英雄気取り
リカードが、セシリーを救出すると、有無を許さぬ口調で言った。
「私はミカエルドに大切な者を奪われて来た・・マグダレーナ、セシリー、エルンストも、裏に奴の影があるに、違いない 奴は私が憎いのだ・・あの時私は、奴の体に・・暗殺は仲間の裏切りに、よって失敗したが・・その時ミカエルドは 大怪我をした・・暗殺の首謀者である私から何もかも奪い去る気なのだ・・私は殺さずジリジリと私を苦しめるために・・」
リカードが苦悶の表情を浮かべた。 「ミカエルドと言う奴を暗殺しに行こう。そいつが白い虚無の正体だ・きっと こっちには、凄腕の侍、フウマさんとツキハさんがいるよ。僕たちで、この世界を救うんだ」
デトレフが勇ましく言った。 「拙者も、そいつが白い虚無というものならば、倒しに行くでござるよ、アステル殿と皆とこの世界を守るでござるよ」
「兄者が行くと言うのなら俺も行くぜ・・五秒で瞬殺さ」 「僕も、銃の名手なんだ・・今、この力で世界を救う・・・」 デトレフが言いかけた時だった。
「この馬鹿者共が!」
ヨランダが一喝した。あの温厚なアイリスハート先生が・・女学生達は驚いている。
「お前たちは、何もわかっていない・・本当の白い虚無の正体も皇帝ミカエルドの底知れぬ闇を、今のお前たちでは、束になっても勝てない・・英雄気取りで若い命を、無駄にするでない。」
「・・わかるじゃろう・・アステル・・お前は・・命の大切さを、戦の酷さを」 ヨランダはアステルの瞳を見つめた・・淀みのないエメラルドグリーンの瞳 どこか、平和な森林を思わせる瞳を。
アステルは無言で頷いた。
「じゃあどうすればいいのです・・ミカエルドの暗殺は無理でも、セシリーを救出するには」 「リカード君ワシにいい考えがある・・少し恥ずかしい思いをするが良いか?」 「はあ?」
リカードは首をかしげた。
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