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拠点出来たしおウチ帰る

「魔王様、このお城中もこだわって作ったんですよ、是非是非見てください!」


「わぁ、楽しみ!見る見るー!」


 スライムに城内を案内されるて足を踏み入れてみれば、切り出したばかりの木の安らかな香りに包まれ、色こそないが磨き上げられた美しい空間が広がっている。


「まだ装飾とかは出来ていませんが、お風呂に寝室、武器庫に牢屋と色々作っちゃいました!」


「そんなに作ったんだ!?スライムちゃんが居れば城だけじゃなくて町とか作れちゃいそう。スライムちゃんは凄いねぇ」


 何度めかの愛撫にスライムは誇らしげな表情を浮かべている。


「町ともなると流石に時間も資源も必要になりますが、もしご所望ならば頑張っちゃいますよ!」


「頑張らなくてもいいんですよ!スライムばかり魔王様に褒めてもらうようなことは私が許しません!」


「えーいいじゃないですかぁ、サキュバスは戦闘、私は環境作りで分担出来てるじゃないですか」


「それはそうだけど!」


「まぁまぁ落ち着いて家来たち」


「魔王様はどちらがいいんですか!私とこのチビスライムと!」


「乳がないほう」


 何かが割れる音がした。遠回しにスライムと言われてサキュバスは心が砕けて声にならない声をあげた。


「魔王様!私よりこんな年端もいかないロリスライムをお選びになるのですか!何故!何故!?」


「持たざるもの同士だからだよ」


「÷…⁇»¤‾‡+№‘™<£!!!?」


 叫びと悲しみでサキュバスは言葉にならなかった。

確かにサキュバスはスライムやメルルに比べて倍以上の乳であるが、そんな理由で負けたことに嫉妬と悲しみ、怒りが混ざって訳のわからないことになっている。


「ていうか、どうしたのそんなカリカリして。生理?」


「魔王様の卵細胞ー!」


「ダメだ、サキュバスが壊れた」


 乱心のサキュバスを宥めながら、引き続き城内を見て回った。

スライム自慢の内装を見ながら、時折スライムを褒めて、そのたびにサキュバスは白目で奇声をあげている。


 大方中を見て回ると三人は城から出た。一度魔王の城に戻り、次の侵略を考えることにした。

外に出ると何か違和感があった。

さっきまであったものが無い。


「魔王様!勇者がいません!」


「ん、ほんとだ。逃げたかな」 


「魔王様!森の中に複数の足跡があります!おそらくは王の手のものに奪還されたと思われます」


「マジか。でも、追いかけるのも面倒くさいな。逃げたってんなら、もうしばらくはここに戻ることはないだろうし、ほっとこ」


「よろしいのですか?」


「あんな雑魚勇者興味ないしさ。今は泳がせとこ」


「かしこまりました。では、魔王城へ戻りましょう」


 サキュバスはメルルを抱えて空へと舞い上がった。


「じゃ、スライムちゃん拠点はよろしくね。何かあったらまた呼んでー」


「はーい!魔王様ありがとー!」

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