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パンと弾丸とダンジョンと  Ꮚ・ω・Ꮚメー(パンは銃より強くておいしい)  作者:
ダンジョンエクストリーム

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42/81

Ꮚ・ω・Ꮚメー(42:グレーターグリフォン事情聴取)

 目を覚ましたグレーターグリフォンとアークシャークを伴い背脂研究所に戻った私達は、落ち着きを取り戻したグレーターグリフォンから暴走の事情を聞くことにしました。

 背脂研究所は秘密研究所なので、群馬ダークとは別れる形になっています。

 通訳担当のバロメッツたちが聞き出したところによると、


 メェ (冒険者に襲われて逆上したそうだ)

 メメェ(怒り狂って暴れている内に)

 メエェ(三竜の石迷宮に接近しすぎてしまったらしい)


「どんな冒険者だったかはわかるか?」


 背脂所長が確認しました。


 メェ (総勢二十人ほど)

 メメェ(ほとんどが冒険者だが、非戦闘員もいたようだ)

 メエェ(非戦闘員は『ダンジョンエクストリーム』のスタッフと似ていたが、それとは別のグループのようだ)


「どこかの配信番組の撮影スタッフということか?」


 メェ (その理解でいいだろう)

 メメェ(どこかの配信番組がグレーターグリフォンたちの噂を聞きつけてやってきて、攻撃をしかけた)

 メエェ(怒らせて蹴散らされたようだがな)


「『ダンジョンエクストリーム』のスタッフではないんですよね?」


 メェ (そのようだ)

 メメェ(『ダンジョンエクストリーム』のスタッフは東京大迷宮広報局所属のモンスターだが)

 メエェ(グレーターグリフォンを襲った一団は全員人間だったらしい)


 二十人くらいの冒険者と撮影スタッフからなる一団。

 すこし前に見かけた覚えがあります。


「『勇者様vs聖女様vs追放者』の撮影隊の規模がそれくらいじゃありませんでしたか?」


「心当たりが?」


 試食用のチミチャンガを手にした背脂所長はメガネを光らせました。


「事件に関係しているかどうかはわかりませんが、多摩丘陵生産村で『勇者様vs聖女様vs追放者』というテレビ番組の撮影をしているのを見かけました。出演者が十二人、スタッフが十人くらいいたように記憶しています」


「放送局はわかるか?」


「大宮の黎明放送です」


「ここと同じシュバリエ資本だな」


 背脂所長は表情を鋭くして呟きました。

 背脂研究所と親会社が同じようです。


「わかった。シュバリエ経由で問い合わせておこう。暴走の原因が撮影目的での無謀な攻撃となれば、こちらだけ泥を被らされるのも気に入らん」


 背脂所長は面倒そうに鼻を鳴らしました。


「ともかくよくやってくれた。クエストを完了したから確認をしておいてくれ」


「ありがとうございます。チミチャンガのほうも明日には納品できると思います」


 メー (この機会に例の枝と珊瑚を見せたらどうだ)


 バロメッツの助言を受けて、先日アークシャークとグレーターグリフォンにもらった、青い珊瑚の枝と、金色に光る木の枝を見てもらうことになりました。

 スラコンに渡して解析、鑑定をしてもらうと。


 テケ!

 

『深淵珊瑚』

 レアリティ:レア

 生産専用アイテム(宝飾品)

 武器防具、道具の装飾、補強などに用いる。


『ミストルティンの枝材』

 レアリティ:レア

 生産専用アイテム(木材)

 武器や道具の柄材などに用いる


 との鑑定結果が表示されました。


「どちらも生産用アイテムだな。星石も持っていたな。組み合わせてなにか作れるかも知れん。候補を出してくれ」


 テケテケテケテケ……ポン!


 背脂所長の指示を受けたスラコンの上に、数枚のウィンドウを断続的に表示されて行きました。

 今回鑑定した生産アイテムと、星石を組み合わせることで『ゾディアック』と呼ばれる強力な武器防具を作れるようです。

『ゾディアック』の中でも使用材料によってランク差があり、レジェンダリークラスの最上級装備となると、現在の手持ちの他にも高レア、高額の材料が大量に必要になるようです。


 メェ (レジェンダリーはさすがに非現実的か)

 メメェ(エピックならなんとか作れそうだな)

 メエェ(使いこなせるものとなるとまた限られてくるが)


 バロメッツたちとウィンドウを見ていくと、気になるものがありました。

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