Ꮚ・ω・Ꮚメー(43:ゾディアックウェポン)
双魚宮のシャークトゥースシャベル
双魚宮のゾディアックウェポンの一つ。
竜喰らいの大鮫の歯に柄を取り付け、スコップ状に仕立てたもの。
一掘りで大地を咬み裂く。
レアリティ:エピック/ゾディアック
品質:最高
必要素材:
星石♓
レア・最高品質以上の水属性宝飾品
レア・最高品質以上の武器・道具用木材
レア・最高品質以上の武器・道具用金属
必要生産スキルレベル:
道具製作(8)
武器製作(6)
魔石加工(8)
木材加工(6)
金属加工(6)
装備効果:
大鮫の水牙
スコップスキル強化(+3)
穴掘りスキル強化 (+3)
ストレンクス (大)
水属性攻撃強化 (大)
水属性防御強化 (大)
所持効果:
このアイテムの所有者はアークシャークから攻撃を受けない。
この効果は売却・譲渡、アークシャークへの敵対行動をすると喪われる。
大鮫の水牙というのはスコップのブレード部分を流体化させて伸ばしたり拡大したりする機能で、通常の物理ダメージの他水属性の追加ダメージが発生するそうです。
ネット風にいうと、だいぶ『壊れた』性能に見えます。
材料にある水属性宝飾品、武器・防具用木材は、深淵珊瑚とミストルティンの枝を使えば良さそうです。
金属についてはバザールに出回っている上質なミスリルなどを使えば条件を満たせるでしょう。
刀剣や弓矢などと違って、スコップならば使い慣れた道具でもあります。
メェ (なかなかいい)
メメェ(スコップとしては最高峰の逸品だ)
メエェ(レジェンダリーにスコップはないからな)
「それでいいのか?」
「そうですね、生産者を探さないといけませんけれど」
「このレシピならこちらで加工できる。使えそうな金属はあるか?」
「いえ、バザールで買わないといけません」
「ならばこちらの手持ちを使おう。医療用ミスリルでいいだろう」
そんなことを言った背脂所長は、アイテムボックスからミスリルのインゴットを出すとスラコンの体の中に差し込みました。
テケー。
スラコンの体に入ったインゴットが白く泡立ち、そのまま溶けるように消えて行きます。
「他の材料をスラコンの体に入れてくれ」
いきなり製作を始められてしまいました。
「代金はどれくらいになるんでしょうか」
「急な依頼を押しつけた迷惑料だ。ミスリル代も気にしなくていい」
心の準備はできていませんでしたが、信用できる生産者を探して依頼をする手間暇を考えると、お任せしてしまった方が良さそうです。
「わかりました。よろしくお願いします」
星石♓、深淵珊瑚、ミストルティンの原木をスラコンの体に当てるようにしていくと、するすると呑み込まれて行きました。
ミストルティンの原木はスラコンの体より長さがあるのですが、特に問題も無く泡になって取り込まれて行きます。
テケテケテケテケテケテケテケテケ……。
星石♓、深淵珊瑚、ミストルティンの原木を取り込んだスラコンは高速で唸るような声をあげて金色に明滅し、震動して行きます。
「スラコンに生産スキルが?」
「ああ、大抵の生産活動をスキルレベル8相当の精度で実行できる」
エピッククラス保持者に匹敵する生産能力があるようです。
テーケーテーケーッ!
唸りをあげたスラコンが一際強く輝いたかと思うと、ドーム状の体の上に金色の光を放つ一本のスコップの輪郭が現れました。
テケ!
体の一部を触手のように変形させたスラコンはスコップの柄の部分を掴んで私に差し出しました。
「完成だ」
背脂所長の言葉を受け、手に取ってみると、金色の光の粒子は火の粉のように舞い散って、海の色を思わせるクリスタルのブレードに白い柄、青みがかった金属のグリップのついた大型のスコップが姿を現しました。
星石はブレードへと変化し、ミストルティンの原木は柄、グリップエンドや金具類はミスリル製、深淵珊瑚は要所のコーティング、柄に描かれたサメのシルエットを描くことなどに使われているようです。
ブレードの側面にはギザギザの鋸刃が刻まれていて、ちょっとした切断作業にも使えるようになっています。
早速何処か掘ってみたいような、これを地面に突き刺したりするのは恐ろしいような、なんとも言いがたい気分になりました。
地面を掘っても壊れたりはしないはずですが、そういうことに使って良いのか不安になるような、芸術品めいた造形です。
「現状五本目のゾディアックウェポンになるはずだ。東京大迷宮のシステム上盗難や強奪の心配は無いが、冒険者や企業などから譲渡や売却を迫られるといったことは考えられる。不要な露出は控えたほうがいい」
そんなアドバイスをもらいました。
配信などに映ってしまわないよう注意が必要でしょう。




