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俺Tueeee物語  作者: おおきなダディ
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パーティ結成


 カイエン殿が仲間に加わり、これで4人パーティになった。

 アンネローゼやカイエン殿と話し合ったが、ダンジョン攻略であれば、人数はこれで十分だろうとのこと。

 狭い場所で何人もいても危険なだけということらしい。

 さて、ひとまず私達の目標は、イルヴァが封印の鍵を復活させることにより、魔物たちの勢力を削ぐことである。

 いずれは魔王を討伐するとはいえ、まだそれだけの力が私にはない。

 でも、そもそも本当に封印の鍵が使えるのかは、やってみないとわからないわけで。


「カイエン殿、封印の鍵を見たことがあるって何処のダンジョンかしら。できれば案内して欲しいんだけど」

「良いでござるよ。場所はこの街から南にいったところにある洞窟でござる」

「南の洞窟というと、ゴブリンの巣穴ですわね」

「そうでござる。あやつらは定期的に退治しないと、数が増えて手に負えなくなるゆえ、掃討作戦が組まれたことがあるでござる。そのとき拙者も参加したでゴッザァール」

「あのとき確かに全滅させたと思ったのに、次の年にはまたゴブリンが生まれていたのは不思議でしたわね」

「魔物は封印しなければ、たとえ絶滅させたとしても闇から新しく生まれるのです。根絶するには封印を復活させるしかありません」

「イルヴァ殿の言うとおりでござるな。それに、たった4人では、たとえちいさなダンジョンといえど魔物を全部倒すというのはニントモカントモいかんでござる」

「あのときはいくつもパーティ組んで、交代制で魔物を狩ったのでしたわね。おかげでたくさん魔物が斬れて、レベルもあがりましたわ」


 魔物は倒しても復活するのか。

 そうでなければ魔物なんて人間の敵にしかならない存在、とうに絶滅させられていてもおかしくないか。 


「ところで、ゴブリンってどれくらい強いの?」

「だいたい武器を持った人間の女子供くらいですわ。小さいですし、力も身体に見合うくらいしかありません。というか、なんでキサラギさんはそんなことも知らないんですの?」

「いやあ、私は世間のことに疎くて」


 異世界のことなんて知っててたまるか。


「それでレベル10なんですから、ずいぶんと運か実力がよろしかったのですね」

「……まあね」


 良かったのは運や実力というより装備だが。

 いやまあ、運は良かったと自分でも思うけどね。


「ところで、聞く所によると、さきの魔物との戦闘で、ヒルギガースをたった1人で斬り伏せた剣士がいたという話でござるな」


 私の事か。


「ああ、噂には聞いてますわ。それがどうしたんですの?」

「いや、レベルがいくつあれば、そのような芸当が出来るのだろうかと思ったでござる。拙者、レベル11なれど、皆目検討がつかぬでござる」

「さあ……。それこそ伝説級の剣士でなければ無理ではありませんこと。ま、今のわたくしたちには関係ない話ですけれど」

「当の剣士殿は今頃なにをしているのでござろうか」

「魔王討伐の旅とか?」

「もし会えたらサインが欲しいでござる」


 あ、私がそうだってことみんな知らないのか。

 まあ、あえて喧伝することもあるまい。

 なんせ武器が良かっただけで、私自身はちょっと前までただの大学生だったんだから。

 戦闘技能などなにもないので、謙虚に振る舞うとしよう。


「そうね。それよりカイエン殿、いつのまにレベル11になっていらしたんですの。ちょっと前はわたくしよりレベル下だったはずなのに!」

「何年前の話でござるかアンネローゼ殿……。まあ拙者、よくダンジョン討伐とかに参加するゆえ人よりも成長が早いと自負しているでござるが」

「わたくしだってできるだけ魔物退治の仕事があればやっていますのに!」

「そう言われても困るでござる」

「それでいえば、先程の魔物の襲来は美味しい仕事でしたわね。レベルこそ上がりませんでしたが、ミノタウロスなんて今のわたくし1人では到底太刀打ち出来ない魔物と、サポート万全で戦うことができましたわ」

「ダンジョンでの戦いとああいう合戦では、何もかも違うでござるから、あまり参考にはならないと思うでござるが」

「でも、いい経験でしたわ。キサラギさんもそうは思わないかしら?」

「ごめんなさい。全く思わないわ」


 先の戦い、私が何よりも覚えているのは、死の恐怖だ。

 目の前で死んだ人がいて、私自身も殺されるところだった。

 今、私が生きているのは、それこそ運が良かっただけだ。

 そもそも運が良ければ、勇者として召喚なんてされなかったのだろうけれど。


「しんどい戦いだったでござるよ。結局、城壁の外では撤退戦だったでござる。かの剣士殿が居なければ拙者たちも危なかった筈でゴッザァール」

「……そうですわね。勝ったのは結果論でしたわね。わたくし、ちょっと浮かれていましたわ」

「しょうがないでござるよ。勝ち戦の後なんてそんなものでござる。ニンジャの間には、勝って兜の緒を締めよという言葉もあるでござるが」

「そうね。気を付けて行きましょう。とりあえず、ゴブリンの巣穴に行く前に出来る準備は完璧に整えておきたいところね」

「異論ありませんわ」

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