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第八十九話:墓荒らしと女好き

第八十九話です。


よろしくお願いします。


勇者だらけ(´∀`)

 

 ディライトが自宅に戻る途中、ふと人影が動いた様な気がしてウェイン墓地を見た。

 やはり何人かが墓地にいる様で、その事にディライトは以前にあった墓荒らしがまたあるのかと苛立ちを隠せない。

 今は冬だからまだマシだろうが、以前に墓荒らしがあった時は夏だった。

 おかげで彼はしばらく部屋の窓を開けられず、蒸し暑い最悪な熱帯夜を何日も味わう事になったのだった。


「ちっ……また墓荒らしか? 俺んちの近くでそういうのはやめて欲しいな……面倒だから」


 普段の彼なら面倒事さ無視して家に帰っていたかもしれない。

 だが、墓荒らしに恨みがあった今日の彼はウェイン墓地へと歩き出した。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「リークの墓が入り口になってるとはね」


「罰当たりな野郎だ……祟ってやる。今すぐな」


 とりあえずリークの墓から調べて見たところ、一発で当たりだった。

 彼の大きな墓の裏から魔力を感じたマリアに言われ、エリザがリークの許可をえて消失魔法で墓の一部ごと地面を消しとばすと、地下へと続く階段が現れた。


「よし、行くか」


「待ちな」


 驚いて振り返ると、銀色の鎧を着た男が立っていた。

 黒い髪が風に靡いている。

 街灯に照らされたその瞳は真っ直ぐにバーンを見つめ、その眼差しは明らかに敵意を向けていた。


「誰だお前は?」


「墓荒らしに名乗る名前はねーよ。痛い目に遭いたくなかったら大人しく降伏しな」


「何の話だ? 俺達は……」


「だったら問答無用だ、罰当たりども」


 次の瞬間、彼の手にいつの間にか二本の剣が握られる。

 そのまま大地を蹴り、ディライトはバーンに向けて駆け出した。

 ラグナロクを抜いたバーンに、ディライトは二本の剣を投げつけるが、それをラグナロクで弾くと、剣は跡形も無く消え去ってしまう。

 ラグナロクで弾かれた剣はディライトが創造魔法で創り出した剣だった為、触れた瞬間に消えてしまったのだった。


「……なんだと? 何しやがったのお前」


 ラグナロクを知らないディライトは警戒を強め、何か特殊な力を持つと感じて再び距離をとった。


「バーン様、この人がひょっとするとディライトでは?」


「……ちょっと待て、バーン? あんたが噂の勇者かい?」


「ああ、バーンだが……お前はディライトか?」


 ディライトは戦闘態勢を解く。

 バーンも剣を納め、ディライトと向き合った。


「ああ、俺がディライトだ。つーかどういう事か説明してくんない? こんな真夜中に勇者が墓地で何してんのか」


「分かった。ちょっとついて来い。行きながら話す」


 バーンはディライトを連れてリークの墓の裏に回ると、ディライトが穴を見て唖然としている。


「おいおい……リーク様の墓を……なにやってんだよ」


「いいんだよ。俺が許したんだから」


「はぁ? あんた何様……リーク様? えっと……頭痛い」


 頭を押さえるディライトを連れて、バーン達は地下へと下りていった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「マジ……? この国終わってるー……」


「残念ながらマジだ。ついでだからお前も手を貸せよ」


「はぁ……やっぱり家に帰ればよかったかな。でもまぁ、若い乙女を穢す奴らを許しちゃおけないね……」


「なんだかすごいパーティになったな。相手が可哀想になっちまう」


 リークの言う通りバーン一行に加え、リーク、ディライトと勇者クラスが五人以上というかなりすごい事になっていた。

 彼らが地下へと続く階段を下り切ると、先の見えない長い通路が現れる。

 灯りもないのでシェリルに火魔法で先導して貰った。


「ちょっと待って……あんたシェリル? 序列二位の。んでこっちはエリザか? あんたも知ってる〝魔拳〟のマリアだろ?」


「そうですわ。初めましてディライトさん」


「よろしく頼む」


「あ? 知ってんのか? よろしくー」


 どうやら女好きな彼は美人の冒険者に目を付けていたらしい。

 ディライトは再び頭を抱え、今度はバーンを恨めしそうに睨みつけた。


「てんめぇ……美人ばっかり……あ、この子も? 君名前は?」


「ア、アリスですっ」


「……かわいい。あの、俺と……」


「殺すぞ」


 バーンから殺意が漏れる。

 あまりの殺気に、ディライト以外まで反応してしまうほどだった。


「……すいませんでした」


「アリス、コイツに近づくな。ケダモノだこれ」


「バーン様も人の事は言えませんわ」


「ほっとけ」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「鋼鉄の扉か……エリザにやって貰うとして、中がどうなってるのか……あ」


「アリスの魔法を使えばいいじゃん」


「ふふふ! お任せ下さい! 白銀魔法! 〝導きの守護聖獣(シルバーカーバンクル)〟!」


 アリスの手からぽんっと音を立て、カーバンクルが現れる。


「か、かわいいですの……」


 リリンは初めて見るカーバンクルに目をキラキラさせ、思わず抱きしめた。

 魔力で創り出された使い魔だが、ふわふわしておりリリンは頬ずりをして恍惚の表情を浮かべる。


「リリン、後でまたさせて貰いなさい」


 リリンはクロアに言われ渋々カーバンクルを手放す。

 後で触らせてあげるねとアリスに言われるとニコッと笑っていた。


 キンッ


 エリザの消失魔法が鋼鉄の扉にカーバンクルが通れる穴を開ける。

 アリスはカーバンクルに命じ、穴から中に侵入させた。



 果たして中には一体何が待ち構えているのだろうか。


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