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パンと弾丸とダンジョンと  Ꮚ・ω・Ꮚメー(パンは銃より強くておいしい)  作者:
暴神チャンネル

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57/81

Ꮚ・ω・Ꮚメー(57:単独行動はお控えください)

「今わかってる情報で判断するとそういう結論しか出ないってだけなんで、本当は別の深謀遠慮とかがあるのかも知れないッスけど……現状はやっぱり爆神チャンネルがアホって解釈しかできないッス。前からバイタルっていうか、打たれ強さだけクソ高くて、何度自爆して炎上しても全然懲りずに同じようなトラブルを繰り返すってことで有名みたいなんスよ」


 メェ(そうすると、黒幕も頭を抱えている可能性が考えられるか)


 ホームズの言葉に、皆頃シオンは「はい」と相づちを打ちました。


「危機管理のために抹殺されてしまうことを危惧しています。今も所在を探ってはいるのですが、特定に至っていません」


「爆神暴鬼を拘束するんでしょうか?」


「誘拐になってしまうので、そこまでするのは難しいのですが、監視と警護は必要だと判断しています」


 メェ (直接保護を申し出ると言うのは……難しいか)

 メメェ(爆神暴鬼の人格を考えるとな)

 メエェ(あとでまた面倒な配信をやりかねん)


「はい、直接接触を持つのは極力避けたいと考えています」


「めんどくさいことになる予感しかしないッスからね」


 皆頃シスターズは頭の痛そうな顔で言いました。


「『ダンジョンエクストリーム』のほうはどうなるんでしょうか?」


「言いがかりをつけられているだけですので、予定通り収録を続けていく予定です。もちろん、おふたりのご意向次第なのですが」


「私は問題ありません。ここで降りた方が厄介なことになるでしょうから」


 群馬ダークはためらう様子を見せず言いました。


「私も大丈夫です」


 私のほうは食事当番という立場なので抜けても抜けなくても外部からはわからない気がしますが。


「ありがとうございます。本当ならお二人の身柄も保護させていただきたいところなんですが。群馬ダークさんの場合農場がありますよね?」


「そうですね、あまり長く外には出るのは避けたいです」


「今日のところは私達が警護役として農園近くに詰めさせていただきます。明日以降は、信頼できる冒険者を手配しておきます。恐縮ですが、今夜はソルさんも一緒に居ていただくことは可能でしょうか?」


「ソルちゃんをうちに泊めろってことでしょうか?」


「はい、警護上の都合になりますが、お二人で同じ場所にいていただくと色々とはかどります……助かります」


 皆頃シオンのはかどります、のところで皆頃シエルが「なに言ってんだオマエ」というような表情を見せました。


「うちは大丈夫ですけど、どないする?」


「わかりました。ご迷惑をおかけしますが、ご厄介になります」


 知り合いの家に泊めてもらう、というのは初めての経験になりますので、なんとなく緊張してしまいますが。


「今日のところはこんなところですね。また動きがあったら順次ご連絡します」


「このまま皆で農場に戻る感じに?」


「そうッスね。納屋かなんか貸してもらえれば」


「三人くらいなら普通に泊められますよ」


 そんな話をする三人に「すみません」と声をかけました。


「少し、別行動を取らせていただきたいんですが、大丈夫でしょうか?」


「どこか行くならお付き合いするッスけど?」


「例の爆神暴鬼の所在について、調べられる団体に心当たりがあるんです。ただ、地上のネットカフェに一人で入らないと連絡が取れなくて」


「どういう団体かうかがってもよろしいですか?」


 皆頃シオンが言いました。


「地上のインターネット網や電力網復旧の技術指導をしているIRKという団体です」


「技術結社と接触を?」


 皆頃シオンは驚いたように言いました。

 IRKはアンデッド災害発生前の電力網やインターネット網、インターネット関連文化の復活を目指すエンジニアによる秘密結社です。

 秘密結社なのに名前が知られてしまっていますが、存在そのものではなく構成員の素性などを明かさないタイプの秘密結社なので、そこは問題ないそうです。


「はい、奨学兵団に居た頃にIRKのインフラ復旧作戦に参加したことがきっかけで」


 もう少し細かく言うと、私が東京に来るまでの交通手段などを用立ててくれたのもIRKです。アンデッド因子感染症に罹患し、即時殺処分になりかけたところをIRKの介入で難を逃れ、東京大迷宮に向かったと言うのが、私が東京大迷宮に来るまでの経緯となっています。


「彼らならば、爆神暴鬼の所在を特定できるはずです」


「なるほど……けど、ううん、地上ッスか……」


 皆頃シエルは唸るような声をあげました。


「治安的に心配なんで地上での単独行動はやめて欲しいんスけど……頭ごなしにダメとか行くなって言える権利とかはないんスよね……うーん……ネカフェの前まで一緒に行くって感じだとダメっスか?」


 東京大迷宮にはモンスターは出ますが、アンデッドの類は出ませんし、犯罪行為の類も厳しく取り締まられています。

 対して地上にはモンスターは出ませんがアンデッドは出ますし、強盗や暴漢、武装暴走族や迷惑系配信者などが蔓延っています。

 モンスターにやられてもリスポーンできる東京大迷宮よりも地上の方が圧倒的に危険、という認識なのでしょう。


「ひとりでも大丈夫だとは思うんですが」


 ちょっとネットカフェに行くだけです。


 メェ (そこは素直に受けたほうがいい)

 メメェ(別行動をしても心配させるだけだ)

 メエェ(じっと連絡を待つ方がストレスになる)


「わかりました、本当に無駄足になってしまうかも知れませんけれど。お付き合いいただけますか?」


 とりあえずメールを一本打って、返事がなければ手ぶらで引き上げ、となる可能性も考えられるので申し訳ない気もしますが。

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