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異世界序列のシムワールド ~玄関開けたら2分で半壊……しょうがないから最下位から成り上がる~  作者: タック@コミカライズ2本連載中
第四章 神槍精製

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68話 ミステリアスな美女ほど、逆に……(ぼっち)

「ちょっと他の食材も探しておくから、みんなはサンドイーターを持って先に帰っててくれ」

「は~い! ごっはん~♪ ごっはん~♪」


 ──3人と別れ、俺は1人になった。

 これだけ見晴らしの良い砂漠だ、誰かに見られているという事もないだろう。


「さてと、挨拶はなんてすればいいかな……」


 俺は久々にユグドラシルオペレーター──ミーミルを呼び出す事にした。


『映司様、お久しぶりです』

「よっ、久しぶり。ミーミル」


 宙に浮くウインドウには、金髪ウェーブの美女の顔が映し出されていた。

 首から下が映っていないのは、前回聞いた理由(真の姿)からだろう。

 あまり思い出さないようにしよう。


『てっきり、最近は呼び出してくれないので、私の事をお嫌いになられたのかと』

「そんな事は無い。ちょっと軽々しく呼ぶのはどうかな~と思い直しただけで、十分に感謝してる」


 距離感を感じさせるのも何だなと思って、少しフランクに話してみている。


『そうでしたか……。では、今日はそれ程までに重要な用件が』

「ああ」

『イーヴァルディや、グングニルの事でしょうか? あまりお話しできる事は──』


 やはり、聞きたい事を聞こうとしても、それはユグドラシルが許可しないで通されてしまいそうだ。

 これは予想していたため、今までも頼るのを控えてきた感じだ。


「いや、今日はそんな些細な事じゃない」

『……すると、ついに死者の館(ヴァルハラ)の条件を満たすために──』

「──食べられる草を教えて欲しい」


 沈黙。

 何かミーミルが重要っぽい事を……言おうとしていたのを遮ってしまった気がする。

 ここは聞き直した方がいいのだろうか。


「──う゛ぁっ」

『──くさっ』


 かぶった。

 二人で同時に喋ってかぶった。


『……お先にどうぞ』

「ミーミルが言おうとしていた死者の館の条件ってなんだ?」

『何か私の予想と全然違ったのでもういいです……恥ずかしいので忘れてください』


 非常に申し訳ない気分になってきた。

 だけど、俺は本気である。


「それじゃあ、ここらへんで食べられる草を教えて欲しい」

『あの、映司様はもしかして草マニアであらせられやがりますか?』


 ミーミルの口調がちょっと恐い。


「えーっと、草と言っても肉の臭い消しになる香草とか、添えられる野菜とかかな」

『……なるほど。先ほどのマンイーター用ですね』

「そうそう、ってマンイーター?」


 マンイーターって、名前的に何か……。


『あ、こちらではサンドイーターという呼び名でしたね』


 かなり食欲が失せてしまう別名だ……みんなには伏せておこう。


「ついでに、サンドイーターに適したレシピとかも教えてくれると助かるけど……さすがに細かすぎてユグドラシルに答えられるかどうか」

『大丈夫です。私も良く、その肉料理を一人で食べにいきますから。個人的にお答えできます』


 あ、さらっと一人でとか言ってる……確かに友達が少なそうな気はするけど。


『サンドイーターの股肉辺りは、地球で言えば牛肉の──』


 普段のミステリアスで事務的な感じでは無く、活き活きと語り出してくれた。

 あのミーミルにも、好きな物とかあって、誰かに話したくなるような気持ちを持っているのだろう。


『保存用としてはベーコンやハムとかも──』

「ミーミル」

『あ、はい。申し訳ありません。少々、饒舌になりすぎてしまいましたね』


 俺は、それが少しおかしく、笑ってしまった。


「ありがとう」


 笑いながら言ってしまったが、ミーミルに対しては失礼になってしまっただろうか?


『い、いえ!? お、おおおお役に立てたのなら光栄です!?』


 急に画面の向こうでしどろもどろになるミーミル。

 あ、知ってるこの反応。


「今度、一緒に何か食べに行こう」

『は、はひ』


 ぼっちが急に話しかけられた時の反応だ!

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