にはなかったお役目ご苦労さん。


5回目です!

次回は19時頃を予定しております!


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなどのありがたい応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

誤字脱字報告、ご質問も大歓迎です!

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