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風車

作者: 奈月ねこ
掲載日:2018/05/13

ひだまり童話館「くるくるな話」参加作品です。

僕もいつかは……




僕は小学校三年生。遊ぶのは大好き! タイヤを跳び箱みたいに飛ぶのも、ジャングルジムも、うんていも好きだ。

でも、ただ1つできないものがある。それは鉄棒。

体操の選手が鉄棒を回っているのを、僕はテレビで食い入るように見つめる。


あんなふうに回れたら気持ちいいだろうな。


僕たちの小学校で体育の授業ももちろんある。鉄棒も。順番に逆上がり。僕も逆上がりくらいはできる。

でも僕がやりたいのは、「風車」。

足を鉄棒でまたいでくるくる回る。だから、「風車」。


休み時間になると、みんな校庭に出て遊び始める。


「功太! 来いよ!」


呼ばれた先には友達と鉄棒。


どうしよう。


「功太ー!」


よし! やってやる!


「今日は風車だ!」

「え、お前できんの?」


僕が言うと、友達はびっくりしている。


「できるよ!」


僕は鉄棒にまたがった。


くるん、どさっ


「できねーじゃん」


僕はくやしかった。次はできるようになりたい。

それから僕の特訓は始まった。放課後、みんなが帰ったあとに、風車の練習をした。


「ダメだ……」


僕は泣きそうになった。


「諦めるの?」


いきなり頭の上から降ってきた声。

僕が顔をあげると、夕日を背にしたお兄さんが立っていた。


「あきらめるわけじゃないよ。今日は終わりってだけ」


僕は強がりを言った。


「教えてあげようか」


お兄さんは僕に言った。


「できるの?」

「出来るよ」

「さあ、鉄棒を握ってまたがって」


僕はお兄さんに言われるままに鉄棒にまたがった。


「押すよ。そのまま手を離さないで」


お兄さんは僕を押した。僕はびっくりしたけど、鉄棒を離さなかった。するとお兄さんが下から僕をくるんと押し上げてくれた。


「出来るじゃん」


僕は一回回れた!


「お兄さん、もう一度!」

「いいよ」


おなじように僕はくるんと回った。その勢いで二回回った。


「やった!」

「良かったね。じゃあね」

「お兄さん、ありがとう!」


そのつぎの日の休み時間。


「鉄棒やろう!」


僕は自分からみんなを誘った。


「功太、風車できねーじゃん」

「できるよ!」


僕はお兄さんに教わった勢いでくるんと回った。


「功太! すげー」


やった! 僕にもできた!

僕はじゅうじつかんっていうの? それにつつまれて家に帰った。そしてテレビをつけると、体操の大会をやっていた。


「あ!」


僕に風車をおしえてくれたお兄さんがテレビ画面に映しだされた。お兄さんは鉄棒をくるくると回って着地した。


「すごい!」


あのお兄さん、体操の選手だったんだ。

また会えるかな。

僕はテレビに向かって言った。


「ありがとう!」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 私も小学生の時、逆上がりができなくて何度も練習を頑張った思い出が甦りました! 頑張る少年に奇跡のような出会い♪ ほっこりしました。ありがとうございました(^-^)
[良い点] 拝読させていただきました。 子どもの頃、近所の公園で必死になって練習したのを憶えています。それこそ、手が鉄の匂いですごいことになるくらい。お陰で逆上がりや「風車」とか得意になりました。 …
[良い点] 鉄棒って、頑張って練習すると手の皮がむけちゃったりして、 しかも身体は重いし、なかなか思い通りにならなくて大変な競技ですよね。 一生懸命練習していても、なかなかできないと 「今日はここま…
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