表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界序列のシムワールド ~玄関開けたら2分で半壊……しょうがないから最下位から成り上がる~  作者: タック@コミカライズ2本連載中
第四章 神槍精製

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/180

65話 金は命より軽い(ドヴェルグ脳)

「いやぁ、まさか魔神様がイーヴァルディの息子様に会いに行く途中だったとは。あ、俺はケンって言います」

「ええと……。ケンはルーン文字のアルファベット(フサルク)で言えば六番目、火や情熱を意味しますね。良い名前です」

「へへ、ありがとうお姉ちゃん。妹も同じルーン繋がりでさ、カノって言うんだ」


 ドヴェルグの少年──ケンは、イーヴァルディの庇護下ひごかで生活をしているらしい。

 他にも身寄りのない子供達を一手に引き受け、住む場所まで提供しているとか。

 意外と良い奴なのかもしれない。


 交渉次第では何とかなりそうだ。


「ところで、イーヴァルディの息子って、名前は何て言うんだ?」

「イーヴァルディの息子が名前です」

「……なるほど」


 こちらでいう何とかジュニアみたいなノリなのだろうか。

 そんな雑談をしながら、微妙な明るさの街を進んで行く。

 光源が真上からの太陽でないため、どこか陰気な雰囲気を感じさせる。


 所々に突き出ている光る鉱石や、ランタン等だけで生活しているのだろうか。


「ねぇねぇ、エイジ……」


 横を歩くフェリが、俺の肩をつついてくる。


「ん?」

「何か食べないの? 食べる? 食べよう?」


 すっかりと忘れていた。

 街に着いたら何か食べようと言っていたんだった。

 食べ物の事でフェリに嘘を吐いた場合、世界が崩壊する。


 早急に解決しなければならない。


「な、何か食べるか! ケン、ここって金貨は使える?」

「一応換金できますけど……さっき見た程度の金貨では価値としては微妙ですね。スって中身を見た後、無駄足だったと思ったくらいです。えと、価値基準としては──」


 ケンが説明してくれた。

 どうやら、鉱物的なものがここの通貨になっているようだ。

 俺達の感覚の金貨は、ここだとミスリルが該当する。


 他にも稀少な物だとオリハルコンや、龍骸石? など。


「まさか、万能の価値を持つと思っていた金貨が通じないとは……。しかもミスリルとかオリハルコンが本当に実在してるとか」

「あれ? そちらの世界では架空の金属だったんですか?」


 不思議がる少年。


「映司さん。これは異世界から話だけ伝わってきて、地球には現物がきていないケースですね。割とあるんです、この手の話は」


 解説を入れてくれるランドグリーズ。

 さすが異世界から来た戦乙女である。

 ……ん? 待てよ。


 ここでは金が安い、つまり──。

 俺はひらめいた。

 風璃がやっていたような感じの事を。


「なぁ、ここで金を安く買って、他の異世界で高く売れば──」

「製品ならまだしも、直接の素材での輸出入は止めておいた方がいいです。風璃の場合は特例中の特例で、大体の場合はやっていない理由があります」

「え、いや、でも」

「ただでさえ、ここの管理者との意思疎通の難しさをですね……」


 ……どうやら俺には商才がないらしい。

 異世界の常識というやつは難しい。

 たぶん、ランドグリーズに止められなければ、また何かやらかして大惨事になっていたような気もする。


「そんなに落ち込まないでください。映司さんには映司さんの良い所はあるし、こういう事は風璃とオタルさんに任せた方が適材適所ですから」

「そ、そっか」


 何かフォローされてしまった。

 俺の良い所。

 顔だろうか、頭だろうか。


 ふふ……。


「エイジ、そんな事よりご飯……」

「そんな事って、フェリ。……俺の良い所百選を考えていたのに」


 この食いしん坊の中では、ご飯の比重はかなり重いらしい。

 まぁ、俺も食は大事にする方だから、気持ちは分かるが。


「うーん、現状からするに──」


 ランドグリーズがまとめに入った。


「手持ちでは心許ないので、イーヴァルディさんのご自宅へうかがってたかりましょうか」


 うん、良いまとめだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ